現在、さらなる会社の成長に向けて、“原作構築型マンガ編集者”を募集しているコミックルーム。
今回は、採用への応募を検討している求職者の方に、より深くコミックルームのことを知ってもらうべく、代表の石橋和章と会長の宮口理沙にインタビューを実施!
“原作構築型マンガ編集者”の仕事内容や社風、仕事の醍醐味など、気になるギモンに答えます。マンガ原作者・マンガ編集者になりたい方は必見です!!
目次
二人が起業したきっかけ
社員を雇うかはギリギリまで悩んだ
採用活動を強化する理由
世の中には女性管理職がもっと増えるべき
スタートアップだからこそ協力し合う社風に
原作者・編集者に向いている人
このページを読んでいる“あなた”の力が必要です
人々の“ご褒美”になる作品をいつか、あなたも
コミックルームの野望は……
二人が起業したきっかけ
──まずは、お二人が会社を設立した経緯を教えてください。
石橋:僕が会社を立ち上げたのは2020年のことです。新型コロナウイルスが日本で広まり始めた時期で、多くの人が外出を控え、自宅での楽しみを探していました。そこで、マンガ市場が爆発するぞ、と感じたのです。要はビジネスチャンスだと思ったんですね。そこで会社の設立を考えました。
▲代表の石橋和章。ペンネーム“Zoo”として、『TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには』(丸山恭右/サイコミ)や『ノミの心臓のおっさん、竜の心臓を手に入れる。』(9太郎/ピッコマ)などを連載中
宮口:元々、私たちが原作を書いている、それぞれの作品の著作権を管理する会社が必要だよね、と話していた矢先のことでした。石橋は当時、小学館で責任ある立場にいたので、ひとまずは私が代表を務めました。その後、石橋が小学館を退職し、コミックルームに正式に合流します。そこで石橋が代表となり、私が会長の役職を担うことになりました。
石橋:なので、最初は本当に原作者2人でのスタートだったんです。
▲会長の宮口理沙。前職は営業職だったが、現在は原作者としてTVドラマにもなった『あなたは私におとされたい』や『夫の消し方』など、ヒット作を連発
──それが2025年になった現在では、役員を含めて20名以上の組織になっているのですから、かなりの急成長ですよね。
宮口:そうですね。起業当時は、あくまで権利を管理する会社だったので、大きくしていこうとは話していませんでした。
石橋:ただ、ありがたいことに市場の伸びと共に会社の売り上げが初年度から、ものすごいことになっていたんです。6000万円くらいだったかな。2期目には約1億2000万円、3期目には2億円近い売り上げが出たので、これはすごいことになりそうだと話していたのを覚えています。
宮口:この会社も大きくなっていくぞ、という確信を持てましたよね。そこで、私たち以外のメンバーも雇おうと決めました。それからはワンルームのオフィスで、ひたすら5人で作品を生み出していました。
石橋:懐かしいですね。新体制になったこともあり、ワンルームにちなんで「コミックルーム」に社名を変更したのが、2023年のことです。
社員を雇うかはギリギリまで悩んだ
──会社を大きくするということは、社員を雇うことを意味します。共同代表二人だけの会社とは大きく異なりますが、人の人生を背負う決断はどこでしたのでしょうか。
石橋:葛藤は非常にありましたし、ギリギリまで悩みました。宮口とも「このままでもいいのではないか」という話もしていたのですが、そこは僕のわがままを通させてもらった形です。というのも、出版社時代に自分が本当に思う通りにやれなかったという後悔があったんです。
──石橋さんは『裏サンデー』と『マンガワン』の初代編集長を務めていましたが、思う通りにできなかったという思いがあるんですね。
