第3章|尚雅堂を「会社」にした人、「メーカー」にした人
尚雅堂を築いたのは、間違いなく祖父だと思っている。商いの土台をつくり、信頼を積み上げ、会社として立ち上げたのは祖父だった。一方で、今の尚雅堂の形をつくったのは父だ。祖父の時代の尚雅堂は、和紙製品や書道用品を扱う「問屋」だった。良いものを仕入れ、得意先に届ける。商いとしては、極めて真っ当で、堅実なかたちだ。しかし父は、その立ち位置に疑問を持った。問屋である限り、自分たちで決められることには限界がある。何を作るのか。どう作るのか。どんな価値として届けるのか。それらの多くを、作り手や市場に委ねたままでは、尚雅堂は「尚雅堂でなくてもいい会社」になってしまう。父はそう考えたのだと思う。そこで父が選...