「ヘッドカウントではなく"ハートカウント"で。」
株式会社BottoK(ボトック)の原﨑健太郎さんは、組織を考える上で大切にしていることを、そう語ります。単に従業員の頭数を数えるのではなく、メンバーひとりひとりの性格や感情に寄り添い、全員が心を持った人間であると捉えること。
イベントディレクター、モデル事務所のマネージャー、観光案内所の店長、地方創生のプロジェクトマネージャー、そして人事。多彩なキャリアを「横に広げ」ながら、自身のメンタル不調の経験を経て、「人・組織」の領域に辿り着いた原﨑さん。
現在はBottoKで、攻めの組織を支える「守りのPM」として、社内の交通整理やバックオフィス構築に邁進しています。
なぜ原﨑さんはBottoKを選んだのか。そして、多様な経験を経て見出した「働く」ことへの想いとは。福岡へのUターンというライフイベントと共に、新たなキャリアをスタートさせた原﨑さんの考えに迫りました。
多様なキャリアを経て見つけた「人」への想い。メンタルの不調が教えてくれたこと。
ーー本日はよろしくお願いします。まずは、BottoKに至るまでのキャリアの変遷について教えてください。プロフィールを拝見すると、本当に様々なご経験をされていますよね。
よろしくお願いします。BottoKで3社目になるんですかね。最初(1社目)は地元の福岡の企業で、2年ほど働きました。知り合いの会社だったんですけど、小さい会社だったので、本当に色んなことをしてましたね。イベントディレクターから、バーをDIYで作ったり、本体がモデル事務所だったのでマネージャー的なこともちょこっとやったり。
そこから転職した2社目が、株式会社Huber.です。ここがトータルで7年弱ぐらいですかね。ここでも色んなポジションを経験させてもらって。最初はインバウンド向けの観光案内所の立ち上げ店長から始まって、次は自治体から受託した地方創生や関係人口創出をテーマにしたプロジェクトの推進(PM)、それから前任が抜けたというのもあって、最終的に人事になりました。
ーーすごいですね!1社目も2社目も、専門性を深める「縦」というよりは、「横」にキャリアを広げてこられた印象です。
まさにそうですね。BottoKの手前までの2社が、結構キャリアでいうと横に広くマルチにやっていたような印象でした。だからこそ、BottoKへの転職は、少しキャリアを「絞っていきたいな」というタイミングでもあったんです。
というのも、実は僕、前職(Huber.)の時なんですけど、自分自身がメンタルを崩してお仕事を休んだりする経験があって。
その時に、人事という立場というか、人に深く関わる仕事をする中で、「働くこと自体を生き生きと楽しんでやれるような組織や人にアプローチしたいな」っていう想いが、なんとなくざっくりと出てきたんですよね。
ーーご自身の原体験が、「人・組織」の領域へ進むきっかけになったんですね。
そうですね。もともとキャリアの軸として、「働く人の良さ」みたいなところは大切にしてきたかなと思います。
僕の思う「人の良さ」って、経営者や一緒に働くメンバーが、他のメンバーのことをちゃんと「人として見ているか」ということで。得意・不得意があるときに、ポジションだけで「あなたはこの仕事だから」と区切るんじゃなくて、「その人に何が向いているんだろう?」とか「うちの会社に限らず、将来的に何をしたいんだろう?」とか。
そういう人生設計にもちゃんと焦点を当ててくれるような会社がいいな、と。振り返ってみると、BottoKも含めて、結果的にそういう会社を選んできたなと思いますね。
7年間のベンチャー人事で培った「現場感」。体調を崩した経験こそが武器に。
ーー前職のHuber.での7年間は、原﨑さんにとって大きな転機だったんですね。
はい。やっぱり初めて「人事」を経験させてもらったのが大きかったです。しかも、「ベンチャーでの人事」というのが、また一つ特殊だったかなと。
ーーといいますと?
さっきお話しした通り、僕自身が体調を崩した経験が、人事になった一つの要因でもあるんです。「そういう自分だからこそできる人事があるんじゃないか」と会社も思ってくれたみたいで。ベンチャーって、やっぱり一般の企業以上に負荷がかかる場面も多いので、自分の経験を活かして、他のメンバーに寄り添う経験を積ませてもらった。そこで「あ、自分がやりたいことって、こういうことなんだろうな」っていうのが、キャリアに対する想いとして言語化できた感じがします。
もう一つは、人事の手前でいろんな経験(店長やPM)をさせてもらえたことですね。
やっぱり、ずっと人事だけをやってきた人には分からない「現場の感覚」や難しさってあると思うんです。いろんな職種を経験したからこそ、現場の気持ちが分かった上で人事の仕事ができているな、というのは今でも感じますね。
「ヘッドカウントではなく"ハートカウント"で」。福岡へのUターンとBottoKのビジョンが重なった理由。
ーー様々なご経験を経て、いよいよBottoKへの転職になるわけですね。Wantedlyのプロフィールでは「すべての人が自分の"心"を大切にし、楽しく働ける組織を増やしたい」と書かれていますが、これはやはりご自身の経験からですか?
