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ChatworkでCHROさせていただいている西尾です。今年の7月にCHROという役職に付きましたが、いまだ慣れません。これからもひっそりとしたCHROを目指そうと思います。
今回は12月に当社で行われたオンラインの全社合宿(全社集会)について、そのプロジェクトと内容をお伝えします。
運営メンバーで一番歳を取っているだけで、プロデューサーという偉そうな役割を拝命しましたが、スタッフのみなさんが優秀で、ほぼ何もやってないので、Wantedlyの記事をアップして、会社に貢献したいと思います。
Chatworkの全社合宿「Cha会」
当社では、半期に1回、全社員が一同に会して、「合宿」を行う伝統があります。
基本的にリアルにみんな集まって、経営戦略の共有やワーク、チームビルドを行います。
今年は、新型コロナウイルスの影響で、リアルに「会して」開催することができません。
そのため2020年7月に行われた前回の全社合宿は、初めてオンラインで開催しました。
その後も新型コロナウイルスの猛威は収まりを見せず、12月の全社合宿も社員の安全を配慮してオンラインで行うことにしました。
さらに、「全社合宿」という名前でやってきたこの会も、オンラインでやる1日のコンテンツで「合宿」でもないだろうという声があり、改名しようという話になりました。
激しい議論の末
・わかりやすい
・言ってて恥ずかしくない(これ結構大事)
・「茶藤さん」というエンジニア採用広報担当(≒お茶の妖精)とリンクする。
・社内資料やグッズに展開しやすい
といった理由で、「Cha会」という名前になりました。
テーマは「部門を超えたつながり」
当社は、今年3月から新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、原則在宅勤務の体制になりました。
その後3月〜12月までに新たに当社に入社してくれた社員数は60人。今の社員の3人に1人が原則在宅勤務の状態で入社した方々です。
直接コミュニケーションを取る必要がある業務やチームビルドが必要な部署については、例外的に出社を許可していますが、これも週に1回の頻度で、ほぼ自部署内の人としか顔を合わせることがありません。
自部署以外のコミュニケーションは、難しい状況です。
そして、部署を超えた交流は、オンラインではさらに難易度がアップします。
ランチや立ち話での雑談、当社自慢のカフェスペースを使った自然発生的な飲み会といった場面で、部署外の社員とつながるキッカケが発生することが多いと考えています。
しかし、Chatworkのカルチャーや雰囲気を理解するには、自部署だけではない、多様な人と交流してChatworkの雰囲気を理解してもらう必要があります。
そしてその雰囲気が「Chatwork」社員の共通認識になり、社員のみなさんが、社内の言語化されたルールを超えて自律的に動くことに繋がります。
それだけに、部門を超えたつながりを作ることは重要です。
今回のCha会では、これをテーマに置きました。
企画はテレビ番組を意識
今回のCha会のコンテンツはこのような構成になりました。(タイトルは、Wantedly向けにマイルドにしてます)
①オープニング動画
②全社戦略説明
③各本部戦略発表
④オンラインクイズ大会
⑤シャッフルランチ
⑥表彰式
コーナーそれぞれの意図と内容を説明します。
オンラインでイベントの期待感を醸成するオープニング動画
比較的長時間のオンラインイベントは、ともすると一方的にこちらから情報を伝達する形になります。
オンラインで画面の向こう側で参加している社員は、実際にイベントが起きている同じ空間を共有していないので、視聴者でもあります。
オープニングの次のコーナーの全社戦略は、社員にはマストで聞いてほしい内容です。
そのためにもオープニングで、これから始まるCha会に対して期待感を持ってもらえるような映像を視てもらい、このあとのコーナーに参加したいと思ってもらう必要があると考えました。
茶室でお茶会をするという「Cha会」に掛けた文字にしてしまうととてもしょうもない動画なのですが、社員みんなが顔を知っている人事の社員が着物を着て登場し、存在は知ってるけど、社員がほとんど話しをしたことのない常勤監査役との対話をするシーンを事前に収録、編集をして流しました。
この人が出るのかというサプライズ感を楽しんでもらい、期待感を醸成し生中継のスタジオにつなげました。
シンプルにプレゼンターの熱を伝える全社戦略説明
ここは社長がしっかりと伝えるコンテンツです。
このCha会で唯一全員がマストで内容を理解してもらいたいコンテンツです。
もともと30分の予定でしたが、30分では想いが伝えきれないということで60分に延長しました。
プレゼン内容自体はもちろんですが、社長のキャラクターや息遣いも含めて、戦略説明の重要な要素と考えているので、ここは特に何か特別なことをせず、生の社長の声をそのまま伝えました。
ただ、失敗だったのは、めちゃくちゃ小さいワイプ(メイン画像の中で上乗せする小窓)の中で社長がしゃべることになってしまいました。
スライドを使ったオンラインプレゼンは、ワイプ用のゾーンを確保しましょう。(たぶん、オンラインプレゼンをする人は、みんな知ってる・・)
