半導体の設計に関わりたいと考える松本龍一郎さんにとって、Webアプリの開発は遠回りに見えるかもしれません。それでも松本さんは「開発の土台」を身につけるために、SALT2の「AI駆動開発ブートキャンプ」に参加しました。
それまでのコーディング経験は、GASを少し触った程度。チーム開発のSprint 2では、AWSのインフラ担当を任されました。知らない仕組みを教材とAIの図で少しずつ理解していった先に、AIが書いたコードはどこまで読めるようになったのでしょうか。
松本龍一郎|東京大学 工学部 電気電子工学科 3年
将来は半導体業界に関わることを目指している。
2026年夏のAI駆動開発ブートキャンプを修了し、現在はSALT2でブートキャンプのお題づくりに携わっている。
ハードウェアを目指すからこそ、まず開発の土台を
── まずは簡単に自己紹介をお願いします。
松本:東京大学電気電子工学科の松本龍一郎です。将来は、何らかの形で半導体業界に関われたらと思っています。
── 半導体の道を目指すなかで、なぜ開発のブートキャンプを選んだのですか?
松本:半導体には、半導体そのもののデバイスと、それを組み合わせる設計という分野があります。設計の方をやる場合はプログラミングやコーディングが必要になるので、その土台をどこかで鍛えたいと思っていました。
設計はハードウェアで、ブートキャンプで取り組んでいるのは主にソフトウェアです。ハードウェアを目指しているのに、なぜソフトウェアなのかと思われるかもしれません。でも、ソフトウェアにしろハードウェアにしろ、開発の土台はあまり変わらないと思ったんです。それで、まずは土台を身につけようと選びました。
── 参加前はGASを少し触ったくらいだったそうですね。参加するときに不安はありましたか?
松本:不安はありました。ただ、紹介してくれた知人から、初心者でも大丈夫だと聞いていました。
それに、今のうちに開発の基礎を身につけておきたいという気持ちがありました。自分のスキルのレベルは気にせず、とりあえず申し込んでみようという気持ちで申し込みました。
「何を言っているんだろう」から始まったAWS
── Sprint 2ではインフラ担当だったと聞いています。チームのシステムをAWS上で動かすまでに苦労したことはありますか?
松本:あります。AWSには本当に大量の機能があって、その一つひとつも知らない状態からのスタートでした。正直、何を言っているんだろうという状態で、ずっとAIと話しているような感じだったので、そこはきつかったですね。
ただ、ブートキャンプの資料がしっかりしているので、必要な知識は資料を見れば分かります。そのうえで分からないところはAIに聞きました。
AWSの機能は、どこからどこに情報が流れているのかを図にすると分かりやすいんです。だから、AIに「図で書いたらどうなる?」と聞いたりして、なんとか理解していきました。
「うっすら理解ですけど、なんとか軽い理解はできました。」
── 発表前の最終確認も任されたそうですね。システムがちゃんと動いたときの気持ちを教えてください。
松本:やっぱりうれしかったですね。自分で作り上げたものが、パソコンの画面上でちゃんと動いている。
それまではGASで、ボタンを押すとスプレッドシートに整理されたデータが出てくる程度のものしか作ったことがありませんでした。Webで開発して、それを出せたのは本当にうれしかったですし、成長した感じがすごくありました。
チーム開発を経験できるのは、すごくいいなと思っています。実際、いまインターンでもチームで開発しているので、そういうスキルを身につけるうえで、Sprint 2はよかったと思います。
── ブートキャンプは、やり込もうと思えばいくらでもやり込めます。大学やほかの予定とはどう両立しましたか?
松本:夏休みだったので、勉強との両立という意味では困りませんでした。ただ、サークルや個人的な旅行と重なっていたので、そこはブートキャンプを優先しました。まずブートキャンプを終わらせることを意識していました。
「ファイルの意味」が分かると、AIのコードが読めてくる
── 最初は「AIの書いたコードをきちんと理解する」ことを目標にしていたそうですね。終わってみて、どこまで達成できたと感じますか?
