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UXデザイナーとして新しい学びの形を創る。アートディレクターを夢見ていた僕が今ここにいる訳。

atama plus株式会社に入社するまで

■■■経歴■■■

埼玉県出身。学生時代にカンヌで行なわれる国際的な学生向け広告デザインコンペティションFuture Lionに応募し、世界40ヵ国以上1,500点を超えるエントリーの中から日本人グループとして初めて賞を受賞する。2015年に早稲田大学理工学術院基幹理工学研究科表現工学専攻を修了し、UXデザイナーとしてリクルートに入社。新卒採用メディアのリクナビ等を担当した後、2017年10月atama plus入社。


小さい頃から絵を描いていたことが、UXデザイナーとしての原点だと聞きました。どういうことか教えて下さい。

絵を描く時は、要素を自分なりに解釈して抽出することが重要です。例えば、ガラスだったらどんな要素がガラスをガラスらしく見せているのか考察したり観察したりして、その要素を意識しながら絵に落とし込むんですね。僕は幼い頃からずっとそういう思考を楽しんできたところがあります。
UXデザインの仕事も、対象を深く観察し、核心がどこかということを考え抜くことが重要だと思っているのですが、絵を描く過程で培った思考体系が活かされてるなと思うんです。そういう意味では原点ですね。

とにかくインドア派で運動も苦手だった僕を見かねて、母が小学校入学前から絵画教室に通わせてくれたんです。それで、絵がとにかく大好きになって、高校入学まで絵画教室に通い続け、高校は美術部、大学も美術サークルでした。“絵画を通じて表現すること”自体も僕のアイデンティティーの一つになってますから、母には感謝しています。


“描く面白さ”だけでなく、“表現する面白さ”に気づいたのは高校時代なんですよね?どういうきっかけがあったのですか?

高校の美術部の先生が勧めてくれた森美術館の現代アート展が大きなきっかけになりました。それまでは上手に絵を描くという事が楽しかったんですが、現代アートの幅広い作品に触れて“表現する”ということ自体を初めて意識しました。当たり前といえば当たり前なんですが、絵を描く事も表現するということですし、それ以外にも表現する手段って色々あるんだなって気づきました。加えて、人の心を動かす作品にはイノベーションの要素があるんだということが分かりました。それからは絵画に限らず“表現すること”への興味が一気に増しました。

改めて昔の絵画について勉強してみると、時代を超えて残るような作品にも少なからずイノベーションの要素があることが分かりました。例えば、ミレーの「落穂拾い」は目に見えない神という宗教画しか描かれなかった時代に、実生活に根付いた農村の風景を題材にするというイノベーションが人々の心を動かしました。モネに代表される印象派も光を時間軸でとらえて描くという新しい手法が評価され、その後の絵画に大きな影響を与えました。僕も人が気づいていない新しい視点を持ちながら、表現が出来る人になりたいなと思うようになりましたね。

大学は付属高校からの内部進学だったのですが、そういう思いもあって、理工学部表現工学科を選択しました。VR、コンピュータグラフィック、認知科学などを学び、新しい技術を使って人々に未知の感覚や驚き、楽しみを提供できるよう作品を作っていきたいなと思ったんです。


芸術一色の学生時代だったんですか?

まあ、そうかもしれませんね(笑)。表現という意味では学園祭で先輩と一緒に体感型のデジタルアート作品を発表したり、文化庁メディア芸術祭に出品するデジタルアート作品の手伝いをさせてもらったりしていました。あとはSMAP×SMAPの企画で友人と作成したクレイアニメーションが採用されて放映されたこともありました。飲食店の内装をデザインしたり、ビルの壁に絵をかいたり、表現できる機会を見つけては何でもやりました。自分なりの新しい視点を加えながら何かを表現できるのはとても楽しかったですね。

あと、シェアハウスというか、古い雑居ビルの狭いワンフロアに8人で住んでいたのも良い経験でした。24時間誰かが起きて議論したり、何かを制作したりしているような空間でしたね。


卒業後の進路は広告のアートディレクターを考えていたんですよね?学生向けの国際的広告コンペティションでも受賞したと聞きました。

興味のおもむくままに好きなことをやっていた学生時代でしたが、これを仕事にするにはどうすれば良いんだろうと思っていた所、どうやら広告業界ってそういう事ができるらしいぞとわかって。電通のインターンに参加できた事もあって、こういうところで働けたら楽しそうだなーと思っていました。

広告のコンペティションは、そのインターンで知り合った仲間と応募しました。毎年カンヌで行われているもので、テクノロジーを使って、5年前には実現しなかった広告デザインを考えるという課題だったのですが、世界40ヵ国以上1,500点を超えるエントリーがあって、日本人グループとしては初めての受賞だと聞き、我ながら驚きましたね。

広告について深く考えるうちに、最終的に良い広告を作るにはユーザーに寄り添って考え抜くことが必要だなと感じるようになり、UX(ユーザーエクスペリエンス)デザインに興味を持ちました。


国際的コンペティションで受賞までしたのに、広告業界ではなくリクルートでUXデザイナーとしてのキャリアをスタートすることになったんですよね?何か心境の変化があったのですか?

