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国内の大手企業を中心に、生成AIに関するコンサルティングからシステム開発までを一気通貫で提供するGenerativeX(ジェネレーティブエックス)。2024年4月には、シードラウンドで1.2億円の資金調達を完了。2024年の夏にはアメリカ支社を設立し、海外での事業展開を本格化するとしています。今回は、代表の荒木に、創業の経緯、大事にしている価値観や考え方、求める人物像について話を伺いました。
荒木 れい プロフィール
東京大学経済学部卒業、同大学院工学系研究科修了。新卒でJPモルガン証券株式会社の投資銀行部門に入社し、M&A、資金調達などのアドバイザリーに従事したのち、株式会社ウェリコを創業。同社事業の売却を経て、2023年6月に株式会社GenerativeXを創業。
日本がグローバルで戦える国にするため、生成AIを活用した変革を起こしたい
ーー創業の経緯を教えてください。
誰もがテクノロジーを活用しながら働ける世界を目指したい。そんな想いで、2023年6月に株式会社GenerativeXを創業しました。技術進歩によって生成AIやDXに関連するプロダクトが登場しているものの、本質的にビジネスの課題解決を担うソリューションは少ない状態です。そんな発展途上の市場だからこそチャンスがあると感じています。
ーー創業後、事業の成長のために優先してきたことはありますか?
まずは、日本を率いるTier1企業へのアプローチを優先してきました。業界をリードしている企業は、生成AIのような最新技術の活用の重要さを理解しているからです。
そして、理解しているからこそ変革を起こすことにも意欲的で、最新技術に対する興味も強いです。実際に当社は、2023年6月に創業してまだ1年程度ですが、業界を代表するような製薬メーカー、通信会社、金融機関、半導体メーカー、大手ガス会社様とお取引の実績があります。
また、単純に事業の成長のためだけではなく、再び日本がグローバルで戦える国にしたいという想いが根底にはありました。そのためには、やはり大きな企業から変えていくことが近道だということもわかっていました。
今後、グローバル水準に合わせていくためには、ITやDXでの変革が必要不可欠だと思っています。
ーーGenerativeXが支援している具体的な事例を教えてください。
大手通信会社様の事例では、生成AIに経理や財務のエクセルデータを学習・分析させて、自動回答できる社内ツールを開発しました。また、ある大手製薬メーカー様の事例だと、研究開発部門で必要となる仮説抽出プロセスを生成AIで効率化する取り組みを行いました。
ここでお伝えしたいことは、データを集約・整理するだけであれば既存のシステムでも可能ですが、生成AIを活用すれば、「生成AIが分析や考察までしてくれる」という点です。
これによって、これまで人間が行っていた単純作業以外の部分も効率化することが可能です。そして、実際にツール開発をした後もクライアントが正しく使いこなせるようになるまで伴走しています。
「生成AIのツールを導入して終わり」ではなく、内製化の支援までを徹底して行うことも大事にしています。
本質はクライアントの課題を捉える力。あくまで「生成AI」は手段である
ーー大切にしている考え方や価値観を教えてください。
「カスタマーファースト」ですね。自分たちの都合を押し付けずに、とにかくクライアントのプラスになるように心がけています。必ずしも生成AIを活用して課題解決を検討する必要はないと思っており、クライアントの課題解決に最も適するであろう手段を提案することもあります。
そして、いたずらにPoCを繰り返すことはせずスピーディに行うことで、クライアントの金銭的な無駄も無くしています。
コミュニケーションにおいては、今はリモートでの打ち合わせが主流になっていますが、対面の方が良いのであれば、現場に足を運んでコミュニケーションを深めます。いわゆる、AI系スタートアップといえば、「オフィスがきれい」「社食が充実」というイメージがあるかもしれませんが、当社はむしろ真逆。泥臭くてマッチョな会社だと思います。
ーーGenerativeXの強みはどこにあると思いますか?
