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朝日新聞デジタルのアプリを、バックエンド開発を内製化してリニューアルしました!

(写真)リニューアルした朝デジアプリのリリースを終えたアプリ開発中心メンバー

ユーザーが本当に求めているアプリを目指して

 「見たい情報になかなかたどりつけない」「操作性がイマイチ」といったユーザーの不満を解消して、ユーザーインターフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)を向上させるため、朝日新聞デジタルのスマートフォン向けアプリケーションを2020年4月に大幅にリニューアルしました。また、今回のリニューアルを機に、開発体制についても見直しました。これらの取り組みについて、ご紹介したいと思います。

(画像)新しい朝デジアプリのトップ

 新しいアプリのUIでは、誰もが使い慣れた標準的なスマホの操作感とデザインに合わせることと、ユニバーサルデザインを大切にしています。新機能や劇的な体験の変化をユーザーは求めているわけではなく、「新聞を読んで今大切なニュースを知る」という一番基本的なことを快適に行いたい-そんなユーザーの気持ちに一番寄り添えるアプリを目指しました。

 UIUX改善チームで作成した「朝日新聞デジタルのUI5原則」に基づいて、誰もが自然に、学習コストが低く使えるUIを意識しました。

1. 見せ方から考えない。ユーザーの感情から考える
2. あってもなくてもいいものはいらない
3. 一貫性を保つ
4. 世間の標準にならう
5. レアケースにひきずられない

 今回のリニューアルでは、サーバー側もフロント側も全部つくり直したため、立ち上がりが圧倒的に早くなり操作感が大きく改善しました。左右スワイプで記事から記事へ片手でどんどん移動できるようにするなど、アプリならではの表示のサクサク感・速さを追求しました。アプリ内で、ネイティブで表示できる記事も関連リンクまで広がり、ウェブページを読み込むストレスが少なくなりました。デザイン面ではニュースの強弱をアプリのリスト内で表現できるようにしてメリハリを持たせています。ユーザーの方に多くの記事を快適に読める体験をしていただけると思います。

開発体制を内製に切り替え、開発スピードアップ

 内製化を進めるにあたり、改善しなければならない課題がありました。バックエンドの開発環境が古く、機能改修を進めづらいという点です。そこで、プログラムを一元的に変更管理できる仕組み(GitHub)やAWS Cloudwatchによる監視など、モダンな環境を構築して効率的な開発を実現しました。技術面では、AWSのDocumentDBなど新しい技術を取り入れ、また機能ごとにマイクロサービス化を図り、変化に素早く対応しやすい構成を目指しました。

 その結果、機能変更時の影響範囲を明確化でき、機能ごとに新しい技術を採用できるようになりました。運用コストの削減も意識して取り組みました。時間帯によってサーバーに求められる処理能力は大きく異なります。スケールさせやすいAWSのマネージドサービス(Lambda、Step Functions、Kinesis Data Stream)によるサーバレスアーキテクチャを採用し、AWSの利用料金を抑えつつ、アクセスが多いピーク帯など必要なときに高速に自動スケールするシステムを実現しました。

 内製化以前の開発体制では新しい技術の採用には消極的でしたが、内製化によって取り入れやすくなったと感じています。アプリとの結合テストで問題が顕在化したときでも、アプリに合わせて速やかに仕様変更できました。内製でなければ仕様調整で多くの労力が必要だったでしょう。スピード感を持った機能改修が可能なのが、内製化の最大のメリットであったように思います。新しい手法の採用には高い開発力が必要です。ですが、将来のシステム担当者が保守・運用から解放され、創造的な時間を確保するためには必要な投資です。目先の進捗に固執せずこれらを作りきれたのは、プロジェクトメンバーにサービスを長期的に見通す視野と意地があったからだと思います。

 引き続き、サーバーだけでなくアプリケーションも内製化体制を整え、様々なアプリ改善施策の開発スピードアップを図っていきます。

(デジタル・イノベーション本部カスタマーエクスペリエンス部・天野友理香、清田郁弥、西川哲矢)

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