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10億円以上を調達しているVertical SaaS企業の成長戦略とは【イベントレポート①】

こんにちは!アペルザのコミュニティマネージャーをしています、松本(社内での呼び名は「まつも」)です。

※アペルザがはじめまして!な方へ。

株式会社アペルザは、製造業に専門特化したインターネットサービスを提供している会社です。
製造業は、GDPの約2割、輸出の約9割を占めるなど日本を経済大国へと導き、今なお海外で高く評価されている産業です。そんな製造業ですが、中小企業を中心に「技術力があるにも関わらず知られていない企業や製品」がたくさんあります。私たちは、売り手と買い手をつなぐプラットフォームを提供することでこうした企業や製品が国内外に広く知られ、使われるようになるお手伝いをしています。
(アペルザコーポレートサイトより抜粋)


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アペルザでは先日、株式会社オクト様との共同イベント「10億以上を調達しているVertical SaaS企業の成長戦略を徹底議論」を開催しました!

(以下は終了したイベントの告知ページです)

Vertical SaaSって?
ここ数年のスタートアップにおいて、AI/IoT/VR/シェアリングエコノミー/SaaSと様々なビジネスモデルが注目を浴びてきています。 そんな中で、「テクノロジー×SaaS×特定の産業」と言う観点で、特に注目を浴びているのがVertical SaaS(業界特化型のクラウドサービス)です。テクノロジーの力で既存産業の商習慣を再定義しデジタルトランスフォーメーションを実現していく、そんなSaaSが登場し始めています。
(イベント告知サイトより引用)

参加受付を開始したのが8月中旬のこと。

お盆期間でもあり、「このイベントの存在に気づいていただけるのだろうか……」とハラハラしていたのですが、結果、定員を大きく上回る140名超の方から申込み・お問合せをいただきました!

会場キャパシティの都合で全員をご招待することが叶わず、残念ながら今回ご参加いただけなかった皆様ヘは深くお詫び申し上げます。。
(今回の反響を受け、次回開催も早々に企画予定です! ご期待ください!)

当日のプログラムについても参加いただいた皆様から非常に好評でしたので、この記事ではイベントの様子を詳細にお伝えしたいと思います。


目次

▼投資家がVertical SaaSに注目する理由
▼登壇2社の事業紹介
▼業界の選び方は「市場規模」×「先行する競合の存在」
▼オクトとアペルザの事業開発STORY
▼2社が目指す未来、世界観とは

登壇者紹介

EIGHT ROADS VENTURES JAPAN  村田 純一氏
株式会社オクト          代表取締役  稲田 武夫氏
株式会社アペルザ         代表取締役 石原 誠

投資家がVertical SaaSに注目する理由

モデレーター:EIGHT ROADS VENTURES JAPAN 村田純一氏

村田氏(以下敬称略):我々、EIGHT ROADS VENTURES JAPANは、欧米系の金融機関であるFidelityという資産運用会社の自己資金を活用したベンチャーキャピタルです。皆さんには馴染みがないかもしれないですが、Fidelityのグローバルでの運用金額は年金・投資信託合わせて数百兆円あり、世界有数の独立系資産運用グループです。EIGHT ROADS VENTURES JAPANの特徴は、Fidelityが同族経営(非上場企業)であることを鑑みると、実質的には創業家の資産(の一部)をベンチャー投資として運用していることであり、その規模は全世界で数千億円に上ります。これは他のベンチャーキャピタルには見られないユニークな特徴だと思います。

我々が日本企業への投資可否を判断する際は、日本のメンバーだけでなく、アジアのチームや米国・英国のチームとのディスカッションを経て決定します。非常に特徴のあるLPからお金を預かってベンチャー投資している立場なので、「果たして儲けだけを目的にした投資をする必要はあるのか」と問われることも多く、私としても常に「世の中が前進するような、意義のある投資かどうか?」と自問しています。

