SUNNYSIDEはだれがつくっているのか。
作り手が分かると、不思議と安心したり愛着が湧く作品のように、
SUNNYSIDEの作り手について知っていただくことで、安心や親しみを感じていただきたい。
そんな想いから、SUNNYSIDEをカタチづくっている仲間を1人ずつ、紹介させていただきます。
近藤 進介
SUNNYSIDE FARM 園長 / SUNNYSIDE Programming School 室長。
愛媛県出身。20年近くプログラミングに携わる。
機械いじりと土いじりが好きで、SUNNYSIDEでは農業とプログラミング教室を立ち上げ、運営。
好きなうどんは「醤油うどん」。
人のため、地域のために働きたい
「これからは、人のため、地域のために仕事をしたい」
そう思ったことが、香川県へ移住したきっかけでした。
私は元々、東京の大きな会社で企業向けのソフトウェア開発をしていました。プログラミングには長く携わっていましたが、職場ではロジカルな判断が重視され、使う人よりも ”会社のために仕事している” という感覚が強いことに少し違和感を感じ始めました。
そうして4年半ほど前、「人や地域のために仕事をしたい」という思いを起点に妻の実家でもある香川へ引っ越すことを決め、琴平町の地域おこし協力隊として3年間活動しました。協力隊の任期終了が近づき農業に強い関心を抱いていた頃、株式会社サニーサイドの多田さん(社長)と出会い、「新規事業として一緒に農業を立ち上げよう」という話をもらったんです。
土を育てる仕事、子どもの個性を育む仕事
2018年から、香川県まんのう町で「Sunnyside farm」として農業を開始。とはいえ、まずは農地を借りて土作りからのスタートです。
土作りのベースとなるのは「炭素循環農法」。化学肥料や堆肥を使わない代わりに、緑肥や竹や木のチップ、廃菌床などを畑に撒くと、土の中にいる菌たちがそれを分解し始め、活発に動き始めます。そうしてできた「発酵型の土」には虫が寄りにくく、農薬を使わずに安心でおいしい野菜ができるんですよ。
農業に関してはネット上の情報だけでなく、自分の目や耳、感触で確かめることを大事にしています。別の地域から発信された情報をそのまま取り入れても、気候や土の違いから上手くいかなかったりします。それに、人に教えられるより、自分で確かめた方が腑に落ちやすい性格なんですよね。
そうして土と向き合ってきた結果、畑を始めた当初は「雨が降ればベチャベチャ、晴れればカチコチ」だった粘土質な土が、今では踏めばクッションのようにふわっと柔らかく弾力のある土になりました。初めて販売したニンニクや玉ねぎは早々に完売し、食べた方たちから「甘くておいしい」と好評をいただけたのは嬉しかったですね。
一方、もうひとつのやりたいこととして「小・中学生に向けたプログラミング教室」を提案し、こちらもSunnysideの新しい事業として取り組むようになりました。現在、宇多津町などで複数の教室を開講しています。
プログラミングの技術自体ももちろん、子どもたちが社会で「活かせる」力になるでしょう。でもそれ以上に、プログラミングを通して育まれる課題解決能力などは、社会を「生きる」力になります。教室を通して、子どもたちの可能性が広がっていくことを期待しています。
2足のわらじで歩んでいく
農業もプログラミングもそれぞれの「しんどさ」はありますが、それも含めて仕事は楽しいです。
土の中の世界をもっと知りたいという好奇心はつきませんし、環境に優しい農法で作った野菜をたくさんの方に食べていただいたり、プログラミング教室を通して多くの子どもたちと出会えるのも楽しみです。
住みやすい地球、子どもたちが自分の個性を存分に伸ばしていける社会を目指して、これからも「2足のわらじ」を履きながら邁進していきたいです。