すみません、これだけ人気というわけではないのですが、Wantedly向きなので掲載です。2018年3月の記事なので、データがやや古いですが、前提とする状況と本質は同じです。
新規事業を検討する多くの企業が直面する問題が「新規事業を任せられる人材がいない」です。
当社に寄せられるご相談で最も多い内容の一つであり、2017年の中小企業白書でも新規事業立ち上げや展開の課題として挙げられた中で「人材不足」が最も高い水準でした。
人材不足は、中途採用の有効求人倍率が2.53(2018年2月)であることなどから、新規事業に限らず日本の多くの企業にとって大きな課題です。
しかし、とりわけ新規事業に関しては不足感が大きいようです。
なぜなのでしょうか?
新規事業人材が少ない理由
unlockでは、下記の3つだと考えています。
1.そもそも新規事業に特化した職種が存在しない
2.新規事業を立ち上げる会社が少ない
3.新規事業の成功確率が低いため
それぞれどういうことでしょうか?一つずつ見ていきましょう。
1.新規事業に特化した職種が存在しない
営業職、技術職、マーケティング職、経営職、人事、総務、経理・・・
企業活動に必要な職種は上記のように見慣れた職種をすぐに挙げられますが、「新規事業職」というのは存在せず、せいぜい「新規事業プロデューサー」という職種を求人広告等で見る程度です。
しかしあまり一般的とは言えませんし、営業や技術職と異なり定常的な業務として存在しないことも多いため、専門特化した1つの「職種」として存在していると言いがたいところがあります。
また、新規事業に従事する人は成功すれば、多くの場合その事業の中で責任者となり、規模が大きくなるにつれていつの間にか0→1の"新規事業"のフェーズではなくなることも挙げられます。
ベンチャー企業でゼロから事業を立ち上げた人も、成功すれば売却や上場というExitを通して、早期に引退をするか、投資家となることが多いため、専門家として市場に出てくることはほとんどありません。
2.新規事業を立ち上げる会社が少ない
1の「職種」として存在していると言いがたい理由として、そもそも「新規事業を立ち上げる会社が少ない」ということが言えます。
身もふたもないですが、これが最も大きな理由です。
2017年の中小企業白書では、新規事業に取り組んでいる企業は約2割というデータがあります。
前年度から引き続き取り組んでいる企業や、季節ごとに商品の新装版を出す企業も含めてのカウントなので、いわゆる「新規事業立ち上げ」のイメージからすると、実際にはもっと少ないと思われます。
3.新規事業の成功確率が低いため
「新規事業の成功確率は5%」は本当か? でも触れましたが、新規事業の成功確率は5%よりは高そうですが、やはり決して高い成功確率とは言えないのが現状です。
新規事業人材の定義を「新規事業を経験した人材」から「新規事業を成功させた人材」とすると、途端に候補が少なくなります。
まとめると、下記のようになります。
そもそも新規事業に取り組む機会を持つ企業が少なく、また営業職のような定常業務でもないため「新規事業の専門家」が生まれにくい構造にある。
また、新規事業の成功確率は一般的に高くないため、新規事業の成功体験がある人材ともなると、極端に少なくなる。
ということで以上コラム記事の紹介でした。
新規事業に専門性を磨くのは、レア人材になるチャンスです。しかもこれからも非常に世の中に求められる職業です。世の中はみんなが良いと認めるタイミングではもう遅いものだらけです。あなたの連絡を待ってます。