これまで、大型調達を発表したプレイドやヤプリのリード投資家として参加させてもらってきました。そして今まさに注目しているのが、Vertical SaaS(業界特化型のクラウドサービス)です。例えば、私が投資にかかわらせていただいたご支援先ですと製造業領域のアペルザ、物流領域のオープンロジ、飲食予約ビジネスのトレタがあります。私の投資担当先だけでも全体で10社以上、合計100億円近くの金額をSaaSの分野に投資させてもらっています。

「なぜそんなにSaaSに投資するのか?」とよく聞かれるのですが、ご存知のとおり、これから日本の人口は一気に減少していきます。それは悲劇的に見ることもできれば、起業家にとってはチャンスと捉えることもできます。日本の産業を考えれば、生産性を上げることは必須。先鋭化した課題感はソリューションの質も先鋭化させます。この日本の危機をチャンスに変え課題解決に取り組むSaaSの起業家は社会にとって大変意義深い存在であり、私にとって大切な投資分野であると考えています。

登壇2社の事業紹介

株式会社オクト 代表取締役 稲田武夫氏

稲田氏(以下敬称略):建築や建設現場の施工管理で使ってもらえるプロジェクト管理のアプリケーションアプリ『ANDPAD』を販売しています。これまでにトータルで24億円ほど調達しているベンチャーです。

建築業は製造業の次に大きく、50兆円ほどの市場です。その中で『ANDPAD』は住宅の建築、リフォーム、リノベーション領域を対象としています。
建築産業は日本でも2位くらいの規模なのですが、日本一生産性が低い産業です。5年後には130万人が退職し、2025年には90万人の人材が不足すると言われています。さらに全産業のなかでも最も高齢化が激しく、3人に1人が高齢者という状況です。

『ANDPAD』は施工管理からスタートし、見積もり、営業管理、図面管理とサービスが広がっています。日本で一番大きな施工建築現場のデータベースをつくろうとしていて、それをもとに建築全体のプロセスを変えていくことにチャレンジしている会社です。


株式会社アペルザ 代表取締役 石原 誠

石原:製造業向けにインターネットサービスをやっています。オクトさんと同じくシリーズBが終わっており、20億円以上を調達している会社になります。私自身は元々キーエンスという製造業メーカーの出身です。

いま日本全国に工場は25万ほどあります。工場ってもちろん設備が必要で、その設備を仕入れる生産設備産業だけで24兆円ほどの規模です。この「生産設備」ですが、巨大な市場であるだけではなく、日本が強みを持っている分野でもあるんです。
みなさんはフォックスコンという会社をご存知でしょうか? AppleのiPhoneのほか、超一流企業の製品を作っている企業です。社長であるテリー・ゴウ氏が名だたる企業からの案件を受注できる理由として「生産設備が日本製であること」を挙げています。世界における日本の生産設備のプレゼンスを感じるエピソードですよね。

そんな生産設備産業をターゲットに、これまでの3年間でカタログポータルサイトや製造業版の楽天のようなサービスなどをつくってきました。製造業はIT化が遅れている産業なのですが、この4月からはそこに必要な武器をSaaSという形で提供しています。

業界の選び方は「市場規模」×「先行する競合の存在」

村田:稲田さんは建築業界ご出身ではないと思うのですが、どんな使命感や課題感があったのでしょうか?

稲田:当初は業界知識も課題感もなかったんです。ただ、一緒に創業したCTOや仲間の勝負に足る、大きなことをやらないといけないというのが起業家としてありました。なので「その山が大きいか」「その山で一番になれるか」という2つを考えていました。
大きな山、つまり日本で大きく変革できる産業ってどこなんだろう? と考えたときに、ヘルスケア、介護、製造、建築・建設……いろいろ浮かびました。そのなかで「一番」というと、例えば飲食のITといえば◯◯、製造のITといえば△△と想起するサービスがあって、でも建築・建設は思いつくものがなかったんです。

村田:なるほど。ということは、製造業で稲田さんと石原さんがガチンコでやっていた可能性もあるわけですね(笑)石原さんの使命感や課題感はどういうところにありましたか?

