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アニメ制作現場が「やりたいことをやる」ために、経営のプロがいる。《インタビューシリーズ第3弾》

ダンデライオンの社員からリアルな声を聞くこのコーナー。第3弾は「組織・経営」編です!

アニメ制作会社はアニメを作る会社です。だけど組織や経営のことはなかなか外から見えづらいもの。経営陣がどんなことを考え、どんなふうに会社の舵取りをしているのか、今回は取締役の渡辺さんにお話をお聞きしました!

《プロフィール》

取締役 兼 経営管理室長 渡辺 剛司

▽大学卒業後、エンタメ業界を経てITベンチャー企業に入社。

▽コンテンツ配信ビジネスにおいて多数の事業育成をし、株式上場に貢献。

▽ホールディングス化に伴い新設会社の代表に就任。10年間で末端から代表まで経験。

▽起業。様々な企業の事業支援・経営支援を行う。

▽2018年よりダンデライオンに取締役として参画。

コロナ禍での働き方の変化に対応する体制を構築


◆今年新しく組織改変したということですが?

ええ、毎年改変は行っているんですが、今年はコロナ禍ということもあり、特に「労務」「メンタルヘルスケア」を重視した体制に作り替えました。

◆コロナ禍で働き方に変化があったんですか?

会社全体的にテレワークが中心になりました。ほとんどの人は在宅で仕事をしていて、出勤は全体の20%程度に抑えているので、実質は平均週1日程度になるかと思います。100%テレワークしている人もいます。

◆メンタルヘルスでは何を強化しましたか?

まずは、当然ですが「36協定」の遵守です。法令に従って残業時間の管理を徹底し、産業医の面談も取れる体制を作りました。コロナ禍でテレワークがメインになったことで、仲間とコミュニケーションを取る機会が減ったのは事実なので、メンタル面のケアには気をつけています。

◆組織改変で他に取り組んだことはありますか?

「福利厚生」にも力を入れました。

◆どんな風に変わったんですか?

福利厚生の会員制サービスに新たに加入しました。以前はスポーツクラブの法人会員に入会していたりしましたが、利用できる状況が減ってしまったのでいったん解約し、より幅広いシーンで使えるものに変更しました。

◆福利厚生の選択肢が広がったんですね。

そうです。社員にアンケートをとって、できるだけみんなの希望に沿うようなものを取り入れました。社員の声で多かったのは、映画館の割引。他にも、今はなかなか飲食店に行けないですが、打ち上げとかの際に飲食店でも使えるサービスがほしいという声もあり、そういったものをトータルに含んでいる会員制サービスに加入しました。

「やりたいことをやれる状態にする」のが私の役割

◆渡辺さんは過去に企業で代表取締役もしていて、経営コンサルティングの経験もあるんですよね?

事業支援・経営支援を行なっている中で、ダンデライオンに縁があり、経営をサポートするようになりました。代表の西川とマンツーマンで組織変更を行い、外部との資本業務提携などもまとめ、2018年に会社が組織変更するタイミングで役員としてジョインしました。

◆経営を管理する立場として、どんなことを大切にしていますか?

私が常々、代表の西川に言っているのは、「やりたいことをやりたいようにやってほしい。それができる状態に会社をしておくから」ということ。事業計画、経営計画を作るところから実行の管理まで一連のサイクルを担い、良好な経営状態を作ることが私の役割です。そこで重視しているのは、大きな飛躍を遂げるということよりも「継続性」。持続的に成長していくことが何より大切なテーマです。

◆「継続性」を構築するためにどんなことを行いましたか?

経済産業省のデータを見ると、エンタメ業界の会社の規模は平均15人程度で、ほとんどの会社が4人以下なんですが、ダンデライオンは80名前後もいます。4名~15名の企業だと制作業務で精一杯で、それ以外にはなかなか気を回すことができません。でも80名前後もスタッフがいるダンデライオンがそれではまずい。数字の面では、事業計画を立てて予実管理(※)を行うこと、財務の健全性には意識が強くなっています。(※予実管理…企業の数値目標として立てる予算と実績の管理のこと)

◆それから変化はありましたか?

会社の経営状態は比較にならないほど変わりました。数千万円規模の設備投資を去年、今年と行ったことが結果に現れています。ですが大事なのは、それをやったということよりも、“会社がそれをできる状態だ”ということです。

約1千万円でモーションキャプチャのシステムを導入

◆今年はどんな設備投資をしましたか?

「MVN」というモーションキャプチャーのスーツ(システム)を2着買いました。スタジオがなくても撮影が可能なセンサー式のスーツがあるんです。まだまだ光学式のモーションキャプチャースタジオが主流なので、このスーツを持っているところはそこまで多くないと思います。

◆ちなみに去年はどんな設備投資をしたのでしょう?

去年はコロナ禍一年目だったので、スタッフ全員がテレワークできるようにインフラをクラウド化しました。いわゆる「DX」になりますが、いくつかのプロセスをデジタル化したり、一部の業務を自動化したりしました。早めにこのようなことが出来たのは良かったと思います。

◆経営面で他に力を入れていることはありますか?

注力していることの一つが「非制作収益」を伸ばすこと。ダンデライオンは制作会社なので、アニメを制作してその製作費をもらうわけですが、それとは別のところで、作品の権利などでも収益は伸ばせます。まだ大きなインパクトは出ていませんが、いずれ大輪を咲かせると思っています。

◆制作会社で「非制作収益」の視点を持ち、力を入れるのは渡辺さんならではの動きですね。組織面で変えたことはありますか?

制作面で予算管理を専門に手がける制作経理というポジションを作りました。この制作経理はハリウッドではプロデューサーの次に偉い人と言われていて、実は制作現場では大切な仕事なんです。アニメ制作でも収益を確保するためには細かくお金を管理する必要があります。

誰もが「リスペクト」し合える組織であるために。

◆ところで渡辺さんもテレワークで働いているそうですが、ライフスタイルに変化はありましたか?

今、小学生の子どもがいるのですが、テレワークになって子どもの成長を近くで見られるようになったのは嬉しいですね。上の子がサッカーやっているのですが、所属しているチームの特徴のひとつで、親が審判の免許を取って試合でレフリーをすることになっているんです。


◆へえ。面白いチームですね。

審判のライセンス取ったときに、ルールブックをもらうんです。その一番最初に書いてあるのが「リスペクト」。プレイヤーに対するリスペクト、指導者に対してのリスペクト、審判に対してのリスペクト。「リスペクト」の心を持つ、というのが一番最初に触れられていて、「リスペクト」と書かれたワッペンもつけるんです。

私は仕事も同じだと思っています。自分以外のたくさんの人たちがそれぞれの役割を担ってくれることで仕事はうまくいきます。私自身、審判の時だけではなく、会社でもリスペクトの心を持ってみんなと接していこうと思っています。

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