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ラテラル・マーケティングで成功したSlackから学ぶB向けSaaSのマーケティング論

「食べるラー油」と「名付ける」というマーケティング

「食べるラー油」という概念は、数十年前には誰一人認知していないし、存在しないものでした。

ラー油は「調味料」だった。それを「おかず」として売り出したのです。

人々は面白がり、紹介したくなります。

結果として「食べるラー油」という概念が日本全国で認知された状態になりました。


顧客・市場を創出するラテラルマーケティング

ドラッガーなどの言葉と同じく、マーケティングには顧客・市場を創り出す役割が求めらます。

ラー油を「他社商品よりも良い調味料」ではなく、「おかず」として売り出したマーケティングは、間違いなく新しい市場を作っています。

ラー油の事例は「従来の固定的な枠組みを取り除き、新しい水平思考による発想から、商品・市場の創出を考えていく」方法であり、ラテラル・マーケティングと言われています。


Slackのマーケティングに対する考え方

Slackは圧倒的な成長を遂げています。

2013年8月 – 開業
2014年2月1日 – 1万6000 DAU
2014年8月12日 – 14万0000 DAU, 40,000 有償ユーザー数
2014年10月31日 – 26万8000 DAU, 73,000 有償ユーザー数
2015年2月12日 – 50万 DAU, 135,000 有償ユーザー数
2015年4月16日 – 75万 DAU, 200,000 有償ユーザー数
2015年6月24日 – 119万 DAU, 300,000 有償ユーザー数
2015年10月29日 – 170万 DAU, 470,000 有償ユーザー数
2015年12月15日 – 200万DAU, 570,000 有償ユーザー数
2016年2月12日 – 230万DAU, 675,000 有償ユーザー数
2016年4月1日 – 270万 DAU, 800,000 有償ユーザー数
(Slackの成長ぶりは常軌を逸している)より


これほどの成長を達成しているSlack。
そのマーケティングに対する考え方が非常に重要です。

全社導入に6カ月先駆けてテスト導入するのは、オンプレミスと呼ばれる自社管理するサーバーを持っていた時代の話。クラウド全盛の今は、いきなり現場が無料プランで使ってみて、より多くの支持が得られたものがいつの間にか会社内に広がり、やがて経営者が全社導入を追認するようなことが起こる。
シリコンバレーでSlackが流行るワケ:開発者マーケティングが重要に


この考え方に基づくと、下記の事実が分かります。

オープンソースやSaaSの登場でソフトウェア導入のプロセスが変わり、トップ営業ではなくボトムから導入は始まるようになった。
シリコンバレーでSlackが流行るワケ:開発者マーケティングが重要に


上記の考え方をベースにして、Slackは現場で働くエンジニアに満足してもらうことによって、クライアントを獲得していくマーケティングを考えています。


Slackが取り除いた固定的な枠組み

エンジニアに満足してもらうために、チャットツールをどういう形で売り出していくのか?

この問いに対してSlackが考えた答えは

Slackは、退屈な企業チャットツールの代わりに存在する気の利いた友達の様なものです。
いかにしてSlackは市場を席巻したか

「性能の高い製品」ではなく、「友達・同僚」として売り出しているのです。

それが競合ひしめくチャットツール業界に、新たな市場を作り出したマーケティング手法でした。

ラテラルマーケティングをGozal(ゴザル)も実行したい

バックオフィスツールにおいても、同じことが言えるのは当然の話です。

Slackと同じように『崩していくべき固定的な枠組みには「味気なさ」や「冷たさ」だろう』、という考え方を軸に考えていくこともできます。

ですが、他にも色々な枠組みや当たり前になっている前提があります。

しっかりとテーマを持って、マーケティングを展開していきたいと、改めて思いました。

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