▼本記事について
アーキテックスグループに新卒で入社し、戸建新築事業部の設計士として意匠設計から実施設計までをリードする若手メンバーのインタビュー記事です。
建築の世界を志す多くの学生が抱く、「自分のデザインで誰かを幸せにしたい」という純粋な想い。しかし、実際の住まいづくりにおいては、美しい図面を描くだけでは成立しません。構造の安全性、法規の遵守、そして何より、お客様自身も気づいていない「理想の暮らし」をプロとしていかに言語化し、形にできるか。その対話の積み重ねこそが、設計士の介在価値であると私たちは考えています。
今回は、2021年に新卒入社したH.Tさんにインタビュー。大学時代の学びから、入社後の早期デビューを支えた教育体制、そして意匠設計と実施設計の両輪を担う現在の働き方について、詳しくお話を伺いました。
H.T /戸建新築事業部 設計
2021年に新卒でアーキテックスグループへ入社。大学では建築だけでなく、土木や自然環境についても幅広く学ぶ。インターンシップでの社員との交流を通じて、社風に惹かれ入社を決意。現在は「SIMPLE is...(シンプルイズ)」をメインブランドとして担当。意匠設計と実施設計の両面から、お客様の理想を形にするため日々研鑽を積んでいる。
建物がつくり出す「空気感」に惹かれて。テーマパークから始まった建築への道
ーーまずは、建築に興味を持ったきっかけから教えてください。
実は、元々のきっかけはテーマパークなんです。ディズニーや伊勢志摩のスペイン村が大好きで、よく足を運んでいました。そこで「なぜこの場所はこんなにワクワクするんだろう?」と考えたとき、音や匂い、スタッフの方々の対応など様々な要素がありますが、一番大きな影響を与えているのは「建物の雰囲気」だと思ったんです。
異国情緒溢れる街並みや、物語の世界を再現した建物。空間そのものが作り出す空気感が、訪れる人の感情を動かしている。そのことに気づいたとき、自分も建物を通じて人の感情を豊かにしたり、ワクワクさせたりする仕事をしたいと漠然と思うようになりました。これが、私の建築・設計への入り口ですね。
ーー素敵なきっかけですね!大学は、少し特殊な学科を選んだとお聞きしました。
はい。愛知県内の大学で、建築・土木・自然環境などを複合的に学べる学科に所属していました。建築の勉強に加え、川に入って虫を捕まえて解剖したり、風船と測量機を使って上空の風速を観測したりと色々なことを経験しましたね。
「まずは広い世界を知った上で、自分の進むべき道を見つけたい」という想いもありましたし、何より「面白そう!」と思ったことには何でも触れてみたいタイプだったので、あえて多様な経験ができる学科を選びました。
ですが、そうして様々な分野に全力で取り組んでみた結果、一番心に響いたのがやはり建築だったんです。課題で図面を描いている時間が純粋に楽しく、没頭できる。あらゆる可能性を自分の目で確かめたからこそ、「自分にはこれが一番合っている」と自信を持つことができ、就職活動では建築業界一本に絞って進むことに決めました。
ーー就活では建築業界を見ていたとのことですが、最終的にアーキテックスグループを選んだのはなぜですか?
数ある選択肢の中でアーキテックスグループに決めたのは、「一人の設計士が介在できる領域の広さ」に強い魅力を感じたからです。検討していた大手メーカーの多くは分業制が進んでおり、設計の役割が図面化のみに限定されるケースも少なくありませんでした。
しかし、アーキテックスグループは意匠設計から実施設計まで、一人の設計士が一気通貫で深くコミットできる環境です。早い段階から直接お客様と対話し、意図を込めたプランニングから構造的な裏付けまで責任を持って手がけられる。その「設計としての守備範囲の広さ」こそが、プロとして圧倒的に成長できるフィールドだと確信し、入社を決めました。
ーーインターンシップでの具体的なエピソードはありますか?
