こんにちは、坂本裕次郎(45歳)と申します。
不惑を超えてなお惑いに惑っているわけですが、とはいえ惑うからこそ成長があるとも思います。今回はそんなお話です。
目次
👴腰痛
🕺WEBTOON
📚🏢コミックルーム
📝最後に
👴腰痛
私のキャリアを説明すると、2005年に週刊少年ジャンプで『タカヤ』という漫画を描かせていただきました。
それがデビュー作で、以降ずっと漫画家をしてきました。
2023年の10月からコミックルームに入れてもらって今に至ります。
だから、私の人生は漫画家としてのキャリアがほとんどです。
なのになぜ突然会社員になったのか?
それは腰痛になったからです。
それこそが、大いなる惑いの第一歩でした……。
事の起こりは私が30歳くらいの頃(2010年前後)でした。
最初はただのギックリ腰みたいな感じで、痛かったですが、一応安静にしてれば治りました。しかし、そのギックリ腰が月一くらいの頻度で発生するようになったんです。治るのに最低でも1週間、長いと2週間くらいかかったので、大体月の半分近くはまともに歩けないような状態でした。
普通の病院、整骨院、整体、カイロプラクティック、いろいろ行きました。
「予約が取れない」で有名なところ(本当に半年近く待たされました)にも行きました。単にもみほぐしてもらうだけのところとか、ストレッチ系(ジム系?)も行きました。鍼灸はなんか怖くてやったことないんですが、まぁそれはそれとして。結論、何をやっても治りませんでした。
大きめの病院では「漫画家を辞めた方がいい」とまで言われましたし、整体師さんには「座りっぱなしをやめて、1時間に一度は立つとか歩くとかしてください」と言われました。
親身になってのアドバイスだったんだとは思います。思いますが、漫画家は辞めたくないし、作業を1時間に一度中断してたら〆切に間に合いません。
私は「辞めろ」系のあらゆるアドバイスを無視し、病院や整体に行かなくなりました。
そして、腰痛は悪化しました。
🕺WEBTOON
なんやかんやあって、時代は2010年代後半になっていました。
折しも、韓国からWEBTOONという黒船がやってきて、大ヒット作品が生まれつつありました。私は『MASKMEN』というWEBTOONのプロジェクトに参加する機会をいただき、そこでのちにコミックルームの社長になる石橋とも出会いました。
さて、WEBTOONの現場をご存じない方にちょっとだけ説明させていただきますと、WEBTOONというのは漫画よりアニメに近い体制で制作されていることが多いんです。
企画、原作、ネーム、作画、背景、着彩等、ある程度細かくセクションが分けられており、それぞれを別の人が行う、みたいな感じです。
もちろん、制作体制として、WEBTOONの方が漫画よりも完全に優れているとまでは思いません。好き嫌いとか向き不向きもあるでしょう。
ただ私は「これはいいんじゃないか…?」と思いました。
私は『MASKMEN』プロジェクトにおいて、主にネームを担当させてもらっていました。こういう仕事を横読み漫画でもやらせてもらえれば、腰痛と付き合いつつ、漫画家を続けられるんじゃないか…?そう思いました。
しかし、そういう会社はありませんでした。
そう、ないんです。
WEBTOON制作会社はあっても、横読み漫画制作会社は(ものすごく特殊な例を除けば)日本にないんです。
どうしよう…。
そんな時でした。
石橋が声をかけてくれたんです。
「新しい会社やるんだけど、坂本さんも来ない?」と。
📚🏢コミックルーム
で、私は今コミックルームでネームを描いています。
なぜネームなのか?
コミックルームを見渡すと、原作シナリオを書ける人がたくさんいました。
しかもヒット作をバンバン出してる優秀な人たちです。
だけど、ネームが描ける人はいませんでした。
だから私はネームの研究をしまくりました。
元々ネームはすごく好きで、かなり研究をしているつもりではありましたが、会社(組織)で研究しはじめたら一気に捗りました。
私はコミックルーム作品のネームを、全て読んでいます。
その量は、どんなに速筆な漫画家でも、個人で描き上げられる量ではないでしょう。その圧倒的な量を、なぜおもしろいか、なぜおもしろくないか、どうすればもっとおもしろくなるのか…様々な角度から研究しています。
もちろん、自分一人で研究しているわけではありません。
社長の石橋をはじめとする優秀な幹部陣と、毎週毎週何時間もかけて意見を出し合っています。
シナリオを書いた人間も社内にいるわけですから、そっちからの意見もダイレクトに聞くことができます。頭がパンクしそうになることもありますが、学びは多いです。
おかげで、現在45歳にして、まだまだ成長できています。
そして、研究の成果はネームマニュアルとして、社内で共有しています。
漫画家さんへのフィードバックも、ふわっとした感覚的な話ではなく、研究に基づいた、技術的に正しいものになっていると思います。
📝最後に
それにしても、40歳過ぎて初めて会社員になり、今までとは全然違う仕事をしたりもして、これだけ自分の成長を実感できるようになるとは思っていませんでした。
ただ、どうしてこうなったかと考えると、結局「腰痛になったから」なんですよね。
だって、腰痛にならなければ私は今も普通に漫画家を続けていたことでしょう。
WEBTOONをやったり、会社員になったりすることなく、平凡な漫画家を続け、成長が止まり、今頃絶望していたかもしれません。
そう、全ては腰痛の思し召しなのです。
腰痛のせいで人生に惑い、漫画家なのか、会社員なのか、原作者なのか、作画者なのか、WEBTOON作家なのか、アートディレクターなのか、編集者なのか、よくわからない人生を歩んできました。
惑いに惑い、今も惑っていますが、おかげで成長できたと思います。
腰痛になったおかげでコミックルームに入れたと思えば、腰痛様様です。
ちなみにその腰痛ですが、なんと現在大幅に解消されています。
まぁ完治というのは難しいのですが、ギックリ腰的な症状を伴う明確な腰痛は年一以下になりました。
病院も整体も全て無視した腰痛おじさんがどうやって治したのか…。
答えは筋トレです。
ムキムキになる必要はなくて、単に腰を支える筋肉が鍛えられればいいんです。
筋肉は全てを解決する。何が腰痛の思し召し、だ。
ふざけるな。
腰痛を撲滅し、健康に楽しく漫画をつくろう!
来たれ、コミックルーム!
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