強みは3つあって、1つめが的確にクライアントの課題を捉える力。当社は生成AIを主なソリューションとして取り扱っていますが、生成AIはあくまで課題解決の手段の1つと認識しています。大切なのは、クライアントの課題を的確に捉え、解決策を提示することだと思います。
2つめが幅広い業務に対して理解ができること。クライアントの多くは「どのように生成AIを活用すれば良いかわからない」という悩みを抱えています。
そのなかで、正しい生成AI活用の提案を行うためには、私たちがクライアントの業務とその課題をどれだけ理解できるかが重要になります。実際にクライアント先に足を運んで業務インタビューなども実施した上で支援を行っています。
3つめがスピードですね。我々が主なクライアントとしている大企業は、最新鋭のテクノロジーのトレンドに敏感です。しかしながら、多くが外部ベンダーに依頼して生成AIを導入するまでに半年から1年ほどかかっている状態です。確かに実証実験は大切ですが、生成AIは日進月歩の成長を遂げているため、導入した頃にはさらに新しい技術が台頭していることも珍しくありません。小さい課題からでもスピーディに解決していき、それを積み重ねることで大きな変革へ繋がっていると思います。
ーー⽣成AIの活⽤⽀援やコンサルティングを行うメンバーは、日々どのように知見やノウハウを磨いていますか。
プログラミングを教えたり、生成AIに関する講習を受けてもらったりするケースもありますが、知見やノウハウを得るために何か特別なことはしていません。本質はクライアントの課題を的確に捉えることなので、やはり現場でクライアントとコミュニケーションをするなかで得られる学びや気付きの方が圧倒的に多いです。
生成AIに興味がある人よりも、ビジネスに貢献したい意思を持ち『クライアントファースト』を徹底できる人と働きたい
ーー今後の展望について教えてください。
まず、短期的な目標としては海外進出ですね。2024年の夏にはアメリカにオフィスを設立し、海外展開を本格化させる予定です。そのためにも、まずは共に会社を伸ばしていけるメンバーが必要です。当社の理念や価値観に共感し、技術とビジネスで実績がある人を10名ほど採用したいですね。
中長期的な展望は、生成AIにこだわらずに広い視野で当社の可能性やポテンシャルを探っていくこと。繰り返しお伝えしているように、生成AIは課題解決の手段の1つでしかありません。これからも伸びる市場ではありますが、トレンドは常に目まぐるしく移り変わります。クライアントが求める最高水準のサービスを提供できるよう、常に未来を見据えてアクションし続けていきたいです。
ーーどんな人と一緒に働きたいですか?
1つめがプロフェッショナル意識。ここが1番大事ですね。
自分たちの目線じゃなくてクライアントの結果にコミットすること。先ほどもお伝えしたカスタマーファーストに近いです。常にクライアントのためにどうするべきかを考え、真摯に向き合う姿勢がないと当社で働くことは難しいと思います。
2つめが豊富なビジネス経験やスキルですね。クライアントを特定の領域に絞っていないため、さまざまな業界・業種のビジネスや事業への理解が求められます。事前に知識が必要という意味ではなく、クライアントから学びながら適切な提案ができるようなビジネススキルがあると良いです。
3つめがテクノロジーに対する理解です。当社ではコンサルタントでもプログラムのコードを書く機会があり、今いるメンバーも簡単なコードであれば書いてクライアントの提案に使用しています。その点で、データの取り扱いができるリテラシーがあると好ましいですが、必須ではないです。
ーーGenerativeXで働く魅力について教えてください。
設立1年のスタートアップで、生成AIを活用して大企業のオペレーションの改善や事業成長に貢献できる機会はそうありません。
ただ、当社はカスタマーファーストで求められる水準も高いでしょう。多少苦しいことや難しいことがあっても、折れずにやりたいと思えるかが大事です。自分のペースで自分の喜びだけを考えたい人には合わないかもしれません。
もちろん、創業期にジョインして活躍いただいたメンバーには、しっかりと見合った報酬をお渡ししたいと思っています。
ーーGenerativeXで働くことに迷っている人にメッセージがあればお願いします。
人生のなかで勝負のタイミングは、ほんの数回しか訪れません。これから伸びるAIというトレンドテーマに関われるのは本当に幸運なことです。単に生成AIに興味がある人ではなく、1度大きな挫折を味わったことがある人、本質的なものを理解している人にぜひ来て欲しいですね。