一番記憶に残っているのは、3人一組で間取りを作成する課題に取り組んだときのことです。当時、入社後に直属の先輩となる方がつきっきりで課題を見てくださいました。
私は建築専門の学科ではなかったため、周囲の学生に比べて図面の書き方などで戸惑う場面もありましたが、ついてくださった先輩が考え方のプロセスから本当に丁寧に、真摯に教えてくださったんです。入社後も、その時に感じた「人の温かさ」や社風は全く変わりませんでした。この環境があったからこそ、プロとしての一歩を安心して踏み出すことができたと感じています。
異例のスピードで迎えた独り立ち。支えとなった育成環境
ーー入社後はどのようなステップで実務に慣れていったのですか。
最初は先輩の打ち合わせに同席し、隣でじっくりと仕事を見て学ぶところからスタートしました。入社後の半年間は、お客様とのコミュニケーションの取り方や、ご要望をどう引き出すかといったヒアリングのコツを、現場の空気感を含めて吸収することに専念しました。
それと並行して、実務に繋がる図面の描き方も身につけていきました。最初は見よう見真似で描いてみるのですが、先輩からは常に「どういう意図を持って描いているか」を問いかけていただきました。「なぜこの位置に窓を配置したのか」「この動線にはどんな意味があるのか」。一つひとつのディテールに根拠を持たせることの重要性を、日々の対話を通じて深く理解していく過程が自分の土台になったと感じています。
ーー独り立ちまでのプロセスもかなり早かったとお聞きしました。
そうですね。半年を過ぎたあたりから、申請関連の業務や図面の一部修正など、少しずつ実務の一部を任せてもらえるようになりました。
1年が経つ頃にはメインで担当させていただく機会が増え、2年目の後半には完全に独り立ちをしました。今振り返ると、かなり早いスピード感だったと思います(笑)。
ーー確かに早いですね。そのスピード感の中で、プレッシャーを感じることはありませんでしたか?
「なかったです」と言えば嘘になります。ですが、「周囲が広い視野を持って見守ってくれている」という安心感が常にありました。直属の先輩だけでなく、他の先輩方も私の進捗を常に気にかけてくださり、「あの案件は大丈夫か?」と声をかけてくださるんです。
新卒のうちは「これを聞いたら迷惑かな」と遠慮してしまうこともありますが、そこで立ち止まらずに自分から積極的にフィードバックを取りにいくよう心がけていました。そうした自発的な働きかけに対し、先輩方も常に広い視野で、的確な軌道修正やアドバイスを返してくださる。この双方向のコミュニケーションがあったからこそ、萎縮せずに挑戦し続けることができました。
暮らしの最適解を求めて。対話から生まれるプロとしての提案
ーー設計士として、実際にお客様と向き合う中で意識していることはありますか?
お客様の要望をただそのまま形にすることだけが、私たちの役割ではないと考えています。お客様は「リビングは20帖ほしい」「天井を高くしたい」といった具体的な希望を仰ることが多いですが、大切なのは「なぜそうしたいのか」という目的の部分です。
例えば「天井を高くしたい」というご要望をいただいた場合、その背景には「開放感を出して広く見せたい」という本質的なニーズがあるはずです。そこで、単純に天井高を上げるだけでなく、窓の高さを天井のラインと揃えることで、視覚的な閉塞感を無くし、数値以上の広さを感じさせる手法も主体的に提案します。
ーー要望を聞き入れるだけではなく、プロの視点ですり合わせするんですね。
はい。大切なのは、自分のこだわりを押し付けるのではなく、お客様が理想とする暮らしと、プロの視点から見た最適解をいかに高い次元で融合させるか。そのために、ヒアリングの際は「何帖必要ですか」といった聞き方ではなく、「ここではどんな過ごし方をされますか?」といった、日々の暮らしのシーンを細かくイメージしていただけるような問いかけを心がけています。
設計士が直接商談の場に立ち、その場でレスポンスできるからこそ、お客様の不安を即座に解消し、信頼関係を築いていける。この手触り感のあるやり取りこそが、アーキテックスグループの設計の面白さだと感じています。
ーー設計職であっても数字の目標があるそうですが、これについてはどう捉えていますか。
数字という明確な指標があることで、業務の質やスピードに対する意識が高まったと感じています。以前の私なら「設計士に数字は必要なのか」と疑問に思ったかもしれませんが、実際に経験してみると、非常にポジティブな効果がありました。
設計やコーディネーターの仕事は、こだわろうと思えば際限なく時間をかけることができてしまいます。しかし、目標とする数字があることで時間の有限さを再認識し、メリハリを持って業務に当たれるようになりました。限られた時間の中でいかにクオリティを高めるかを考える習慣がついたことは、プロとして大きな成長に繋がっていると思います。
ーー具体的にどのような変化がありましたか?
