入社後すぐに、大手顧客のカスタマーサクセス(以下CS)業務に加え、アカウントマネジメント(以下AM)業務にもチャレンジしている鈴木さん。入社半年が経ち、本格的にAMチームへ異動した彼女は、これからCS業務を超えアップセル・クロスセルに挑戦しています。今回の記事では、建築・建設業界、CS業務未経験から活躍する鈴木さんが、どのように仕事で信頼を勝ち取り、仕事の意義を見出していったのかに迫りました。
鈴木 菜々子 ビルディングエンタープライズカンパニー アカウントマネジメント部
新卒で人材派遣会社へ入社。物流/製造業界の企業へ営業・企画職として従事。その後 2025年6月にアンドパッドへカスタマーサクセスとして入社。ビルディング領域の顧客に対して、プロダクトのオンボーディングや導入支援に従事。2026年から業務領域を拡大し、顧客のビジネス成功のためプロダクト提案などにもチャレンジ中。
業界の発展を支えたいという情熱が伝わった
――転職活動に至った理由を教えてください。
私は業界の発展や成長を支える仕事がしたいと思い、転職活動を決意しました。前職では、人材派遣会社にて物流倉庫や食品工場に人材を派遣する部署で営業をしていました。当時ぶつかっていた壁は、どんなに人材支援をしても現場が逼迫している状況は変わらない、ということです。そこには、業界全体でDXが進んでいない背景がありました。紙で勤怠を管理している企業では、書類を紛失して請求が滞ってしまい、スタッフに正しい給料が払えないといった労働トラブルなどが日常茶飯事でした。この前職での経験が根底にあり、業界全体の変革に直接つながる支援がしたいと思うようになり、建築・建設業界に興味を持ちました。
――アンドパッドの入社の決め手は?
アンドパッドに入社した決め手は、最終面接です。会社の説明をはじめ、CSがアンドパッドになぜ必要なのかといった目的や存在意義を、熱意を持って語ってくださったのが決め手になりました。印象的だったのは、『CSの仕事は、お客様の表層的な要望に応える仕事ではない』という面接官の言葉です。『お客様以上にお客様を知り、お客様が気づいていない問題まで可視化していく仕事だ』と説明を受け、アンドパッドのCSは顧客への入り込み方が全く違うのだと気づきました。このお客さまへのスタンスは、他社ではありませんでしたし、「会社の行動価値を理解した上で、入社を判断してほしい」という採用のスタンスが心に響きました。アンドパッドが目指す方向と、業界の発展の役に立ちたいという私の思いとリンクしていたので、入社を決めました。
――鈴木さんは業界も職種も未経験で入社されましたが、入社前に不安に思うことはありましたか?
はい、正直ありました。しかし、現場の方との面談で一つひとつ丁寧に説明をしてくれたので安心感につながりました。例えば、所属チームには、業界未経験出身のメンバーが多いのですが、研修のカリキュラムが充実しています。また助け合いの文化や賞賛の文化、情報のシェア文化が根付いており、定期的な勉強会を含め、成功・失敗体験を日々メンバー間で共有しています。出社したらメンバー間でカジュアルに会話できますし、業務上の課題について時間をとって一緒に相談できる環境だと聞き、魅力に感じました。すでにアンドパッドが目指す方向性、CSが担うミッションはイメージできていた中で、どのようなメンバーがいて、どのようにコミュニケーションを取っているのかといった、求人の概要欄に載っていない職場の空気感についても面談にて話を聞けて、非常に魅力的に思えました。
私の仕事観として、仕事はスキル向上や給与といった自分のためより、誰かの役に立ちたいという思いが根源にあります。私のアクションによって、ちょっとでも周りが助かることがあればとても嬉しいと思うタイプなので、アンドパッドなら実現できるのではと思い業界も職種も未経験でしたが、勇気を持って一歩踏み出しました。
CSは、プロダクト導入のその先を見据えている
――入社後に感じた印象やギャップを教えてください。
まず一つ目は、お客様に対して深く入り込むスタンスです。もともと面接で聞いていた情報でしたが、想像以上でした。お客様のANDPADの運用開始までの準備期間は約2ヵ月。その間に、お客様の事業内容から組織構成、業務の内容、業務フローを隅々まで把握し、ANDPADをどのように使っていくかという協議を経て、説明会を開催します。アンドパッドではこの2ヵ月を、非常に重要なフェーズとして捉えていると感じました。その理由は、お客様にANDPADが定着するまで使いこなしていただく意思があるため。お客様の業務にプロダクトが100%定着するよう伴走していくスタンスの徹底は、良い意味でギャップを感じました。
二つ目は、私が考えている以上に、DX実現への取り組みを真剣に考えていらっしゃるお客様が多かったことです。建築・建設業界の方々、特に現場の方々はスマホアプリでの操作に苦手意識を持っていらっしゃるのではないかとの思いがあり、導入説明会の際は非常に不安でした。しかし、お客様と打ち合わせを重ねる上で、「現状のままではダメだ」「業務改善やDX化をしないと最終的に会社の存続に関わる」「DXが必要だと思っていてもなかなか形にできない」という課題意識を持っておられて、「ぜひ助けてほしい」というお声をたくさん寄せていただいています。説明会の際も、みなさん集中して説明に耳を傾けて、「これはすごい」と写真を撮ってくださることもあり、非常に反応が良くて驚きました。
――DXを前向きに捉えるお客様が多いからこそ、建築・建設業界や業務内容、プロダクト理解が深くないとお客様の熱意と対峙できないですよね。
壁にぶつかったタイミングは、まさしくその点でした。特に入社後は業界やプロダクトの理解が浅かったため、お客様の「こういうことがしたい」「こういうことに困っている」という声に対して、即答できないことも多々…。一番歯がゆかったのは、要望を満たす機能の説明はできたものの、最終的にそれが課題の改善になっているかまで、考えが及ばなかったことです。
――具体的にどのようなことがありましたか?