オンラインで手軽に実現マルチトラック各本部戦略発表
前回7月のオンライン全社合宿では、この各本部の戦略説明はせずに、全社戦略の説明のみを行いました。その際社内から、「各本部の戦略も聞きたい!」というフィードバックがありました。
ただ、4つの本部(ビジネス・プロダクト・コーポレート・人事広報)が、それぞれ持ち時間30分で直列つなぎでプレゼンすると全部で120分。コーポレートと人事広報を1つにしても、3つで90分。
60分オンラインで話を聞いたあと、さらに90分オンラインで話を聞くのはなかなか大変です。
150分は「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」並の長編大作です。
SFの超大作ならまだしも社長と本部長の話を聞いているだけだと、集中力が持たずに、画面の前でぐったりしている社員の姿が予想できてしまいます。
そこで、オンラインであることをフル活用して、同じ時間帯に、3つのzoomのウェビナーを立ち上げ、それぞれ本部長がそこで説明する「マルチトラック」方式を取り入れました。
イメージはAKB48の握手会みたいに、レーンを用意して、好きなところに行くイメージです。
コロナ禍なのに、おっさんがレーンで待ち受けて、握手する画はイメージするだけでも地獄ですが。
録画して後で視ることができるので、参加者は自分が所属する本部以外のところに入ってもらってもOKという形にして、普段は聞けない他本部の話を聞いてもらえるような構成にしました。
社員全員が参加!リアルタイムに結果発表クイズ大会
視聴しているだけのコンテンツが長く続くと、前述の通り集中力がなくなるとともに、Cha会自体への参加意識も薄れてきてしまいます。
そこで、全社員が参加してもらえるオンラインクイズ大会を企画しました。
某〇〇ルスター感謝祭のフォーマットで、オンラインツールを使い、スマホの早押しアプリを使いました。
当社は、社員同士が理解してもらえるように「あれ誰」と呼ばれる社員の自己紹介ページがあります。入社したときに書いてもらっています。
今回のクイズはこの「あれ誰」から出題しました。
いろいろな社員のことを楽しみながら、知ることができるコンテンツにしました。
シャッフルランチ
新たに入社した社員の方は、周りは知らない人だらけ。
ましてやコロナ禍で、顔を合わせていない状況で、仕事でからみのない他部署の人にチャットでいきなり雑談を話しかけるなんて、ナンパ師でもない限り至難の技です。
ここではRemoと呼ばれるツールを使いました。
複数の部屋に別れていて、部屋に入室すると同じ部屋に入っている人とグループMTGが可能です。
運営側で、事前に社員をグループ分けをして、それぞれのグループにマネージャーを配置し、ファシリテーターをお願いしました。
また、社員に対して2000円のランチ代補助と、社員の家に、Cha会開催日までに、お茶菓子を贈りました。
ナンパ師のような特殊能力を持たない人でも、「部門を超えたつながり」を1人1人が実践できような環境とキッカケを提供しました。
視聴者参加型のテレビ番組を意識した表彰式(Chatwork Award)
Chatworkでは、半期に1回表彰をおこなっており、今回は17の賞が用意されました。
表彰式なので当たり前ですが、目的は「受賞者を讃える」ことです。
ただ、賞を発表するだけだと、賞が多いだけに、1つ3分でも、60分近くかかってしまうので、オンラインで見ている人は、どうしても中だるみしてしまいます。
そんな中で賞を授賞しても、社員の喜びも半減してしまいます。
なので、表彰式は演出に力を入れました。
こちらも某番組からヒントを得て、現場の若手、ベテランの社員がそれぞれ司会をしていただいて、表彰式を盛り上げました。
賞の数が多いので、クリスマス系の番組と新婚さん系の番組の2部構成にして、見ている人が飽きずに、楽しく受賞者を祝福できるよう工夫をしました。
また受賞者の喜びの声は、スタジオとつないで司会とやり取りするという臨場感を大事にしました。
このコンテンツで最も重要な役割を果たすのが、「チャット」です。
YouTube Liveについているチャット機能なのですが、チャットで受賞者を祝福したり、司会に突っ込んでみたりと、ここの盛り上がりが表彰式自体の熱量に直結します。
そして、これは他のコンテンツでも同じなのですが、初めて参加してくれた新入社員の方は、このチャットで会社のフラットな空気感を知ってもらうことができます。
それだけに、リアルタイムで流れるチャットは、会全体を構成するとても重要な要素の1つです。
そして、表彰式の終了後は、エンドロールも用意して、読後感を味わってもらう時間にしました。
こだわったポイント
このオンラインのCha会を成功させるために、企画自体もそうですが、こだわったポイントがいくつかあります。
コンテンツごとに最適な配信ツールを選択
今回、オンラインの配信ツールとして、YouTube Live /Zoom / Remo / Google Meetを使いました。
コンテンツによって、こだわるポイントが異なります。
例えば、全員参加のクイズ大会では、リアルタイム性が最も重要になります。
一方で、表彰式については、その場で参加しているかのような、没入感を出すために、画質や音質にこだわりました。
また、表彰式の中では、スタジオにいるプレゼンターや司会と家にいる受賞者との掛け合いも発生します。
