こんにちは!kaeka採用チームです。
kaekaには「トレーニングディレクター(TD)」という職種があります。社内では当たり前に使っている言葉ですが、初めて聞く方には何の仕事なのかわかりにくい名前だと思います。
そこで今回は、TDを統括する渡邉さんに、採用チームが根掘り葉掘り聞いてきました。
■ ひとことで言うと、TDは「描く仕事」
――TDって、そもそも何をする仕事なんですか?
「ディレクションという言葉には、絵を描くイメージを持っているんです。クライアントの未来や課題を一緒に描いて、そのために必要なトレーニングの像を描く。研修が終わったあとも、次にどんな人が、どう変わる必要があるのかを描く。最初から最後まで、話し方・コミュニケーションの文脈からクライアントの理想を描き続ける仕事だと思っています」
――進行管理(PM)とは違うんですか?
「もともとは、企業研修の進行管理を担う『PM』という役割でした。ただ、研修が増えるにつれて、品質を担保することや、続けていただくことまで責任を持つようになって。ただ進行管理するだけじゃない、というのが前提なので、名前を変えたんです」
■ 依頼の言葉を、そのまま受け取らない
――案件は、どんな状態でTDのところに届くんですか?
「『営業チームにコミュニケーション研修をしたい』くらいの粒度のことがほとんどです。営業の商談は30分ほどなので、深いヒアリングまではできていない。背景や理想像は、ほぼ書かれていないことが多いですね」
「でも、それって本質的じゃないことが多いんです。なぜ今、営業力を上げる必要があるのか。ほかの事業部にも同じような課題はあるはずなのに、なぜこの部署なのか。それを一緒に考えていくと、本当にやりたいことが見えてくる。そのまま受けた案件をやるんじゃなくて、その企業の今の状況を聞いて、何が課題で、どういう方針があって、そこに僕らがどう関われるかを設計しながら動かしていく。それがTDです」
――いちばんエネルギーを使うのは、どこですか?
「入口ですね。ただ、企業さんによって難しさはまったく変わります。先方が描ききれているなら、そこに沿って中身を詰めればいい。描ききれていないなら、本質的なところをこちらから描いて提案する必要がある。その見極めがTDの面白さでもあります」
――窓口の人事の方と、実際に研修を受ける現場の方とで、考えていることがずれることはありませんか?
「あります。人事の方とは『中間管理職がビジョンを語れるようになってほしい』と握ったのに、現場に入ると『それも大事だけど、自分の課題は部下の意見を吸い上げられないことなんだよね』と言われる、とか。なので最近は、最初の打ち合わせに、受講者の中でいちばんメッセージを出せる方にも来ていただくようにしています。両方の話を聞いたうえで設計できるので」
■ 入口から出口まで、ひとりで持つ理由
――ほかの会社だと、導入までの壁打ちと実行の担当を分けることもありますよね。
「今のところ、分けるつもりはないです。最初にヒアリングして壁打ちした人がそのまま担当するのと、そうじゃない人が担当するのとでは、自分がお客さんだったら信頼度が違うと思うんです。それに、打ち合わせで感じた先方のコミュニケーション文化みたいなものは、動画で引き継いでも伝わりきらない気がしていて。課題までは引き継げても、設計に必要な空気感までは引き継げないんじゃないかと思っています」
――TDはトレーナーでなければいけないんでしょうか?
「課題を設定するところだけなら、正直、能力があれば営業でも誰でもできると思います。でも、たとえば『信頼される話し方ってどうしたらできるのか』を分解して、だからこの単元をやりましょう、と研修に落とすには、トレーナーの知識が要る。それに、話し方の会社なので、出てきた担当者の話し方が伝わらなかったら、その時点で期待値が落ちますしね」
kaekaでは、TDとして入社した方も、まずはスピーチトレーナーとして立ち上がります。その期間中から、企業研修の打ち合わせや設計、研修当日に同行して、TDの仕事を横で見ながら覚えていきます。
■ 記者会見に向けて、経営陣と並んで原稿を組み直した
――これまでで、印象に残っている案件はありますか?