はい、まさに。自分自身が体調を崩したり、得意・不得意が見えてきたりした中で、前職のHuber.も今のBottoKもそうなんですけど、「向いてないね、さようなら」じゃなかったんです。
「今のポジションですれ違いがあるなら、原﨑健太郎が輝けるポジションはどこだろう?」って、一緒に考えてくれた。これがまさに、僕が大切にしたい「ヘッドカウント(頭数)ではなく"ハートカウント"」っていう考え方なんです。
ーー「ハートカウント」、素敵な言葉ですね。
元同僚が使ってた言葉なんですけど(笑)。でも、本当にそう思うんですよね。ちゃんと向き合ってくれる組織やチームって素敵だなって思うからこそ、自分もそうでありたいし、そういう組織を増やしたいなと。
ーーBottoKへの転職は、Uターンも大きな理由だったと伺いました。
そうなんです。キャリアというより、ライフプラン的な話で、結婚して2年ぐらい経ったときに、そろそろ地元・福岡に帰りたいなと思っていたんです。
ーー奥様も福岡の方だったんですか?
いえ、そこなんですけど、妻は滋賀(関西)なんです(笑)。だから選択肢は滋賀か福岡だったんですけど、妻も結構バリバリ働くビジネスウーマンで、デザイナーなんです。そうなったときに、仕事があるのはどっちかというと、やっぱり福岡だよね、と。妻も福岡を好きだと言ってくれていたので、じゃあ福岡にしよう、と戻ってきた感じです。
ーー福岡にもたくさんの会社がある中で、BottoKにジョインされた決め手は何だったのでしょうか?
大きく二つですね。一つは、僕が人事のキャリアの中でも「研修講師」という立場に興味があったからです。 何かの気づきを与える、というキャリアに。福岡でそれをやっている会社って、実は結構少なくて。BottoKは事業として研修もやっていたので、「ここでならできるな」と。
もう一つは、組織自体のフレキシビリティです。東京に比べて、福岡は「副業ダメ」「必ず出社」みたいなガチガチのところも、まだ多いなという印象で。人と組織に関わるなら、僕自身は副業やリモートワークも推進していくべきだと思っていたので、BottoKの柔軟な組織風土は魅力的でした。
ーー実際にBottoKで働いてみて、その「ハートカウント」的な部分や、ビジョンとのマッチは感じますか?
すごく感じますね。まさにBottoKの組織づくりに現れているなと。それこそ、坂田さん(代表)の考え方として、適性をすごく見てくれる。僕、最初は「営業」担当で入ったんですよ。でも、どうしてもフロントでゴリゴリ営業するのが苦手だったり、負荷がかかってたりするのを見て、ちゃんと対話してくれた上で、今のアサイン(社内PMや採用)にシフトさせてもらったんです。
お客様との向き合い方もそうですね。いわゆる人事コンサルって、勝手なイメージですけど、一定の距離を置いて「言うことだけ言って終わり」みたいな関わり方もある中で、BottoKは違うんです。ちゃんとオフラインで足を運んで、経営者さんと対話して、深く深く入っていく。収益だけ見たら非効率かもしれないけど、「人と組織にちゃんと向き合わなきゃ、最終的な成果にならないよね」っていうのを、坂田さん自身が体現されているなと思います。
攻めの組織を支える「守りのPM」。僕の役割は"整理整頓"です。
ーー原﨑さんは研修や1on1で人と向き合う際に、大切にしていることは何ですか?
研修でもコンサルでも、支援する立場で関わるときは、その人の「本当の課題」や「もやもや」がどこにあるのかな、っていうのをできる限り深掘りしたいなと思ってます。
相談に来るタイミングで本人が思っている課題と、根っこにあるまだ顕在化していないものって、絶対あると思うので。「これが欲しいからください、あげます」だけじゃなくて、まだ整理されていない部分を一緒に整理するお手伝いができたらいいなと。
ーーBottoKでは、そうした「整理する」スキルが活かされているのでしょうか?
