千葉ウシノヒロバは、クリエイティブ制作を行っている株式会社チカビが立ち上げ運営を行っている施設です。チカビは「チャレンジで社会の価値を更新する」ことをミッションに掲げており、千葉ウシノヒロバはチカビが自らチャレンジするプロジェクトと位置づけられます。
今回お話を伺ったのは、チカビで人事や経理などのバックオフィス業務を担当されている多田文香さんです。多田さんはチカビだけでなく、千葉ウシノヒロバにおけるバックオフィス業務全般も担当しながらイベント企画や現場の改善業務等も担われています。
メンバーが楽しく働けて、施設のコンセプトを実現するために必要なことは何でもやります
――なるさん、本日はよろしくおねがいします!私は広報・PR関連でのお仕事のみ一緒なので、他部署でのお仕事についておうかがいできるの楽しみにしてました!
ちなみに、社外の方に読んでもらうためのインタビューではあるんですが、社内ではみんな「なるさん(※旧姓に由来)」と呼んでいるので、そのままでもよいでしょうか(笑)
もちろんです、よろしくおねがいします!
――では、「なるさん」とお呼びしますね!なるさんは「コーポレートディレクター」という肩書きをお持ちですよね。具体的にどんなお仕事をされているんでしょうか?
一言でいうと、バックオフィス業務全般ですね。千葉ウシノヒロバでは、それ以外にもイベントの企画や事業推進室室長という役割を担っています。
――バックオフィス業務はチカビ入社以前もご経験があったんでしょうか?
キャリアとしては2社目のときから、バックオフィス業務を担当していました。当時は美容系の会社で、営業本部とかけもちしながら事務や秘書業務をしていました。その後グループで立ち上がった新事業に異動になり、はじめて一人でバックオフィスを担当することに。経理や会計といった専門知識が必要な部分はグループ会社で補いながら、自分にできることはなんでもやりました。事務所の手配をしたりWi-Fiの設置をしたり、弁護士さんに相談しながら利用規約をつくることもありましたね。
――本当になんでもという感じですね。その後、チカビに関わるまでに数社経験されていますよね。
2社目の会社はグループで計12年ほど、お世話になったんですが、結婚や引っ越しといったライフステージの変化があったタイミングで退職しました。そこから元同僚が立ち上げた会社を1社挟んで、初めての転職活動を経て前職に入り、仕事をしていく中で働く楽しさを実感しつつも、当時の会社のフェーズと子育てをする自分のフェーズがうまく噛み合わず、キャリアアップの面で不安がありしばらく悩んでいました。その時期にたまたまとあるイベントでチカビの代表であるテツさん(こと、川上鉄太郎)にご挨拶をする機会があって。そこから半年ぐらい経った頃にテツさんから、「チカビのバックオフィス業務をやらないか」とお声がけをいただいたんです。自分的にもちょうど転職を考えていたタイミングだったので、面談を重ねて、去年の1月に入社しました。
――チカビだけでなく千葉ウシノヒロバに関わりはじめたタイミングはどのあたりからですか?
千葉ウシノヒロバに関わりはじめたのは2020年の3月からですね。最初はチカビ同様バックオフィス業務をメインにしていましたが、最近は事業推進室という新しい部署が立ち上がって、その室長というポジションも任せてもらえることになりました。
――事業推進室では、具体的にどういったことをやられるんですか?
今の千葉ウシノヒロバはウシ、農園、里山、ヒロバという4チームから編成されています。それぞれチームミッションを持って業務に取り組んでいますが、通常業務をしているとどうしてもタスクからこぼれてしまう部分が出てきてしまうんです。そうしたこぼれた課題に対してチーム横断で解決していくことをミッションに持っているのが事業推進室です。経営直下で承認をとりながら、素早く進めていく予定です。チームメンバーが困っている部分はないか、楽しく働いているか、全体を見回しながら施設に必要なことや施設のコンセプトを実現するために重要な点の検討を行っています。
▲社内の表彰制度でMVPが発表された様子。こうした制度設計もなるさんが担当。
楽しく挑戦をつづけられていてラッキーだなって思っています(笑)
――チーム横断となると、かなり役割のスコープが広いですね!その中にはこれまで担当されてきたこともあれば、きっとまだ経験がないこともありますよね。
やったことのないことがたくさんありますね。
――新しいことに踏み出す不安はないですか?
新しいことに対して「はあ…どうしよう…」という後ろ向きな気持ちにはあまりならない性格かもしれません。むしろ「知らないことを知れるチャンスだ、楽しいな」と感じていますね。仕事としてお給料もいただけていて、実務経験もつめて、しかもスキルがついてくる。どちらかといえば「こんなに美味しいことないのでは?!」くらいの感覚が近くって。
――そう聞くと、なんだかすごくラッキーな感じがしますね(笑)
そうなんです、ラッキーなんです(笑)しかも立ち上げは新しいことの連続で、面白い。だから役割が広がっていても、抵抗感なく「よしやるぞ」というモチベーションで取り組めています。頑張った分結果がでるのも楽しいです。
――なるさんのそうしたモチベーションの源泉ってどこにあるんでしょうか。
バックオフィスの大事なミッションは、メンバーが最高のパフォーマンスで働ける状態をつくることだと思うんです。バックオフィスは一般的にはコストセンターと呼ばれることも多く、利益を直接生み出すことはあまりないかもしれません。でも、整備した仕組みや制度でメンバーがポジティブな気持ちで働けたら、お客様に対するパフォーマンスにも良い影響がでるはずです。その結果、売り上げや口コミといった指標にも返ってくるものだと思っているので、直結はしなくても巡り巡って施設全体の繁栄に繋がることがモチベーションになっていますね。
――メンバーのパフォーマンスを引き上げるために特に意識されていることはありますか?