「記者会見に向けた研修ですね。経営者の方や広報の責任者の方と横に並んで、原稿を一緒に見ながら、ホワイトボードに構造を書いて『ここはこう伝えたいですよね』と組み直していく。話し方のトレーナーとして『私はこちらの方がいいと思います』と意見を言うと、その場で『確かに、こっちに行こう』と決まっていく。言葉がその場でできあがっていく感覚がありました」
「当日は会場にも入って、カメラがどこにあるか、目線をどこに向けるか、ステージにどう出てくるかまで一緒に決めました。2週間ほどの短い案件で難易度も高かったんですが、すごくいい案件でした」
――案件の幅は広いんですか?
「広いです。幹部層の育成もあれば、営業のプレゼン研修も、マネージャーがメンバーに伝えるリーダーシップの研修もある。ピッチや記者会見のように、具体的な場面に向けたものもあります。毎回ちがう業界、ちがう組織の事情に触れながら仕事ができるのは、TDならではだと思います」
■ なぜ今、TDを増やしたいのか
――会社として、なぜ今TDが必要なんでしょうか?
「大手企業からのご依頼が増えているのが大きいです。歴史のある大きな企業にも、話し方が必要だと思ってもらえている。そこで『やってよかった』と思っていただけないと、この市場自体が広がらない。大手企業だと、営業部、人事部、経営企画と、一社の中で案件が広がっていくことも多いんです。営業としては受けられても、全体をディレクションできる人の人数が足りない。そこがキャップになって、研修の開始を少し先にお願いしている案件もあります」
――TDがいることで、何が変わるんですか?
「全員が幸せであるために必要な職種だと思っています。クライアントにとっては『時間とお金をかけてやってみたけど、意味があったのかわからない』で終わらない。何ができて、何がまだできていないのかがわかる。トレーナーにとっても、『この案件、何をすれば満足してもらえるんだろう』と迷ったまま当日を迎える、というのがいちばん不幸なので。TDが背景を整理しておくことで、トレーナーは当日、伝えきることに集中できます」
■ どんな人と一緒に働きたいか
――どんな人がTDに向いていると思いますか?
「ひとつは、代理店や制作会社、コンサルなどで、プロジェクトを回してきた人です。スコープを切って、スケジュールを引いて進めていく力は、そのまま活きます。ただ、それだけだと、目の前のエンドユーザーにどんな変化が起きているのかが見えない。人への貢献を感じたくて、このままでいいのかと思っている人には合うと思います」
「もうひとつは、キャリアアドバイザーのように、目の前の人に向き合ってきた人。もっと大きな構造から、その人に何が必要かを考えたくなった人にも、TDというやり方があると知ってほしいです」
――チームとして、どんな人と一緒にやりたいですか?
「『私がこの企業の担当です』と胸を張って言える人と一緒にやりたいです。マネージャーや統括がいちばんその企業をわかっている、という状態は本質的じゃないと思っていて。その企業にいちばん向き合っているTDこそが、クライアントにとってのkaekaの顔なので」
「コンサルに行けば、いろんなことを学べると思います。でも結局、目の前の人たちが変わったかどうかはわからない、ということになりがちです。企画もして、現場の人が変わるところまで見届けたい。でも、その手段が分業されすぎていて、なかなかない。もしその分業に違和感を持っているなら、全部やっていく手段がある、ということを知ってほしいです」
■ TDを経験すると、何が身につく?
――TDの仕事を通じて、どんな力がつくと思いますか?
「PMと呼ばれる仕事は、だいたいできるようになると思います。プロジェクトを進めるのに必要なものが全部詰まっているので。それに、相手の言葉の奥にあるものを探って、『こちらの方がいいと思います』と専門家として提案する経験ができる。御用聞きにならない、というのは、営業でも人事でも、どこに行っても大事な力だと思います」
「あとは、個人で成果を出していた人が、チームで成果を出す動き方を身につけていく。社内のメンバーをどう巻き込むか、クライアントの後ろにいる関係者をどう巻き込むか。そこを考えるようになるのが、いちばん大きな変化かもしれません」
■ 最後に
kaekaでは、トレーニングディレクターを募集しています。「PMの仕事は好きだけど、その先で人が変わる瞬間まで見たい」と思っている方は、ぜひ一度カジュアルにお話ししましょう。