それを踏まえ、コンテンツによって配信ツールを選定しました。
(今回利用した配信ツールとその特徴 あくまで、今回利用した機能の範囲内での私の主観です)
YouTube Liveで配信している映像の中で、Google Meetで掛け合うという技術的にもオペレーション的にも難易度の高いやり取りも発生しました。
また、社員のみなさんには、いろいろな配信ツールをお願いしたので、混乱させてしまった部分がありました。
このあたりのオペレーションは課題として残りました。
機材と送出構成
前回7月の全社合宿は、カメラやマイク、スイッチャーなどの機材はほぼレンタルで実施しましたが、今回はすべて会社の備品として購入しました。
当社では毎月会社の実績報告や方針を共有する朝礼があり、こちらも現在オンラインで行っています。
毎月オンラインで実施するのであれば、都度レンタルよりも適切な機材を揃えた方がむしろ安上がりでかつ、いつでも検証作業ができます。
そして、朝礼を通じて、機材セッティングや操作、配信ツールについてのナレッジが蓄積されていきました。
その結果、今回の全社合宿ではこのような送出構成になりました。
ここは、社内のプロダクトマネジメント室のメンバー、CSE(Corporate Solution Engineer)部のメンバーの多大な協力があります。
このあたりの詳細は技術監修チームが別で披露してくれるはず。
適度な雑さ
とはいえ、運営しているのは、映像のプロでも制作のプロでもない普通の社員です。だからこそ色々なトラブルやハプニングが発生します。
しかし、私達は160人程度の社員の会社です。
出演している人はもちろん、カメラを回している人、スイッチングしている人、そして構成や台本を書いているのも、一緒に仕事をしているよく知ってる社員です。
画面の向こう側でそういう人たちが頑張って運営してるという姿が想像しやすい規模でもあると思っています。
何かハプニングがあった時、画面を見ているみなさんは、裏方で何が起きたんだろうと想像します。
目的は、完璧にキレイな映像を見せることではなくって、部門を超えたつながりを感じてもらうことです。
キレイな映像を出そうと一生懸命努力している運営メンバーの姿が想像できるぐらいの雑さでちょうど良いのかなと思っています。
そもそも、テレビ局のようにクオリティを追求しすぎてギリギリやると、プロではない運営メンバーが楽しくありません。
大変だったこと
前回の期待値を上回ること
前回7月のオンライン全社合宿は、社内からとても好評で次が楽しみだという声をいただきました。しかし映画でもヒットした映画の第2弾はつまらないということは往々にしてあると思います。
しかも、本業ではない社内メンバーの使えるリソースは限られています。
前回を超えるイベントにするために、企画の磨き込み、構成の磨き込み、ロケの効率化、当日運営スタッフの事前準備がなるべく少なくなるように、台本に細かくカメラのカットやスイッチングの指示を書き込みました。
また、コーナーごとにディレクターをおいて分業制にして、負荷分散しクオリティを上げました。
機材構成の複雑さ
先に記載したとおり、機材構成はかなり複雑です。
これは、機材に詳しいスタッフが自主的に妥協を許さず、構成を考えてくれた結果です。
これなくして、配信クオリティは担保できませんでした。
出社制限
最初に運営スタッフや出演者としてアサインしていたメンバーが、新型コロナウイルスの状況悪化に伴い、大事をとって出張ができなくなったり、出社ができなくなる事態が起きました。
出社できるメンバーが、代わりを行うなど、キャスト変更や役割変更があり、構成もバタバタと変更するということがありました。
まとめ
第1回のCha会は総じてうまくいきました!
社内のアンケートでも特に新たに入った社員の方が、「Chatworkの雰囲気がよくわかった」「こんなに楽しいオンラインの合宿は初めて」などのポジティブな感想を寄せてくれています。
オンラインの社内イベントは、オフラインと同じコンテンツをオンラインでやっても伝わらないと考えています。
オフラインは、参加者が自由に視線を動かし、その場の音を聞いて、情報を得ることができますが、オンラインは、画面の中の世界が全てです。
画面の中に伝えたい情報を伝わるように載せなければなりません。
一方で、その成約があるがために、オフラインよりも、こちらが伝えたいことをしっかりと伝えることができる可能性があると考えています。
今回も、運営メンバーが大変ながらも、楽しんで撮影や準備などをやってくれました。当社のミッションである「働くをもっと楽しく、創造的に」を、画面の向こうにすこしでも伝えられたかなと思います。
直接会えないコロナ渦だからこそ、オンラインの力を使って、会社の魅力、一緒に働く仲間の魅力を全力で伝えるということが、社員が一体となって事業に進んでいく上で重要なことだと思っています。
こういうイベントで火がついた社員が、次は自分が他の社員に火を付ける役割になってもらい、それが渦になれば、本当の「Chatworkらしさ」が生まれ、ミッション・ビジョン・バリューの浸透につながると考えています。
Chatworkのことをもっと好きになってもらい、自主的に社内イベントに参加したいと思ってもらえるよう、Cha会は改善してパワーアップさせていきます。