石原:稲田さんと同じく「スケールする市場」というのは起業するときに決めていました。会社を大きくするためには、大きな市場で戦わないとだめだとキーエンス時代に教わっていたので。
でもちょっとエピソードがありまして、私、キーエンスを辞めてから製造業界を離れているんです。せっかく起業するんだったら自分がやったことがない産業で、自分の腕一本でどれくらい通用するのかを試してみたくて。それで教育産業にいきました。
実は教育産業ってとてもドメスティックで変わりにくいんですね。そこを経験したことで、逆に対比的に製造業っていう市場が見えてきました。比較的海外に出やすい市場だなと思ったんです。
日本の設備産業って先ほどもお伝えしたとおり、とても強いんですよね。キーエンスも海外の売上比率が非常に高い。なので海外に出て行ったときに追い風が吹くだろうなと思いました。もちろん「製造業をなんとかしたい」という気持ちもありましたね。

本質的な価値のあるサービスなら、リテラシーは無関係

村田:基本的にレガシー産業なのでIT化が遅れていて、コミュニケーションコストが高いというか、なかなか話をわかってもらえないといった苦労が多いと想像します。製造業の現場のIT化やリテラシーというのは実際どうなんでしょうか。

石原:建設業と同じように就労人口の平均年齢は高いんですよね。同じように人材の入れ替わりもあります。ただ本質的なサービスってリテラシーを要求しないと思っています。使い勝手とかUX云々とかありますけど、例えばリテラシーの高い低いで設計って変わるんだっけ? っていう。

村田:本質的なサービスを提供していればお客様は理解してくれると。

石原:そうですね。例えば製造業ってみんな複雑な業務システム使いこなしているんです。なのであまり関係ないんじゃないかなと思っています。

オクトの事業開発STORY

村田:稲田さんはどうですか? 会場内から「購入リードタイム」に関する質問もきています。
※当日はsli.doを使用し、リアルタイムで来場者からの質問を受け付けていました!

稲田:購入までのリードタイムは、3ヶ月くらいです。導入難易度が高いという感覚はないですね。
ただし拒否反応はありました。最初はあまり好かれなかったんです。実は競合にあたる、業界出身の社長さんが作ったサービスがあるのですが、その社長さんを応援したいとか、付き合いがあるからみたいな感じで断られるケースが結構ありました。
ただそれで心が折れるとかはなくて、「どう解決しよう」としか考えていなかったです。大きな産業なので時間がかかるのは間違いないと思っていて。最初に「3年やろう」って決めていたんですよね。
と言いつつ、業界の拒否反応は結構あったので、途中でセールスを諦めました。そうすると結果的にプロダクトに集中できたんです。徐々に状況も変わって、「『ANDPAD』品質いいじゃん」といった声が聞こえてくるようになりました。


来場者からの質問

Q.PMF(プロダクト・マーケット・フィット)までどういう風にプロダクトを改善していったのか?

稲田:よく聞かれるのですが、ずっとPMFしてるって思っています。今日会場に来る前も製品の会議をしていました。
初期に解決したかった課題は1つで、現場監督の業務をいかにラク、かつ楽しくできるかということ。これを実現するための機能を洗い出しました。ただ「売るため」に必要な機能もあるんですね。それも作りきりました。創業当時にお客様が3社いて、1年間は作っては見せての繰り返し。回答としては「ある程度機能を充実させてからローンチしています」です。

アペルザの事業開発STORY

村田:アペルザも参入時に拒否反応などがあったりしたのでしょうか?

