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開発チームの影の立役者。 組織がスケールしても、いいプロダクトを生み出し続けるために。

河口 康平(かわぐち・こうへい)大阪府出身、京都大学でアカペラにのめり込み大学をゆっくり卒業。新卒でフォルシアに入社し、MRO業界、旅行業界のシステムの営業からプロジェクトマネージメントを担当。2018年3月に営業部長に昇進した後、偶然の出会いで2018年7月にatama plusにJOIN。カスタマーサクセスを経て、プロダクトオーナーを経験後、現在は専任のスクラムマスターとして横断的な組織課題に取り組む。

営業部長昇進と同時に届いた、atama plusからのスカウト

前職は、工具やビーカーなどを扱うMRO業界(間接資材業界)や旅行業界向けに検索エンジンを開発する会社でコンサル営業をしていました。営業とエンジニアしかいない小さな会社でしたが、提案から見積、契約、開発、進捗管理などプロジェクトマネージャーのような役割を担っていました。

ディレクションやプロジェクトマネジメントの経験を積む中で、自分は言われたものをただ作るより、ユーザー志向のプロダクト作りが好きなんだなぁと感じていましたね。

そして、入社5年目の2018年3月。営業部長への昇進が決まり、20名ほどのメンバーマネジメントを命ぜられたんです。新たなポジションをいただき、「よし、まず3年は頑張ってみるか」と決意も新たにした矢先のことでした。共同創業者の中下からスカウトが来て、一度会ってみることになったんです。

実際に話を聞くと、とにかく面白そうでatama plusという会社に一気に引き込まれていきましたね。教育業界にはテクノロジーによって大きく変化する余地がまだまだ多くあって、その中でatama plusはすごくユーザードリブンなものづくりを行っている。

「これは、絶対にうまくいく」という確信が持てたんです。当時は社員も18名しかおらず、サークル的な雰囲気もあって、カルチャーもとてもユニークだなぁと。

正直、「昇進が決まる前にスカウトしてよ」と思いましたね(笑)。でも今動かないと、部長を3年間したあとに、目の前に同じチャンスが転がってきた時に勇気を持って飛び込むことが出来ない気がしたんです。

atama plusに大きな魅力と可能性を感じているなら、そのタイミングは今しかない。そして2018年5月、転職の意思を固めました。

ミッションは「開発チームの成功確率の最大化」

atama plusでは、ビジネスチームでカスタマーサクセスとして導入塾の支援をした後、開発チームに異動しプロダクトオーナーを経て、今は開発チームのスクラムマスターを担当しています。

atama plusにスクラムマスターが誕生し、僕がその1人目となったのは、2019年の終わり頃。当時、開発チームの拡大に伴ってメンバーがいろんな不安やストレスを抱えている状況でした。でも、それらを拾って課題を把握・解決するということができていなくて。

代表の稲田から「開発チームの課題解決を牽引する役割をやってみてくれないか?」と打診されたんです。僕自身も問題意識を感じていたので迷いなく引き受けました。まずは、プロダクトオーナーと兼任しながらすべての開発メンバーと1on1をし、現状の課題や不満、要望などをヒアリング。いま起きていることや課題の全体像を整理していきました。

組織の体制が大きな課題として見えてきて、体制の見直しを検討することに。その中で、今後の開発チームの拡大を見据えると、組織面からチームを支援する役割はますます重要になってくるだろうという考えに至ったんです。稲田や他メンバーと会話して、プロダクトオーナーを別のメンバーに引き継ぎ、スクラムマスターを僕が専任で担うことになりました。

atama plusのスクラムマスターのミッションは「開発チームの成功確率の最大化」。現在は3人で、30人いるアプリチームと7人の模試チーム、計2つのチームを支援しています。具体的に何をしなければいけないというのはなくて、それぞれのチームがうまく回っていればOKという感じです。

すべてを支援するのは限界があるので、全体のバランスを見ながら必要なところに介入して支援をします。刻々変化するチームの状況に応じて、観察と介入を繰り返す感じですね。

具体的には、チーム毎に開催されるデイリースクラム(朝会)やレトロスペクティブ(振り返り)に参加して、「議論が活性化していないな」「チームビルディングがうまくいっていないな」と感じた時に、あらゆる打ち手を考えて実行していきます。

