シャカリキに頑張るゾ セレベビー創業スペシャル!! | 株式会社RETAIL INNOVATION
こんにちは、RETAIL INNOVATION代表の永田です。さて、めちゃイケが来春ついに終わりを迎えることが決まった。僕の青春時代に色を添えてくれた番組なだけに寂しさはひとしおだ。油谷さん、S...
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こんにちは、セレベビー代表の永田です。
セレベビーは子供写真特化型の撮影マッチングサービスです。前回は僕がセレベビーを始めた経緯について書かせていただきました。
面白かった!というご感想を方々からいただいて調子に乗っています。へへ。
さて、その中でちらっと理由は書いたのですが、それでも「何で子供写真に取り組んでいるの?」という質問をしばしばいただきます。
僕は子供もいないうえに、前職は資産運用の仕事。子供写真とは無縁な世界にいた身ですので、疑問に思われるのも当たり前です。
ということで、今回は何故僕が子供写真市場に挑戦しているか、ということについて、もう少し詳しく書いてみようかなと思います。
ちょっと長くなるので、要点を先に書いておきます。
ではお読み下さい。
正直、初めから子供写真市場にフォーカスしていた、ということではございません。
B2Cでユーザーから沢山のありがとうといただけるサービスを作りたいな
身近に困っている人はいないかな
そう考えていた時期に、ちょうど年頃のせいか、僕の周りには初めての子供が産まれて育児に悪戦苦闘している友達がたくさんいることに気付きました。
なるほど、どんなママパパも初めはみんな初心者、わからないこと・困ったことは尽きないだろうな、と気付き、僕は子育て分野にフォーカスして色々な市場を調査することにしました。
子供写真市場について知ったのもその時です。
スタジオアリスといえば、皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?言わずと知れた子供写真業界のパイオニアで、2016年12月期の連結売上高387億円、当期利益30億円の大きな会社です。
では、子供写真全体の市場規模ってどれくらいでしょうか?ざっくり試算してみます。
【前提条件】
こう考えると、市場規模は1000億円前後ということになります。
(ちなみに、矢野経済研究所の2012年調査では、2013年予測が700億円、4年で100億円ぐらいのペースで伸びているので、この試算も当たらずとも遠からずといったところかと思います。)
ここでは仮に市場規模1,000億円とすると、スタジオアリスは実に約40%の市場を占有しているマンモス企業ということがわかります。
これだけの会社ですから、さぞかしイケてるサービスをしているんだろう、と思うのは自然なことです。
でも結論はこうでした。
全然イケてなくない?
ここで、ざっくりスタジオアリスのサービス(ビジネスモデルまわり)についてご紹介します。
近くの店舗で予約!
まずは撮影の予約をします。え、どこにあるかって?全国520店舗もあるからきっとあなたの家の近くにもあります。
撮影料はたったの3000円!
3000円で写真を撮れるなんて安いですね!ちなみにこれ、産婦人科などで撮影無料券を入手すれば無料になります。
まるで着せ替え人形みたい!豊富な衣装を選び放題
スタジオアリスのウリといえば、何といっても衣装を好きなだけ着せ替えられるという点でしょう。
お姫様のようなドレスを何着きても無料!もちろん着付けやヘアメイクも無料でやってくれます。
効率化に自信!撮影データをバシャバシャ生み出すゾ
スタジオアリスは基本的に、予めセッティングされたカメラを使って流れ作業で子供の撮影をしていくスタイルです。撮影するのはプロカメラマンではなく研修を受けたスタッフさんですが、セッティングを一度決めておけばあとはシャッターを押すだけ!難しいことはありません。
子供の笑顔を絶対に引き出してみせます!
スタジオアリスが全力で取り組んでいること。それは子供を笑顔にすることです。親心としても、やっぱり子供には笑顔で写真に写ってほしいですもんね。
僕も実際に目にしたのですがその技術は確かにすごい。あらゆる手段を尽くして子供を笑顔にさせてくれます。周りのユーザーに聞いても、やはりこの点は高評価の方が多いです。
沢山の撮影データからプリントしたいものを選んで購入
さぁ、可愛い我が子の撮影データがたんまり撮れました。ここからは写真選びのお時間です。
【スタジオアリス料金案内】
スタジオアリスでは、購入の対象は主に「写真(プリント)」と「アイテム(アルバムやフォトフレームなど)」の二つです。
例えば、プリントのご案内ページにはこう書かれています。
ご兄弟でご来店され、お兄さまのお写真で四切写真5枚、弟さまで四切写真を1枚お買い上げされた場合
合計41,472円
ふぇっっっっ!?