松本:完璧に理解できるわけではありません。ただ、そのファイルが何のファイルなのかを把握したうえで読むと、ここではこういうことをしているんだな、というのは大体分かるようになりました。
すごく大事だと思ったのは、ファイルの意味を理解することです。ファイルの意味が分からないと、コードだけ見せられても何も分かりません。
このディレクトリの下にはこういうファイルがある、という開発の基本的な知識があれば、これはどういうことをしているんだろう、というのが分かるようになると思います。そこを押さえられたので、コードの読みやすさが上がったと感じています。
「このファイルは何をしているのかなと理解するのが、すごく大事なんだと感じました。」
自分が解いたお題を、今度は考える側に
── 受講後すぐに、ブートキャンプのメンターや運営の側に回ったそうですね。ブートキャンプでの経験は、今どう生きていますか?
松本:今はSprint 2のお題や、Sprint 2のいろいろな変更点を考える立場にいます。その変更点は、いまはインフラ面のものなんです。だから、AWSのインフラ担当でなかったら、この役目は任されていなかったと思います。
お題も、自分が実際に取り組んだからこそ考えられている部分があります。仕事にすごく直結していると思います。実際、ブートキャンプで習った開発の流れを今も追ってWeb上にデプロイしたりしているので、すごく役に立っています。
AIエージェントを理解したい人に
── 最後に、これからブートキャンプに参加する人へメッセージをお願いします。
松本:個人開発を体験できますし、チーム開発という、ほかではなかなかできない経験もできます。そのうえで、開発に必要な知識もブートキャンプのアプリでいろいろ提供してくれます。
AI、なかでも最近いちばん盛り上がっているAIエージェントを理解したい人には、ぜひおすすめしたいですね。
動かしたことのない本番環境では発表しない。インフラ担当の段取り
松本さんが「うっすら理解」と話したAWSですが、Sprint 2のチームの記録には、インフラ担当として段取りを組んでいった跡が残っています。
Sprint 2のお題は、製造業の現場で実施しているアンケートの設問を根拠を持って絞り込み、集計結果から分析レポートを出すシステムでした。最初の数日は、Terraform、AWSへのデプロイ、CI/CDを中心に教材で学び、チームのAWS構成を理解するところから始めています。
インフラ設計書は、DB設計とAPI設計ができてから取り掛かるものです。そこで松本さんは担当者に早めの作成を頼み、それらがマージされてから自分のプルリクエストを出しました。レビューする人が差分で混乱しないようにするためです。
実装担当とは、バックエンドのポートやヘルスチェック、環境変数、DBへの接続方法、フロントエンドから呼ぶAPIの接続先をすり合わせました。そのうえでECR、ECS、ALBの疎通を確かめてから、AWS上でMVPを動かす。メンターが整理したこの順番で進め、プルリクエストを出すと自動テストが走り、mainにマージすると本番に反映される流れまで整えています。画面はCloudFront、APIはALBで公開しました。
発表の3日前のチームレビュー会では、AWSのデプロイ状況やCI/CDの流れをチームと確かめ、発表までのAWSの最終確認を任されました。そして発表の前日、一度も動かしていない本番環境を当日に立ち上げるのはリスクが高いとして、AWS上に構築したdev環境での発表をチームに提案しています。dev環境と本番環境の違いはコストと冗長性だけで、アプリの画面や見た目は同じであること。初めて動かす環境は、当日まで何が壊れるか読めないこと。本番環境は費用がかかり、簡単には壊せない設計にしてあること。この3つが理由でした。
ブートキャンプについて
SALT2では、AI駆動開発ブートキャンプを定期的に開催しています。
参加したい気持ちがあれば、開発経験は問いません。
なお、応募者が多数の場合は、運営による選考を行います。
プログラムの詳細や最新の日程は、ブートキャンプ特設サイトをご確認ください。
👉 SALT2 AI駆動開発ブートキャンプ
https://events.salt-2.com/?utm_source=wantedly&utm_medium=social&utm_content=ebbbe88d
SALT2では、一緒に働く仲間を募集しています
SALT2は、企業の仕事をAIエージェントに任せる自社製品「Trooper」、研修・ブートキャンプ・FDEを通じたAI内製化支援、Boost Consultingグループと課題の特定から実装・定着まで取り組むAIコンサルティング・開発の3つの事業に取り組んでいます。
AIを使いながら自ら手を動かし、仕事の進め方そのものを一緒につくりたい方は、
SALT2の採用情報もご覧ください。
👉 SALT2 採用ページ