そうですね。たぶん今、一番BottoKから期待してもらってるなと感じるのは、まさにそのPM(プロジェクトマネジメント)的な役割かなと。
BottoKって、坂田さんを筆頭に「攻めの人材」が多いんですよ。ベンチャーあるあるですけど、攻めに寄りすぎると、どうしても「守り」が弱くなって、カオスな状態になっちゃったりする。
そこを僕が伴走しながら、タスクやスケジュールを「整理整頓」しています。「これどうなってます?」「これそろそろ考えましょうか」とディレクションする役割ですね。
前職で地方創生プロジェクトをやっていた時も、年間のゴールから逆算して「ここまで何をやってないといけない」って細かく決めたり、複数の人が絡む中でスケジュールを切って可視化したり、っていうのが必要不可欠だったので。そこで鍛えられたかな、とは思いますね。
風通しが良く、自由度が高い。BottoKを「攻められる組織」にするために。
ーーBottoKは「攻め」のカルチャーなんですね。原﨑さんから見て、他にどんなカルチャーを感じますか?
風通しは間違いなく良いですね。あとは、やっぱりいろんな意味で「自由度」が高いかなと。働き方(雇用形態や時間)もそうだし、業務内容も「このポジションで採用したから最後までそこ」ってわけじゃなく、適性を見て相談に乗ってくれる。
あと、坂田さんがトップダウンで決めるというより、ボトムアップ型が多い気がします。メンバーから提案して、決めさせてもらえる。そういうカルチャーはあると思います。
ーー皆さんリモートワーク中心ですか? コミュニケーションはどうされているんですか?
対面で会うことは、確かにそんなに多くないかも。僕と井出さん、坂田さんは福岡・佐賀なので週1くらいで会いますけど、会わない週もあります。
ただ、毎朝オンラインの朝会を30分弱ぐらいやってるんです。業務の共有もしつつ、ちょっとカジュアルな雑談もする。オンラインだけど、頻度高く顔を合わせる習慣はありますね。
あとは、半年に一回ぐらい「全社会」っていう合宿みたいなのをやってます。関東、関西、福岡のメンバーが集まって。今年の夏は福岡にみんなに来てもらって、ご家族も含めたBBQをやりました。
ーー家族ぐるみで! 楽しそうです。
楽しかったですね。お子さんとか旦那さんとか奥さんとか連れてこられて、「初めまして」って感じで。ああいうのもBottoKらしさかなと思いますね。
ーーそうしたBottoKで、原﨑さんが今後実現したいビジョンを教えてください。
やっぱり、僕が「整理整頓」で価値を感じてもらえているのであれば、そこを突き詰めていきたいなと。
今、BottoKは採用もかけていて、組織が少しずつ大きくなっていきます。せっかく増えてきたメンバーが離れてしまわないためにも、バックオフィス機能や働きやすい環境、ルールや契約周りをちゃんと整備していく必要がある。
人事っていう意味でいうと、BottoKなりの評価、研修、メンタルケアも、まだまだやれる余地があると思うので。
フロントに立つ攻めのメンバーが思いっきり攻め上がれるように、バックを固める。でも、ただのバックじゃなくて、たまにオーバーラップする「サイドバック」ぐらいのバックオフィスを作っていきたいな、って思いますね。
BottoKを踏み台にしていい。地方で実現できる、チャレンジが評価される環境。
ーーBottoKは、どんな人が活躍できる会社だと思いますか?
「自分自身の限界を定めすぎない」人かなと思いますね。 新しいことにチャレンジしてみたい人には、すごく合ってると思います。BottoKって、チャレンジしたことを責められることは絶対にないんです。むしろ、失敗したとしても、チャレンジしたこと自体が評価されるカルチャーがある。実際、今いるメンバーも、人事コンサルの経験があって入った人って、坂田さんぐらいしかいなくて(笑)。ほとんどの人が未経験からスタートしてるんです。
ーー独立を考えている人にも良い環境だと聞きました。
間違いなく、レベルアップに繋がると思います。坂田さん自身が「将来的に独立してくれる人を、組織の中でつくっていきたい」って言ってるぐらいなので、BottoKを「踏み台」にしてステップアップする、っていう意味でも、すごくいい会社です。
ーーでは最後に、この記事を読んでいる未来の候補者の方へメッセージをお願いします。
「こんなこと興味あるな」とか「これやってみたいな」っていうことが、形にできる会社だと思います。
もちろん、ただやりたいことをやるだけじゃなくて、「それがどうBottoKへの価値提供になるのか」っていう視点は必要ですけど、そこがBottoKのためになるのであれば、どんな関わり方でもできる組織です。
将来の独立や起業を見据えている人にとって、それを「地方で」実現できるって、かなり稀有な会社だと思うので。ぜひ、まずはお話ししましょう。
ーー原﨑さん、本日はありがとうございました!
ありがとうございました!