他には組織の横断的な課題をキャッチして、いろいろなメンバーに仮説をぶつけながら課題の解決策を探ったり、チームメンバーからのお悩み相談も受けることもあります。

チームが自律的に成長していく、きっかけづくり

あるとき、支援していたあるチームを観察していると、レトロスペクティブであまりみんなの意見が出ておらず、少しマンネリ化している様子でした。

本人たちもどうしたらいいか困っていたので、「振り返りではなく、向き直りをしてみたらどうか?」と提案してみました。振り返りはチームの過去に焦点をあてますが、「向き直り」はチームの向かう方向性についてすり合わせるプラクティスです。

プラクティスを紹介しただけで、そのチームは、自律的に向き直り会の企画・実行までを推進していきました。当日は、僕も見守りつつ、時にはファシリテーターとして介入をしてチームの方向性をまとめるお手伝いをしました。

「手戻りがないチーム」や「もっとプライベートなことを理解し合えているチーム」などチームの方向性についてたくさん議論されました。会の終了時には「チームの方向性について、はじめて認識が揃ってよかった」などの声が出ていました。

その後、そのチームは毎週、向き直り会の内容を見直しながらどんどん良いチームになっていきました。もちろんチームとして成長したこと自体は彼らの素晴らしい努力によるものですが、スクラムマスターとしてそのきっかけづくりができたことはとても嬉しいですね。


周りの専門家をファシリテートし、組織全体に大きな流れをつくりだす

僕自身は、実装やQA(品質保証)の専門性はありません。それに悩むこともありましたが、今では、スクラムマスターとして、周りのプロフェッショナルなメンバーのアイデアをうまく引き出しながらファシリテーションをすることで、組織に大きな流れをつくれているなと感じられています。

2021年のはじめ、開発全体で品質に対する意識を高めていきたい、QAにもっとチーム内で活躍してもらいたいなと考えていたんです。そんなとき社外のカンファレンスに参加し、「アジャイルテスティング」の考え方を知るとともに、外部トレーニングが行われる情報をゲットしました。

帰るとすぐに、QAのメンバーにトレーニングを受けるように提案をしていましたね。そして、QAがトレーニングを受講し、アジャイルテスティングの考え方を社内に持ち込んでくれるようになりました。

その後は、QAと開発組織の品質に関する課題を一緒に整理しながら、半年後の2021年6月には職種横断のアプリチーム30人でアジャイルテスティングについての読書会を企画したり、といろんな取り組みをしてきました。

結果、この半年間で開発チーム内の品質に対する意識はぐっと高まり、いろんなところでアジャイルテスティングというワードが出るようになりましたね。半年前からは想像できないほどの大きな変化です。

僕はアジャイルテスティングの専門家ではない。でも、みんなの課題感やアイデアをうまく引き出すことで、大きな流れをつくることができたことは自信につながっています。


チームづくりを通して、プロダクトをつくる

改めて、atama plusのスクラムマスターの守備範囲は、開発組織全体からチーム、個人まで。扱うテーマはプロダクトオーナーの支援から、開発プロセスのボトルネックの見極め、チームの成長、プロダクトの品質向上まで多岐にわたります。課題を見つけ、解決するまで、手段はなんでもありです。こんなふうに説明すると、なんでもできないといけなかったり、難しい役割と捉えられてしまうかもしれません。でも目的はシンプルで、Mission実現のために、良いプロダクト開発組織をつくること。

また、日々向き合っているのは人・組織ですが、僕たちもプロダクトづくりの一員です。良いプロダクト組織をつくるためには、プロダクトの戦略を理解することも必要ですし、プロダクトづくりの知識も必要ですから。

だからこそ、難易度の高い課題をチームと一緒になって考え、最終的にチームがプロダクトを作ってリリースした時に、ユーザーから良いフィードバックをもらえると僕自身もすごく嬉しい気持ちになります。

僕たちのビジネスや開発組織はまだまだ成長していきます。おそらくこれから直面するほとんどの課題は、僕たちが体験したこともないものになるでしょう。

でも、課題にぶち当たるたびに、考え、実験し、そこから学びを得ることが非常に面白いんです。もちろん毎日不安だらけで、日々悩みもつきませんが(笑)。チームメンバーとも「Mission実現のために痛みを伴う変更もあるよね」とよく話しています。

すべてはMission実現のため。その痛みへのチャレンジを乗り越えた先に新しい視界が広がっています。数ヶ月前を振り返るだけでも今と全く違うことをしていたり、過去に乗り越えた課題が簡単に見えたり、日々成長を感じることができます。

その不安と難しさを面白さとして感じられる人にとっては、すごく刺激的な場所であると自信を持って伝えたいですね。

◆ atama plusについてもっと知りたい方はこちら! atama plusのすべてがわかる11のイベント

その10:atama plus Tech Live〜急拡大するプロダクトと組織が向き合う「成長痛」〜

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