合田さんは、入社から現在までオールラウンダーとして活動してきました。マーケティングや採用・育成を担当しながら、共創拠点の開所を推進した人物です。ATOMicaの組織や事業を語る上で不可欠な合田さんに、入社からこれまでの2年間を振り返ってもらいました。
ATOMicaならではの接客方針、共創拠点プロジェクトの喜びなど、合田さんにしか語れないエピソードをぜひご覧ください。
合田 貴絵|共創拠点 総務
新卒で大手コンビニエンスストアに入社し、店舗勤務・営業・商品統括部・マーケティング部などを経験。WEB制作会社にてディレクター兼ライターを経て、フィットネスアプリを展開する企業でマーケターとしてWEBプロモーションを担当。ATOMicaでは現在、共創拠点の総務を務める。
開所から2年で、ATOMicaが目指す理想のコワーキングへ
ATOMica宮崎開所から1年後の、2020年4月に入社した合田さん。2年間を振り返ってみて何を思うのか、率直な感想を聞きました。
「ものすごくあっという間でした。能動的に働く点は過去の会社と変わりませんが、ATOMicaは何よりもスピード感が早いです。1日24時間じゃ足りない!と感じるほど、バタバタな毎日でしたね(笑)」
合田さんの明るい声色から、多忙でありながらも充実した日々の様子がうかがえます。
前職でモバイルアプリのマーケティングをしていた合田さんは、ATOMica入社後にすぐ、一人目のマーケティング担当を任されました。
「宮崎ではコワーキングスペースの認知度が高くなかったため、Web広告を出してもほとんどクリックされませんでした。そこで、まずはコワーキング自体の認知を上げるためにSNSを頑張ってみたり、宮崎メンバーと連携してブログを毎日出してみたり、泥臭いマーケティング施策に取り組みました。紙媒体が一番刺さりやすいと分かり、チラシを置いてもらえるよう近隣店舗にお願いしたこともあります」
地道なマーケティング活動が功を奏し、最終的にはブログが検索キーワードで一位をとるまでになりました。合田さんが入社した2年前と比べ、現在は客層にも変化が生じたそうです。
「開所したての頃は、コワーキングスペースという場所を物珍しさで使ってくださっていた方が多かったです。でも今は、ATOMicaというブランドを好きになってくれた方や、県外からお仕事で使われる方が増えてきました。会員様同士で繋がりも増えていき、場所だけでなくコミュニティ目的で使ってくださる方も多いですね。隣に座っている方が誰か分からない状態が減って、ATOMicaが目指す『理想的なコワーキングの姿』が出来てきたように思います」
ATOMicaの認知拡大に功績を残した合田さん。しかし彼女の頑張りは、マーケティングだけにとどまりませんでした。
一人ひとりの個性が光る、マニュアルのない接客
マーケティングを担う傍らで、合田さんはCMT(コミュニティマネジメントチーム)の採用と育成にも取り組んできました。組織づくりを推進してきた一人として、現在のATOMicaの組織をどう見ているのでしょうか。
「人の力が強い組織だと思っています。ATOMicaのメンバーって本当に個性がバラバラなんですよ。誰一人として強みが被っていないんです。たとえば、お客様との会話がものすごく上手なメンバーもいるし、誰かを支えるのが得意なメンバーもいるし、オールマイティに動けるメンバーもいる。みんな自分の個性をキラキラと伸ばしていて、一人ひとりの力が、そのままチームの力となっています。メンバーの個性こそがATOMicaの組織の強さの秘訣なんです」
この話を受けて、ある疑問が湧いてきます。個性を伸ばせば伸ばすほど、全体の統一性は失われるはず。個性と統一性のバランスをどのようにとっているのか、率直な質問をぶつけました。
「ATOMicaの接客にはマニュアルがないので、良い意味で接客に統一性はありません。もちろん、マニュアルがあるとクオリティは担保されると思いますが、私はその人のいいところをそのまま生かしてほしいと思っているんです。だから、『一言一句、こういう返しをするように』といった、型にははめないようにしています。実際に、マニュアルがなくても、みんな接客のプロとして素敵なコミュニケーションをとっていますね。私はそれこそがATOMicaらしい接客スタイルだと思っています」