石橋:既存のルールだったり、いろいろなしがらみって、どこの会社でもあるじゃないですか。そこにサラリーマンの限界を感じました。なので、自分が正しいと思う組織をつくり、経営というものをしてみたくなったんです。残りの人生を考えた時に、引退して隠居するのではなく、やっぱり大きい仕事に携わっていたいという気持ちが勝ちました。そこからは、宮口を説得です。
宮口:人を雇うということは、その人の人生をお預かりすることになるので、本当にいいのかと悩みました。ただ、石橋のなかにある「もう一度、チャレンジしたい」という思いは知っていたので、一緒に力を合わせてやっていきましょうと。
石橋:そう。もう一度、編集部をつくりたかったんです。
▲「もう一度、編集部をつくりたかったんです」と回顧する二人の表情はキラキラしていた
採用活動を強化する理由
──起業当時と比べると、会社の置かれているステージも変わったのではないでしょうか。
宮口:コミックルームでは、いくつもの電子書籍ストアにお世話になっており、ありがたいことに「作品のクオリティが高い」と評価していただいています。すると、「もっと、ほかにも作品を出しませんか?」と声を掛けていただけるんです。ただ、石橋と私だけではマンパワーに限りがあります。けれども、お世話になっているストアさんの期待には応えたい。だったら、他にもシナリオを書ける原作者が必要だよね、となりました。
──それで採用活動を強化しているんですね。
石橋:はい。それで、オフィスも90坪以上ある大きなところを借りたんです。社員が増えた時に、起業当初のワンルームから2LDKのオフィスに引っ越したのですが、当時はリモートワークを許可していました。週2日の出勤でいいよ、と。でも、それだと人の成長する速度が全然違うと気がついて。今のオフィスなら50人は一緒に働けます。
──毎日一緒に仕事をしていると、共有できるものが増えますからね。
石橋:コミックルームでは僕が週に数回、シナリオ制作の勉強会を開いています。ほかにも、業界のいろいろな人を会社に招いて、社員と交流していただいています。
世の中には女性管理職がもっと増えるべき
──これから、どんな人と一緒に働きたいですか?
石橋:僕は男女平等という点において、世の中にもっと女性の管理職が増えるべきだと考えています。ぜひ、女性の方も臆することなく応募してきていただきたいです。社員数は男女半々くらいが理想なので。弊社には、宮口のようにクリエイティブもできて、マネジメントもできるように成長できる環境があります。
──宮口さんは元々、営業の仕事をしていたんですよね。それが石橋さんの編集者の勘で、5年前に原作者に抜擢されました。
宮口:私だけではなくて、今働いている社員もいろいろな職業の出自から原作者・編集者になっています。元郵便局員、元起業家、元コンサルタント、元菓子工場の職員などです。前職がマンガ編集者というケースもありますが、圧倒的に少数派です。
──それって、どうしてなのでしょうか。
石橋:僕たちのマンガの作り方って、ちょっと特殊なんです。既存の編集部で当たり前とされていたことが、コミックルームでは違うというケースが多々あるので。そうすると、混乱してしまうんですよね。経験のない人のほうが、スムーズにコミックルームのやり方を受け入れられるんです。
宮口:石橋が常々言っていることですが、他の職種で結果を出している人は原作者や編集者という仕事においても優秀なはずなんです。
石橋:コミックルームでは、“原作構築型マンガ編集者”という肩書きで仕事をしてもらっています。原作者として自分の作品のシナリオを書きますし、社内の他者の作品においては編集者を務めると。この両輪が、コミックルームの作品のクオリティの担保につながっているんです。
──両方の仕事をしたい人には、またとない会社ですね。