さらっと凄いことが書いてます。
四つ切写真6枚で4万円かかるんだそうです。
なお、アルバムを購入する場合には、本体代金のほかに、中身に使用する写真を別途購入する必要があったりなかったりするみたいです。
※僕の歯切れが悪いのは、料金システムが複雑すぎて理解できないからです。料金案内のページを見て、最終的に幾らぐらいになりそうか把握できる人って少ないんじゃないでしょうか。
ちなみに、ここで購入しない写真のデータは削除されてしまいます。親心としては、折角撮った我が子の写真を消されるのは忍びないので、ついつい多くの写真を買ってしまうそうです。また、親族用にも台紙を勧められたりするので、それに応えていくとどんどん出費がかさんでいきます。
そういう事情もあって、僕の周りには、一回の撮影で最終的に5~10万円使ったという友人がゴロゴロいます。
友達の一人はこう言いました。
こんなに高くなるとは思わなかった!
購入した写真の原データは、原則1年後までもらえません
さらに、スタジオアリスでは、購入した写真の原データは原則一年後まで入手することができません。
彼らは印刷物で収益を上げている会社なので、みすみすネガを渡す訳にはいかない、ということなのでしょう。
しかも上の例のように2種類の四つ切写真を41,472円で購入した場合、一年待って、ようやく手にできる撮影データはたった2枚ということのようです。
どうですか?控えめに言ってもイケてないでしょう?
焼き増しのたびに追加料金を支払うフィルムカメラの時代はとうに終わったのに、デジタルカメラになった今でもこれまでと何ら変わらない商売が続けられています。
データの流通環境がこれだけ整った今の時代、ユーザー感覚としては撮影データこそがほしいんです。データの方が共有するのも保管するのも楽だし、プリントが必要になれば安くていい業者を簡単に見つけられるからです。
また、SNSがモバイル移行したことに伴い写真文化も変化しており、写真は単なる記録媒体ではなくコミュニケーションツールとして扱われるようになりました。
こちらの記事では主体が子供ですが、今のママだって負けてません。グループインタビューしたママの中には、1ヶ月に5,000枚の写真を撮ってた、なんて人もいたほどです!
撮った写真はLINEでご両親にシェアしたり、Instagramに投稿したりして楽しむそうです。
ちなみに、子供の写真でコミュニケーションを楽しむ人が増えていることは、インスタグラムのハッシュタグを調べてみても読み取れます。
インスタグラムのハッシュタグ数
#赤ちゃん 4,257,287件
#子供 1,688,950件
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#料理 2,571,206件(参考値)
では、プロの写真がコミュニケーションツールとして機能するためには何が必要でしょうか?
それは「今日撮りに行ける」ほどの手軽さです。
上の記事中の言葉を借りれば、
「私が今この瞬間に誰であるか」
をプロの写真で表現できることが求められていると思います。
そう考えると、スタジオアリスのように高額で人生に数回しか利用できない撮影サービスというのは時代遅れだと思うわけです。
市場の40%を占めている寡占企業が、こんなに時代遅れで使い勝手の悪いサービスを続けている。それだけでも、改革し甲斐があって面白そうと思いませんか?
ユーザーが時代に合わせて変化してきたように、カメラマン界隈も潮目が大きく変わってきています。組織に所属せず、フリーで仕事を請け負うカメラマンが近年グググっと増えてきたのです。(いいデータが見付からないのですが、肌感覚では間違いなく増えています。)
その要因は大きく二つあると思われます。
一つ目は、品質のいいデジタルカメラが安価で手に入るようになったということ。
お手頃価格のレンズでもプロと遜色ない綺麗な写真が撮れる時代です。また、デジタルカメラであれば撮った写真をその場で確認できるのでやり直しもききやすく、万が一修正が必要でもフォトショなどのソフトウェアでほとんどの修正が出来てしまいます。
こうした素地が整ってきたことで、カメラマンの参入障壁というのはものすごく下がりました。カメラを買って少し練習をしたら、誰も次の日からカメラマンを名乗ることができます。(食っていけるとは言っていません)
二つ目は、個人で仕事を受注するチャネルを簡単に獲得できるようになってきたことが挙げられます。
実際に調べてみると、アメブロで予約を受け付けているカメラマンが非常に多いことに驚くと思います。ちょっと頑張ればwixやwordpressで本格的な自分のサイトを持つこともできますし、ランサーズなどのクラウドソーシングを利用するのも簡単です。
こうしたことを背景に、フリーになって仕事を探しているカメラマンは年々増えていっているように思います。
子供写真業界では特に、ママさんカメラマンという名称を頻繁に聞きます。自分の子供が産まれたタイミングで一眼レフを買い、そのうちカメラにはまって独立をした、というのがかなりありふれたストーリーになりつつあるのです。
ママさんカメラマン - 八木 碧 - 写真館ルリイロフォトさんの写真
これまで説明してきたことをまとめると、
これが、私たちが子供写真業界に挑戦している理由です。
古い業界慣行を打破して、プロの写真で家族の新しいコミュニケーションを創出する
挑む相手は巨大ですが、だからこそチャレンジでワクワクします。
そんなセレベビーではエンジニア、マーケターを絶賛募集中です。子供写真業界を塗り替えたい!面白そう!とちょっとでも思ってくれた方は、気軽に話を聞きに来てください。
ありがとうございました。
カバー写真の撮影 - 八木 碧 - 写真館ルリイロフォトさん