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[創業者対談]クラウドエース×株式会社みらいワークス様(2/3)


一番苦労したこと

岡本さん: それからは結構しんどかったね。組織的に目指し始めたタイミングは2015年の7月で、それより前にいた社員で、上場時まで残っていた社員って5人かな。他の人は一通り辞めてって。

吉積: それはなんで?

岡本さん: いくつかあるかな。もともと会社としてスピードアップしてて、社外の体制とかもちゃんとするようになって、それに息苦しさを感じたりとか。

2015年末くらいに経営理念とかビジョンとか行動指針とか全部変えて、その行動指針を社内でかなり浸透させようとしたから、それに合わない人に対しては、居心地悪くなった人もいたはず。1年半くらいは離職率もかなり高くて、毎月送別会とかしてた。

 けど結果として、合わない人は採用しなくなって、理念を変えてから入社したひとの離職率はすごく低くなったからうまくいったのかな。それだけ人が入れ替わりながらも、売り上げを伸ばすって本当しんどくて。

吉積: でも、そこで上場しなきゃならない理由ってあったの?

岡本さん: いつくか短期でやらなきゃならない理由があって、そのひとつが、働き方改革とかフリーランスに対する追い風がある中で、ちょいちょい競合が出てきてたこと。

 いろんな話を聞いてると、そんなにいいサービスを提供しているようには見えなかった。うちは個人が活躍できるような、そのための社会インフラを作りたいと思った時に、間に入ってマージンぬいてなんぼみたいなプレーヤーが出てくると、個人にとって頑張りがいのある世界にならないなって思って。じゃあとっととうちがマーケットをとってしまって、本当に個人が挑戦できる世界を創るべきだと思っていたから、なるべく早くいかなくちゃなって思いがあった。無理くりでも最短のスケジュールでいくぞ、と。

 働き方改革のど真ん中のビジネスモデルだったのでそれなりに注目を集めてもらって、名前も知ってもらえて。結果として無理してよかったなって。



上場して良かったこと

岡本さん: 振り返ってみると、色々あったんだけど、無理しながらもこの選択をしてよかったかなというのはありますね。やることによって社会的責任とかは感じるので、身が引き締まる思いはするかな。株主の人たちを考えると、個人のことだけでできなくなっちゃうから。会社を経営するにあたっての考えも相当変わったかな。ビジネスをちゃんとできる環境になってるからそれはいいなって思う。完全なプライベートカンパニーだとやりたいようにできちゃうし。

岡本さん: 会社として上場するために狙った理由は3つあって、ひとつはクライアント登録者の獲得。ふたつ目は採用。みっつ目は財務基盤。この3つの目的はすぐ達成された。リスティングとかじゃなくて今は自然流入とかの方が圧倒的に増えたし、みらいワークスっていう社名検索で来て登録っていうのが今一番多い感じになったから。それなりに名前も売れて来たし。

 採用も、転職エージェントの対応も変わってきたのが一番かな。上場しているという信頼があるから、ちゃんと人を提案してくれてる。口座開設で開けない会社ってないからね。そのへんが圧倒的に会社としてよかったことかな。

吉積: 事業計画上でいうと、上場する前に立てた計画から修正しなきゃならないレベル?

岡本さん: ほぼ予定通り。

吉積: その予測って難しくない?

岡本さん: それなりにストレッチして立てて、結果としてそれ通りにやりきったって感じ。ガッツでやるしかない!(笑)その前の年も、その前も同じような感じでやってて、90パーセント達成とかもあったけど100パー超えたのはそういう効果もあるかなって。

岡本さん: 前はコンサルティング会社の下請けをメインでやってたんだけど、事業会社にシフトをして、今売り上げの3/4くらいが事業会社からの直接の依頼になって、ビッククライアントとの取引がふえた。誰もが知っているような大企業さんと仕事させてもらうようになっているから、あれは上場してなかったら無理だったんじゃないかなぁ。

 個人的には、いちベンチャー企業では知り合う機会がなかったような人を紹介してもらえるようになったり。経済同友会に入会させてもらっているんだけどさ、ああいうとこでいろんな人とあって、実際仕事にもなるし、色々勉強させてもらって。

吉積: そういうの大きいよね。

岡本さん: まあ来てる人が財閥系の社長とか、雲の上すぎるけど、上場している創業社長だけのコミュニティもあるし。

吉積: この対談のコンセプトにあってる人ってこと?

岡本さん: そうだね。

吉積: ぴったり!じゃあ、困ったらぜひ紹介して笑



考え方はその人の経験に基づいて出来ている

吉積: 話戻るんだけど、社員がどんどん辞めてる時期、ストックオプションとか配らなかったの?

岡本さん: それはある程度退社する人が収まってからかな。落ち着いたころ。

吉積: 引き止め策には使わなかった?

岡本さん: しなかった。逆に残った人たちにちゃんと配りたかったから。配れる数も決まってるし。ストックオプションもらって辞めたのは数人かな。残って欲しかったから渡したんだけど。当時はうちのビジョンを手綱にしていて。辞めて行っていた人が入社した時には、違う経営理念とビジョンだったから。元々みらいワークスがもっていたビジョンではあるんだけど、ここまで「日本を元気に」とかいうのじゃなかったから。そういった意味では社内のトーンとか目指すところとかは、全然変わったはず。そういうことに違和感を覚えた人もいるんじゃないかな。

吉積: 採用の時もそれを明確な指針にして、それに合う人を採用するから離職率も減るってことね。

岡本さん: うち全会議室に行動指針貼ってあって、面接でそれについてやっぱコミュニケーションするからね。

吉積: へぇー。

岡本さん: 挑戦とか変化とかそういう言葉があって、そういったキーワードに対してどういう反応をするか。そういう価値観が腹落ちする人じゃないとうちの会社やっぱ合わないから。

吉積: そこのコンセプトに腹落ちするかどうかってさ、面接に来てる人って「そうですよね」って乗っかってくる気がするんだけど?

岡本さん: 過去の経験と照らし合わせて、それに乗っかる経験があるかどうか。自分の言葉で説明できるかどうか。うちも人材ビジネスやってるから、面談とかってものすごい数やってるし、会話の中で違和感を感じた時は、これはやめた方がいいってなるかな。

吉積: なるほど。

岡本さん: 考え方っていうのは、その人の経験に基づいてできてると考えているから。誰かから伝えられたのか、自分でなにかをやったのか。それが言語化できないとしたらそれはそれで問題だし。そこを掘って行って、たどり着けたら、あ、なるほどね。ってなるし辿り着けなかったら採用しないし。この面接の手法は新卒だとあんまり効かないけど、中途だと結構いいかな。


今回はここまで。

上場は企業にとって大きなターニングポイントです。苦労したこと、良かったことを振り返るようにお話しいただくことで、どのように社会やステークホルダーと向き合ってきたかがわかりました。

次回は「フィロソフィー」についてです。

お楽しみに!

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