宮口:好奇心があって、いろいろなことにチャレンジしたい人が向いていますよね。
▲コミックルームのホープの一人・魚田(うおた)の記事も読んでみてください
スタートアップだからこそ協力し合う社風に
──マンガ原作者・マンガ編集者を目指す求職者の方には、ぜひコミックルームのnoteのバックナンバーを読んでいただきたいのですが、別業種から入社した方が約1年で原作者デビューしたというケースもあり、非常に夢があるなと感じました。石橋さんのシナリオ術の勉強会の賜物ですよね。
宮口:石橋は言語化する能力が非常に長けていますし、自分の創作術を惜しみなく社員に伝えてくれるんです。
石橋:世間で名作と言われるマンガの研究は重点的にしています。ただ、僕自身が作家として極めて能力が高いかと言われれば、そんなことはないと思っていて。一方で、シナリオ論のロジック化とコーチングは得意なんです。それに沿って書いてもらった宮口や従業員のシナリオは、僕以上にすごいと思っています。
──ヒットメーカーが謙虚じゃないですか。それにしても、給料をもらいながら学べるって、とても幸せなことだと思います。
宮口:石橋から聞いたのですが、編集者って「背中で仕事を覚えろ」的なスタンスの人が多く、ノウハウを横に展開することが少ないんだそうです。コミックルームの場合は、シナリオ術はもちろん、石橋の編集スタイルまで全て教えるので、その分、成長するスピードも早いです。
石橋:僕だけじゃなくて、みんながいい情報を社内でシェアしてくれるんですよ。「打ち合わせで作家さんにこんなことを言ったら、とても喜んでくれたんです」とか。「そういう褒め方もあるんだな」と参考にし合えますよね。
──すてきな社風ですね。
石橋:編集部内で競争させてヒット作を生み出すパターンと、どちらがいいのかはわかりません。ただ一つ言えるのは、それは歴史ある大手出版社の体制だからこそできることであって、僕たちのようなスタートアップの会社は、みんなが協力することによって互いの成長スピードを早めるしかない、ということなんです。
▲取材の最初に「ろくろ回しみたいな動きをしたほうがいいんですよね?」と聞いてきた、気遣いの人こと石橋代表
原作者・編集者に向いている人
──ここまでは原作者についてのお話が多かったですが、編集者の仕事についてもスポットを当ててみたいと思います。お二人にとって、マンガ編集者の仕事とはどんなものですか?
石橋:僕は、その人の奥にある宝物を掘り起こすことだと思っています。それは、必ずしも本人が書きたいこととは限りませんが、編集者から見た時に「書くべきだろう」というものがあるんですよね。
宮口:……言おうとしていたことを全部言われてしまいました(笑)。
石橋:え、すみません(笑)。
▲全部言われてしまった宮口会長
──(笑)。やっぱり、原作者にしても編集者にしても、向き・不向きはあると思いますか?
石橋:残念ながら、センスは存在すると思います。センスって、多感な頃にどれだけ良質なエンターテインメントに触れてきたかだと思っているんです。別にマンガじゃなくてもいいんです。小説だとか、映画とか、絵画でもいいです。マンガに転用できるエンタメコンテンツを、幼少期からたくさん摂取してきた方には才能があります。
宮口:私みたいに、アウトプットの経験はなくてもいいんですよね?
石橋:なくて大丈夫です。厳密に言えば、僕だって原作者の仕事を始めたのは40歳を過ぎてからなので。
──背中を押される言葉だと思います。
石橋:シナリオはもちろん、「こんな原作を書きたい」という企画書についても、僕がしっかり仕事のやり方を教えますから安心してください。
このページを読んでいる“あなた”の力が必要です
──他業界からの応募を検討している人には、出版社とコミックルームの違いがわからない方も多いと思います。コミックルームの特徴を教えていただけますか?