制度や仕組みを利用するメンバーの気持ちに寄り添うことは意識していますね。自分的に効率が良いと思う方法でも、メンバーがそれを面倒くさいと思うかもしれません。「メンバーが喜んでくれる=使いやすい、わかりやすい」だと思うので、自分の主観に頼り過ぎず、相手の反応をちゃんと見るようにしています。自分が思ってることと相手が思ってることが一致しているとは限らないので、丁寧に確認しながら改善を繰り返したいなと常々思っています。
――ちなみにチカビのメイン事業はB2Bで、千葉ウシノヒロバはB2Cですが、それぞれで意識を配る部分に違いはありますか?
ありますね。チカビはクライアントワークが主になります。クライアントとのやりとりをしているメンバーが働きやすい「環境」を整えることが大事になります。一方で、千葉ウシノヒロバの方はサービスを自分たちでつくっていくことが必要なので、周りのメンバーを巻き込みながら引っ張っていくような動きも必要になります。例えば、「ヒロバビラキ」のイベントは自分で企画して、小さく実施して、周りを巻き込みながら今の形になりました。
▲2021年4月24日に開催されたヒロバビラキの第一回の様子
――「ヒロバビラキ」は、なるさんの発案だったんですね。
もともと個人イベントをいくつか企画してたんですけど、新型コロナウイルスの影響があって軒並み中止になってしまって。でも諦めきれず、テツさんにウシノヒロバを使ってもいいですかと聞いてみたら、承諾してもらえたので、じゃあ千葉ウシノヒロバで実現しよう、と。それで去年の12月に試験的にクリスマスマーケットをやりました。来場者の方々にも喜んでいただき、可能性を感じたのと、1つのイベントとしてちゃんと育てていきたいなという気持ち大きくなりました。せっかく続けるのであれば、だんだんブラッシュアップして良い体験を提供できるようにしていけたらと考えていたんです。そこで今度はテツさんに「イベント部隊つくらせてください」と相談して、また承諾してもらえたので、「まつり部」を立ち上げました。まつり部ができて、「ヒロバビラキ」が実現して。「やりたいことが実現できたぞ、わーい」って気持ちです。
――またもや、ラッキーですね(笑)
個人的にやる予定だったものを会社で挑戦させてもらえて、本当にありがたいし、ラッキーです(笑)
あらゆる視点を身につけ、変わり続ける人でありたい
――今後はどんなことに挑戦していきたいですか?
千葉ウシノヒロバでは今年から新たに経営企画室ができました。私は経営企画室にも所属することになりました。そこはデータに基づいた分析をしたり、全体の数字を見ていったり、マーケティングを担当する部署になります。マーケティングについてはまだまだ知識が足りていない部分があるので、学んでいきたいですね。会社でも施設でも、あらゆる場所から見た視点を持っておくことは大事だと思っているんです。その立場にならないとわからないことって多いじゃないですか。
――その立場にならないとわからないことというのは、例えば?
美容系の会社にいたとき、本社勤務の前は現場にいて「本社の人は何であんなに身勝手なんだろう」って思っていて。でも本社に異動したら次は「現場のメンバーはなんであんなに身勝手なんだろう」って。どの場所にもその場所ならではの苦労があるので、両方を知らないことにはできない判断があると思うんです。なので経営的な目線も現場的な目線も両方持ったうえで最適解を考えられるように、持てる視点を増やしていきたいな、と。
――企業における多様な視点を増やしていった先にこういうことをやりたいとか、こういうポジションに就きたいとか、ゴールイメージみたいなものはありますか?
考えたことなかったかもしれません。うーん、普段からあまり自分の中でのゴール設定していないので、終わりはないのかもしれないですね。ゴールを設定してしまったら、もうそこから先の成長が止まってしまう気がしていて。常に頭は柔軟でいたいし、新しいことをどんどん吸収していきたい。時代もどんどん変わっていきますし、私が社会人になりたての頃を振り返っても今の新社会人の方との感覚って全然違うと思うんです。そんななかで昔ながらのことに固執し続けても前には進めないので、常に自分自身も変わっていける状態でありたいですね。そのためにはやっぱり挑戦し続けることが大事だとも思っていて。「なるさん自身が常に変化しているから、なるさんのアドバイスは信用できる!」って言われるような人でありたいですね。
――なるさんのように、会社の仕組みや制度を握っている方が柔軟だと、会社の文化も柔軟になっていくんだろうなと思いました。その会社の文化が制度や仕組みに引っ張られることがあると思っていて。そうした観点でいえば「チャレンジで社会の価値を更新する」ことをミッションに掲げるチカビの制度や仕組みを考えているなるさんが誰よりも挑戦しているということ自体が文化形成に大きな影響を与えているのでは、と感じました。
ありがとうございます。挑戦の数には自信があります!(笑)
みんなにも挑戦してよかった、挑戦したいと思ってもらえるような工夫を続けていきたいです。締めるとこは締めつつも、「こうあるべき」じゃなくてもいいことは考え方を変えればいくらでも方法があると思うので、あらゆる方向から考えて何が最適かを常に探していこうと思います。