【特集インタビュー/私とシャープ:研究者編】世の中に一石を投じる、量子ドットディスプレイ開発の中心で。 | シャープ株式会社
シャープの液晶ディスプレイの歴史は1973年に初めて液晶ディスプレイを搭載した電卓に始まり、人々の暮らしを豊かにする新しい商品の創出に貢献してきました。2004年には当時世界最大の1,500×1...
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1964年、シャープは世界初のオールトランジスタ電卓を発売致しました。それまで、テレビやラジオ等アナログ分野での応用が中心であった半導体が、デジタルの世界へと一気にその応用領域を拡大するきっかけとなった記念すべき商品です。
以来半世紀以上を経て、半導体は今や巨大市場へと成長しています。半導体には、これからも脱炭素社会の実現や、デジタルトランスフォーメーションをけん引するコアテクノロジーとして、幾多の技術革新が期待されています。
今回は大学では医工学を専攻し、超音波診断装置について研究を行い、現在はシャープで家電に組み込む光センサーの1つであるToF(Time of Flight)センサーの開発を担当している岩森へのインタビュー。新規開発を進めるうえで大切にしていること、その考え方が育ったシャープの社風。今後実現していきたい目標について語ってもらいました。
岩森:家電を手掛ける企業自体は世の中にたくさんありましたが、私は最初からシャープを目指していました。冷蔵庫、空気清浄機、電子レンジ、洗濯機、加湿器、ドライヤーなど、身近な家電製品を生み出しているのがシャープの特徴で、何か1つに特化するのではなく、総合的な家電メーカーとして存在していることが良かったんです。ここなら、あらゆる面で、人々の暮らしを良くすることができるのではないかと考えました。
入社後に配属されたのは、第一開発部。デバイス事業部でありながら多くの家電の開発に携われると分かったときは、とても嬉しかったです。シャープを代表する部門といっても過言ではありませんから、いつの日か自分が手掛けたものが店頭に並ぶ日を夢見て、頑張ろうと意気込んでいました。でも、実はもう既に販売されているんですよ、それも、最新機種として。このスピード感に、喜んだと同時に驚きましたね。
岩森:大学では医工学を専攻。超音波診断装置について研究を行なっていました。現在の担当は家電に組み込む光センサーの1つであるToF(Time of Flight)センサーの開発。ToFセンサーとは、センサーから照射された光が人や物体に反射して返ってくるまでの時間を基に距離を測定するセンサーです。大学時代に培った知識をToFセンサーに応用して家電ごとに細かな仕様検討を行うのがミッションです。4~5人のチームで試作を繰り返し、他部署との連携、情報共有を行ないながら進めるこの仕事は、大きなやりがいがありますね。
第一開発部と銘打っている通り、ここ数年、シャープはToFセンサーが搭載された家電に力を入れています。人が前を通ると検知して喋りだす冷蔵庫や、水量をアナウンスする加湿器などがその一例です。私自身は、入社して1年目に冷蔵庫の開発部門へのサポート業務を担当させてもらいました。今や家電があるだけではなく、家電そのものが賢くなることが求められていると思います。技術が新たな進化を見せるその一端を担うことができるのは、開発者として嬉しい限りですね。
岩森:IoTに関連した開発業務は、今、世の中にないものを手がけるという面白さがあります。その一方で、道なき道を切り拓くための力と、量産した先で、消費者の方々に受け入れられるものかどうかを見極める力も開発者に求められます。
新規開発を進める上で私が大切にしているのは、まず何から取り組むべきか、ゴールをどうしたいのか、自分軸を定めること。一本筋を通しておくことで、ミーティングや検討を繰り返しても、向かうべき方向に光が照らされているため、コンセプトを見失うことなく、新たな意見を組み込んでブラッシュアップしていくことができます。
こうした考え方が育ったのは、シャープの土壌があったからこそだと思います。シャープは1年目の社員に多くのチャンスを与えてくれる社風が特徴。先輩、上司が見守ってくれている中で、自分が主体となって物事を進められます。中途入社の社員も、プロパーの社員も、自分の意見を伝え、安心して実践できるフィールドが用意されているのです。
岩森:家電開発に携わっている人は、実は若手も多いんです。私の同年代も、下の世代もいますし、中核事業だからベテラン揃い、という風にしていないのは当社の大きな特徴の1つではないでしょうか。シャープは常に将来を見据えていて、だからこそ、製品と同じくらい人材育成に重きを置き、若手にチャンスがある環境を整えていると思います。
私自身、シャープには育ててもらったと思っています。色々なことを自分で考えながら、人に教えてくださいと素直に聞くことや、逆に周囲を巻き込んでプロジェクトを動かすことができるようになりました。学生時代は、自分対研究テーマという小さな規模でしたが、今は広く物事を見る目が養われているように思います。
今後は今の技術を発展させて、センサーの精度を高め、さらにハイクオリティなモノづくりを実現したいですね。私にとってのシャープは、開発者としての意志を尊重し成長させてくれる会社。今のところ先輩に助けていただいている部分も多いのですが、今後はもっと自分一人でできることを増やしていきます。