広告コンペティションがきっかけでUXデザインに興味を持ち始めたことで、むしろサービスそのものを設計するほうが包括的にユーザーの体験を設計できて面白いんじゃないかなと思い始めたんです。ちょうど、リクルートのインターンプログラムでシリコンバレーのUXデザインのワークショップに参加し、スタートアップ企業におけるUXデザインの在り方などに触れる機会に恵まれて、そのままリクルートに入社することにしました。


リクルートではどういう仕事をしていたのですか?

入社してからはUXデザイナーとしてリクナビの開発に関わっていました。周囲にはサービスデザインの専門家が多く、そういう環境に身を置けたのは素晴らしい体験でした。一方で既に確立されている巨大なサービスを変えていくのはなかなか大変で、ユーザーの声を聴くにも何かの改善をしようにもとにかく時間がかかってしまって、なかなか形にならないもどかしさもありました。


それでスタートアップにチャレンジしようと思ったのですか?

そうですね。大きなサービスを少しずつ改善していくより、ゼロベースで一から作っていける方が刺激的なんじゃないかと。たまたま友人のFacebookでatama plusの求人を見つけたのがきっかけで、とんとん拍子で入社が決まりました。


それまでの経験や興味とatama plusの事業内容である“教育”が結びつかない気もしますが、何が入社の決め手になったのですか?

わからなかった事がわかるようになる、できなかった事ができるようになる体験ってスゴいことだなと思いますし、その体験をデザインするのって挑戦しがいがあって面白いんじゃないかと思ったんです。

また、僕自身、教育に対する課題意識があったというのも大きいです。小学校・中学校の時は塾の勉強のほうが好きで、学校ではなぜ集団で同じペースで勉強しなきゃいけないんだろう?と常に思っていました。自分にぴったりのレベルで勉強することが出来ると、勉強って案外楽しいものなのに、集団授業だとそれを実現するのはなかなか難しい。そこをテクノロジーを使って仕組みで実現できるのはすごくいいなと思いました。

加えて、atama plusがUXデザインに正面から向き合っていて、ユーザーの声をとても大事にしているということも入社の決め手になりました。入社する前に実際に現場を見せてもらったのですが、atama plusのプロダクトを使っている子供たちがびっくりするくらい集中して勉強していて。その場で子供たちの状況をつぶさに観察してメモしている代表の稲田さんを見て、この人たちとなら本気で事業に取り組めるなと思いました。

現在の仕事内容について

atama plusでの仕事内容を教えてください

一言で言うと、子供たちの学びという体験をデザインするのが僕の仕事です。学びの現場を見て、どうやったらもっと良くなるか仮説を立てて、そのアイディアを開発チームと共有しながら進めています。これに困ってるからこう対処するという単純なものではなくて、子供がなぜ躓いているのか原因を深堀して紐解き、それを解消するにはどういうアウトプットにすればいいのかを考え抜くのはとても労力が要りますが、その分やりがいもあります。また、デザインはアプリケーションのUIだけでなく、学習中の環境の含めて包括的に考えています。時には文具に関するアイディアを出したり、学習方法を紹介する動画を設計したりと業務範囲は多岐にわたりますね。


どういうところが仕事の魅力ですか?

やはり実際の現場を頻繁に見ながらデザインが出来るというのがデザイナーとして大きな魅力です。どんな会社もユーザー目線を大事にしているとは思うのですが、生のユーザーの声を聞いたり、サービスを使っている現場を見たりするのはなかなか難しい事でもあります。そこを徹底して整えているのはatama plusのすごいところです。開発チーム、ビジネスチームも頻繁に現場にいくようにしています。


どういう人に仲間になってほしいですか?

UXデザイナーとして仲間になってもらうなら、既存のやり方に囚われず、目の前の現象を深堀してとらえてから、改善のための仮説を立てられる視点を持っている人に来て欲しいです。UXデザイナーには幅広い能力が求められます。定性的な観察力、定量的な分析力、気づきを得て仮説を立てる想像力、解決策を生み出す発想力と実行力、それらを駆使して一緒にサービスを作っていける仲間がいたら心強いです。


今後について

atama plusのサービスを通じてどういう世の中になったらよいと思いますか?

分かるってエンタメだって稲田さんも言ってましたが、まさにそうだなと思っています。atama plusによって勉強が“やらなきゃならない事”から“やりたい事”に変り、テレビを見たり、ゲームするみたいな感覚で勉強できるようになったらすごいことですよね。そういう世の中になったらいいなと思っています。

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