例えば、構造のやり取りや申請業務といった「決まったルールの中で円滑に進めるべき業務」をいかに効率化するか。そこで生まれた時間を、いかにお客様との対話やプランニングといった「クリエイティビティが必要な業務」に充てるか。この時間配分の意識が、結果として一人あたりが担当できる物件数を増やし、かつ一軒一軒のクオリティを高めることに繋がっています。
マルチブランドという学びの宝庫。ジャンルを越えて知識を吸収する
ーーアーキテックスグループは多くの自社ブランドを展開していますが、設計士にとってのメリットはどんなものがあるのでしょうか?
一番の魅力は、多様なブランドが社内に共存していることで、自分の担当領域を超えた幅広いノウハウに日常的に触れられることですね。
私は現在『SIMPLE is...』というブランドを担当していますが、お客様の中には『もう少し装飾的な要素を加えたい』といった、ブランドの枠を少し超えるご要望をいただくこともあります。そんな時、社内には異なるコンセプトのブランドを担当する社員が必ずいるので、『そのデザインなら、この収まりが良いのでは』とすぐに知見を借りることができます。
リフォーム部門には太陽光や蓄電池に詳しい方がいますし、施工管理からは施工性の観点でのアドバイス、造成部門からは土木の視点から懸念点や経済性のアドバイスをいただけます。複数ブランドを全てインハウス化していることで、一つの会社にいながら、数社分のノウハウに触れられる。この経験の密度は、他にはない強みだと感じています。
ーー最近では、他のブランドにも挑戦し始めているとお聞きしました。
はい。現在は「GROOVY(グルービー)」というブランドの案件にも携わらせていただいています。扱う商品や納まりのルールが全く異なり、正直戸惑うことも多いですが、それがまた新しい学びになっています。
アーキテックスグループには「やりたい」と手を挙げれば、年次に関係なくチャンスをくれるフラットな社風があります。キャリアパスとしてもマルチブランドを経験していくことが推奨されていますし、自分自身も「何でもできる設計士」になりたいという欲求が強いので、この環境は本当に刺激的です。
学び続けることをやめない。プロであり続けるための覚悟
ーーこれまでの仕事を通じて、改めて設計職の難しさと面白さをどう感じていますか?
学べば学ぶほど、自分の知らない領域の広さに気づかされる毎日です。構造、法規、最新のトレンド、断熱性能…。一つの知識を深掘りすると、その先にまた三つ、四つの課題が出てくるような感覚です。
正直に言えば、「終わりがない」という難しさはあります。しかし、それを怠れば現場でのトラブルや、お客様への不利益に直結してしまいます。だからこそ、学び続ける覚悟が必要です。私は現在27歳ですが、この業界では30代、40代でも「自分はまだまだ若手だ」と仰る方がたくさんいます。生涯を通じて成長し続けられる。それがこの仕事の最大の魅力なのかもしれません。
ーー最後に今後の展望を教えてください。
まずは、現在担当しているブランドだけでなく、社内にある全てのブランドを担当できるようになり、どんな要望にも応えられる「引き出し」を増やしたいです。その先には、住宅だけでなく店舗やアパート、さらには構造や省エネといった専門領域にも強い、真のマルチプレイヤーを目指しています。
「Hさんに任せれば間違いない」と言っていただけるよう、一つひとつの物件に誠実に向き合い、お客様の想像を超える暮らしの提案を続けていきたいです。