石原:製造業っていうのは「ものづくり」の産業なので、「つくる」ことは一生懸命やっても「売る」ことには一生懸命じゃない会社が多くて。売ることを頑張ること自体に拒否反応があるというか。我々にとってはそこが一番のハードルでした。
キーエンスという会社は、ほかの会社さんに比べると割と早い段階で「売る」ことに対して投資をしていました。彼らがある意味「売ることに投資すること」の意義を証明してくれたので、それが追い風となって理解が進んでいるんじゃないかなって思っています。


来場者からの質問
Q.PMF(プロダクト・マーケット・フィット)までどういう風にプロダクトを改善していったのか

石原:BtoBのSaaSの場合は、プロダクトをつくって、マーケをやって、集客すれば売れるっていうのはちょっと幻想でして、結構ちゃんと営業しないといけないんです。仮にいいプロダクトをつくって正解を掘り当てたとしても、それだけでは多分売れないですね。
我々のサービスにちょっとおもしろい機能があるんです。製造業って製販分離でして、メーカーは売りません。代理店や特約店のような商社が売るんです。で、メーカーがカタログなどのコンテンツをつくるのですが、売るのは商社なのでそのコンテンツを使いたいのは商社のはず。そこを紐解いて、メーカーがつくったコンテンツを我々のデータベースに掲載いただき、それを商社が使えるような仕組みを作りました。
現在とても好評いただいている機能なのですが、実は1年くらい全然売れませんでした。うまくいったのは先ほど言ったとおり「営業」がきっかけでした。上手な伝え方っていうのを生み出すことができたんです。なのでプロダクトの開発と売り方、この2つをチューニングかけるっていうのがPMFになってくると思います。

2社が目指す未来、世界観とは

村田:やっぱりこの先に「こうなってほしい」みたいなものを描けていないと続かないんじゃないかと思います。石原さんはどういう世界観をイメージしていますか?

石原:私がキーエンスを辞めたのは2014年なのですが、その年のこの業界のビッグイベントは「アリババの上場」でした。当時アリババのサービスを見て、「1対n」だと思いました。中国が1で、グローバルの国がnです。つまり、中国の売り手に対して、買い手がグローバル。中国企業にとてもメリットがあるプラットフォームということです。
日本にも同じようなプラットフォームがあって然るべきだと思ったんです。世界で見ても日本の製造業は強いわけなので、日本の製造業をもっと海外に出していって活気をもたらしたいと。なので「アリババに追いつきたい」ですね。

村田:実は我々EIGHT ROADS VENTURES JAPANは、アリババの90年代のシリーズAのときにリードインベスターとして関わってまして。そのときの担当者が現在も投資委員会に参加しているんです。で、アペルザさんのディスカッションの中で「この会社はアリババになるのか?」って話が出てて。石原さんにそういうインスピレーションがあったことは知らなかったので、今聞いていてうれしかったです。
建設業界は過渡期で、まだまだ変わっていけると思うのですが、稲田さんはどういう世界を目指していらっしゃいますか?

稲田:我々には「建築とか建設産業で働く人すべてを幸せにする」という明確なミッションがあります。
そもそも『ANDPAD』なのですが、TrelloやJiraのような、1つのプロジェクトを複数の法人でコラボレーションしながら管理していくソフトの建築・建設業版です。現場の監督、大工さん、電気工事・水道工事の方、流通会社など、関わる人すべてがこのアプリ上で会話していくという。今まですべてばらばらで、電話とFAXのみで仕事を進めていたのですが、それをフラットな情報共有の仕組みに変えていこうとしています。
いま『ANDPAD』上には6万人くらいの職人さんがいて、プロジェクトは160万件ほど存在しています。つまりこの先、あらゆる建造物のデータと、ユーザ様の稼働データが溜まっていくことになります。
過去の施工の履歴をトレーサビリティとして残すことにすごく価値があって、さらに日本中の建造物の品質データが蓄積すれば「何ができるか?」みたいなことが考えられるようになります。

(後半に続きます。)



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