マニュアルなしでも高いレベルの接客が実現している背景には、CMTの採用方針が影響しているようです。
「採用面接で必ず『人が好きか』を確認しています。なぜなら、人が好きであれば、どのような場面でもポジティブに捉えて人間関係の一歩を踏み出せるからです」
「人が好き」であれば、お客様に寄り添った接客ができるはず。その考えのもと、接客スタイルは各々に委ねているそうです。さらに、CMTメンバー間では活発なフィードバックが行われているため、接客のクオリティは日々磨かれているといいます。
「ATOMicaという会社は、驚くほど上下関係がない会社です。だからこそ、年齢やポジションに関係なく『こうするといいよ』『前にこう話したらお客様に刺さったよ』という情報共有が頻繁になされます。メンバーの頭の中には、生きた知識がたまっているような状態です。マニュアルで覚えた言葉とは違い、自分らしい言葉でお客様に伝えることができているんじゃないかと思います」
メンバーの個性を存分に生かす環境と、個々が積み重ねてきた努力が掛け合わさり、現在のATOMicaらしい接客が生まれているのです。
共創拠点で味わえる、難しさと楽しさ
マーケティング、採用・育成を経験した合田さんは現在、共創拠点の総務担当をしています。共創拠点とは、ATOMicaが自社のコワーキング運営で培ったノウハウを提供しながら、パートナーの方々と共創型(共同運営型)で出店する拠点のことです。
「現在の仕事は、拠点開所が確定してからの準備と、軌道に乗るまでのタスク管理です。どうやって空間を使ってもらうのか、どう事業を伸ばしていくのか、どんな課題があるのかといった部分を考えながら、開所に必要なタスクをこなしていきます」
拠点ごとに、コンセプトや目的は異なります。細やかにパートナーの声をヒアリングしながら、遅延のないように進行する力が求められる仕事です。難易度は高いながらも、喜びが大きいと合田さんは語ります。
「共創拠点はATOMicaが前に出ていくというよりも、パートナーの方々と同じ目線で一緒に創り上げていくものです。パートナーの方々が『軌道に乗ってきましたね』と嬉しそうにしていると、私も同じように嬉しくなります。開所までは大変なことも多いですが、それを乗り越えて開所を迎えてしまえば、あとはもう楽しいことがたくさん待っています(笑)。どんどんお客様が増えていく様子や、イベントでたくさんの方が集まっている様子を見ると、幸せな気持ちでいっぱいになりますね」
会社全体が一つのチーム、だから頑張れる
柔らかな雰囲気が漂う合田さんですが、仕事への向き合い方はストイックそのもの。たった2年とは思えないほど、多種多様な仕事を遂行してきました。未経験の領域もあるなかで、どのように仕事をこなしてきたのでしょうか。
「私の経歴って『これが専門です』と言えるような、突き詰めたものがないんですね。コンビニ時代は総合職として幅広い仕事をして、その後にマーケの仕事を経験して、キャリア全体としては広く浅い知識がある感じです。だから、『ここをやりたいんだけど、経験がないから知識を貸してほしい』と声をかけて、みんなの力を借りてきました。ATOMicaでは、ちょっと自信がない分野の仕事でも、拠点に関わりなく得意な人にお願いしたり、サポートしてもらえたりできる環境です。会社全体で一つのチームだなと感じます」
みんなに助けてもらったから、ここまで走り続けられた──そう本音で語る謙虚な合田さんだからこそ、周囲からの信頼を集めてきたのでしょう。
「これからは、原点に立ち返って、各共創拠点のマーケティングに深く入っていけたらと思っています。マーケティング施策はどの地域でも悩みの種です。自分の経験を存分に生かせる領域じゃないかと思うので、現在の仕事に取り組みつつ、マーケティングの方向でもあらためて頑張っていきたいですね」
まだまだやりたいことがある。私にしかできないこともきっとある。合田さんのチャレンジは、これからも続きます。
取材・執筆/早坂みさと