宮口:コミックルームは、原作者として作品の著作権を持っています(※作画作家さんと共有)。出版社は、著者の作品を預かっているだけなので、それが明確な違いです。一方で、出版社のように電子書籍ストアと直接やりとりをしているのもポイントです。作家と出版社の中間というか、いいとこ取りをしているポジションです。
石橋:各作品の売り上げのデータも見られるので、それによって展開を変えることも可能です。数字……つまりは、読者の反応を作品にダイレクトに落とし込んでいくのって、ライブ感があって楽しいですよ。
──それがコミックルームの作品のヒット率の高さにもつながっているのでしょうね。コミックルームの作画を務めたいという応募も、かなりの数が来ていると聞いています。
宮口:1600人ほどです。ですから、原作が圧倒的に足りていないんです。
石橋:ネームは描けなくても大丈夫です。コミックルームには『週刊少年ジャンプ』での連載経験を持つ作家がいるので、彼にネームを任せられます。シナリオでアクションシーンだけ書けない場合も、アクションシーンが上手い人に任せていいですから。痒い所に手が届く会社です(笑)。
人々の“ご褒美”になる作品をいつか、あなたも
──原作者・編集者として働く楽しさを教えてください。
石橋:自分で世界を創造して、そこに生物を産み落とすのは、神に近いことをしているなと感じるんです。ゼロからイチを生み出す瞬間に立ち会えるのは、とても幸せなことです。
宮口:2〜3人の少人数でそれができるのは、マンガくらいじゃないですか。こんなにおもしろい仕事って、他にないと思っています。さらに、読者からの反響までいただけるんですから。
──ご自身が読者だった時、マンガはどのような存在でしたか?
宮口:私は新卒で手取りが15万円くらいの時も、3万円はマンガに費やしていました。それくらいマンガが好きですし、支えられてきました。
石橋:僕も、その時々の自分を常に支えてくれたのはマンガでした。テレビとゲームは1日1時間でしたけど、本はいくら読んでも親に怒られなかったので。『キン肉マン』(ゆでたまご先生/集英社)と『ドラえもん』(藤子・F・不二雄先生/小学館)は何千回読んだことか。会社員のみなさんは月曜日が憂鬱だという人も少なくないでしょうけど、僕は月曜日が楽しみなんです。それは、『週刊少年ジャンプ』の発売日で『ONE PIECE』(尾田栄一郎先生/集英社)が読めるからです。マンガって、毎日のご褒美なんですよ。
宮口:そういう、人の娯楽になっているものを自分たちが作っているんだという実感があります。
石橋:僕はもう、この仕事以外できる自信がないですよ。楽し過ぎて。あまりに楽しいので、シナリオと編集に関しては、仕事がだんだん仕事じゃなくなってきている感覚もあります。仕事がつらいと思ったことがないです。会社員時代に嫌な上司はいましたけど(笑)。
──楽しいのと同時に、つらさもあるものだと思っていました。
石橋:作品への反響が少ない時は落ち込みます。ああ、見向きもされなかった、と。それくらいじゃないですか。
▲こんな風に毎日、従業員と笑い合いながら働いている二人です
コミックルームの野望は……
──求職者の方はコミックルームに入社したら、どのように成長できるのかを気にしていると思います。その点については、どうでしょうか。
宮口:仕事のノウハウについては惜しみなく教えるので、最短距離で作品を生み出すという保証はできます。それを全力で売ってくださる、電子書籍ストアのみなさまとの信頼関係もあります。たくさんの読者に自分の作品を読んでもらえる未来が待っていますよね?
石橋:そうですね。だからこそ、「今の職場でも頑張っているけど、本当はマンガを仕事にしたかった」という人に応募してきてほしいと願います。この長い記事を読めるくらい活字に親しみのある人が理想的です。
──では、最後の質問を。コミックルームの野望を教えてください。
宮口:石橋が編集者として立ち上げた作品で最もヒットしたのが『マギ』(大高忍先生/小学館)なので、同作品を超える超ヒット作を、命を賭けて世に送り出したいです。
石橋:『マギ』超えは、全従業員の目標にしてもらいたいラインです。自分は10年以内に、コミックルームを世界一のマンガコンテンツを提供する会社にするつもりです。ちゃんと実現するためのプランも僕のなかにはあります。取材の最初に「急成長」と言ってもらいましたけど、今は、しっかりした土台づくりの時期だと思っています。コミックルームが本当に成長していくのは、まだまだこれからです!
▲創業メンバーの5人。あなたが仲間に加わる未来を待ち望んでいます!
取材・文=株式会社編まれた糸をほどいて