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【メンバー紹介】石塚広一Design&Engineeringの実践を目指して


構造計画研究所 構造設計2部のメンバーを紹介するインタビューです。
まずは部門長を務める、石塚に話を伺いました。

学生時代に取り組んだことは?

学生時代は工学研究科建設工学を専攻していました。
川口衞先生、佐々木睦朗戦先生という名だたる構造エンジニアに師事し、構造設計にかける思いの深さとそれを実現するための方法を学びました。

なぜ構造計画研究所に?

多様な技術を有するKKEならば、技術を融合させて、もっと面白いことができると感じたからです。
入社してからは一貫して構造設計に従事し、主に免震・制振の特殊な建築物を数多く担当することで経験を重ねてきました。

印象に残っているプロジェクトは?

全てのプロジェクトに思い入れがありますが、
山下貴成建築設計事務所と一緒になって参加した、
モザンビークに計画された学校の提案です。

0歳から5歳までの子供たちを対象とした学校を建設するというAssa Jacinto Mabai氏の建築コンクールに参加しました。
敷地は市街地や周辺の住宅からは少し離れており、降水量は少ないものの、インフラが未整備のため雨水をタンクに貯めて生活用水として利用するなど、自然の恵みを最大限活かすことと、現地で調達できる材料とボランティアの協力で建設可能な工法の提案が求められました。
建築のコンセプトは水に浮かぶ蓮の葉のような滑らかな波の形状をイメージし、雨水を採集しつつ下屋に涼しい影を与える波形の屋根をコンセプトとしました。
屋根および構造は円形状として、円の中は木を中心にし、子どもが自由に遊べるようバリアフリーの内庭を設けています。
構造のコンセプトは円の形になった立体効果で屋根の部材を支え合うことにより構造を強化するというコンセプトとしました。
モザンビークに受け入れやすい材料を選定し、シンプルな構造接合部を提案しました。


他にはどのような案件がありましたか?

「ウェアラブルバイタルセンサを用いた地震動に対する安心の定量化」という研究を行いました。
様々な建築物の設計に携わった中で、建物の中にいる人の安心も重要であることに気づきました。
きっかけは東日本大震災で、複数の入院患者の心電図モニターに異常値が現れたという論文を読んだことでした。
そこで、ウェアラブルセンサーを活用して、心的ストレスの数値から、安心を評価する研究を行いました。
実験・分析の結果から、構造形式の違いにより、人々の安心性に違いを確認することができました。
「免震構造」は防災・減災対策の有効な一手段と成り得る可能性を秘めています。
しかし、免震建物は年200棟ほどしか建築されておらず、「免震構造」の健全な普及に向けた対策が必要とされています。
詳細な内容については、日本建築学会にて発表させていただきました。
その他、免震・制振技術を活用した再開発プロジェクトや、ファサードデザインと構造設計を組み合わせた商業施設の新築設計、CLTハイブリッド構造を用いた木造構造設計、プロポーザルへの参加、実験コンサルティングなど様々なものに取り組んでいます。

チームにはどんな人が多いですか、どのような人と一緒に働きたいと思いますか?

設計に対して熱意を持ち、新しいエンジニアの姿を追い求めることのできる人と一緒に働きたいと考えています。
やりたいと思っていることを発信してもらい、チャレンジの場として構造計画研究所を活用してほしいという考えがKKEにはあります。
メンバーについては、建築をベースとした上で興味関心や国籍も様々な多様性のあるチームです。

どの様なチームを目指していますか?

個を活かした、自立分散型ネットワーク組織です。
2017年から3年間の予定で取り組んだ「中長期戦略プロジェクト」では、所員にやりたいと思っていることを発信してもらい、将来性や独自性を考慮して6つのテーマをピックアップし、各チームを設置しました。手を挙げた所員を各プロジェクトのチームリーダーに据えました。
それぞれのテーマは、
①コンピュテーショナルデザイン
②3Dデジタル技術の活用
③BIM(ビルディングインフォメーションモデリング)応用活用
④海外プロジェクトの推進
⑤次世代免制振技術の高度化
⑥次世代免制振技術の普及
建築に近いテーマもあれば、新領域への拡大に繋がるテーマもありました。
当たり前ですが、どのプロジェクトもチーム内のメンバーだけでは実現できません。
そこで、彼らは社内の別部門にいるエンジニアと手を組むのです。
上から言われて動くのではなく、自発的にネットワークを創り出していく。
私が理想とする当社のありたい姿は、個を活かして組織として強くなることです。
一人ひとりのエンジニアの挑戦を支援し、個性や強みを発揮した結果、そこから生まれた技術を今後の実務へ取り入れ繋げてゆく。
そうして生まれた組織が構造計画研究所となった歴史があるからです。

最後に部門長としての想いは?

イノベーションの創出と新たな挑戦を誘発するための風土づくりを行っています。
この風土の中で、仕事への取組み方を学んでほしいという思いがあります。
目の前の仕事だけを見るのではなく、エンジニアとして常に将来を見据え、やるべきことを考えてほしい。
「未来」は来るものではなく、自らが今から創るものなんです。
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