「紙で提出していた日報を、ANDPAD上で提出できるようにしたい」という要望を受けたときのことです。もちろんANDPADに日報提出の機能はありますが、紙からWebに置き換えることで、お客様は何を望んでいるのか?という深堀りができていませんでした。
というのも、現場側から見ると、日報の提出方法が紙からWebに変わったことで、事務所に帰る必要がなくなるため楽になります。しかしバックオフィスでは日報を通じて、作業員数の集計をしていました。見え方が紙からWebに変わっただけで、情報自体は変わりません。Webだからといって人数カウントの合計値が出るわけでもなく、相変わらず集計は手作業で行っていました。会社全体で見たときに、日報のWeb化が100%良い機能かと言ったら、そうとも言えません。日報の本来の目的が人数集計や原価管理だというところまで把握できていたら、集計までを考慮した提案ができたのに、と悔やまれました。
――表層的なニーズを解決するのではなく、インサイトを知る重要性に気付いたわけですね。それは、どのように乗り越えましたか?
先輩に相談をする中で、大きな気づきがありました。先輩に同席いただいた打ち合わせで腑に落ちたのは、「業務の置き換えがDXではありません。徹底的に業務改善をしていきましょう」という言葉。例えば、昔から日報に今日の気づきを書く習慣があっても、誰も読んでないのであれば意味がありません。その視点を持つようになったことで、お客様がANDPADを使って叶えたい願望の“先にある成功”に向かって、我々はどう支援ができるか?という目線で少しずつ動けるようになってきたと考えています。前職では、「こういう人材が欲しい」というニーズに応えることがゴールでしたが、アンドパッドではニーズに応えるだけでは通用しないと日々実感しています。
――日々どのようなことを心掛けていますか?
本当にシンプルではありますが、お客様の会話一つひとつに対して、「なぜそうなのか?」と考えることです。お客様に質問する際も、こちら側の意図や背景をご説明するようにしています。そうすることで、自然とお客様とのコミュニケーションが深くなっていきました。
先ほどの日報の件で悩まれていたお客様に細かくヒアリングをしていくと、「日報も正直なところ意味がない」「なんとなく昔から続けていた」「前任のやり方が引き継がれてきてしまった」という意見が出てきました。打ち合わせを重ねたことがきっかけで、「我々もなんとなく続けていたことが可視化でき、自社の業務フローを隅々まで見直す貴重な時間になりました」「僕らが課題や問題として意識していなかったところまでちゃんと形にしてくれたので感謝しています」「細かいヒアリングがなかったら、ただデジタルに置き換えるだけで、業務改善にはなっていなかったと思います」という嬉しいお言葉を寄せていただきました。私が意識してきたところが少しずつ実を結んでいるのかなと実感しています。
――ちなみに、前職の経験で活きたことはありますか?
色々な立場の方とのコミュニケーションです。前職の取引先である物流倉庫では、センター長をはじめ、現場のリーダー、総務、人事…さまざまなポジションの方と接点を持っていました。「こういう人材がほしい」と依頼の際に、現場と経営層でギャップが生まれることも多く、色々な視点で問題を捉え、調整する必要がありました。
アンドパッドでも、工事部の部長、現場のリーダー、DX推進部の方など、多種多様な立場の方と接点を持つ機会があります。それぞれの立場を理解しながら、共感しつつ、みなさんに納得いただける提案や運用において、前職の経験が活かせているなと感じています。
徹底した顧客理解が、事業成功のカギに
――入社半年が経ちましたが、仕事のスタイルに変化はありましたか?
入社当初はオンボーディングのマニュアルに沿って進めていたのですが、今では初回の打ち合わせに聞くべきことを整理し、アジェンダを組み直すことで、より質の高い情報をヒアリングできるよう工夫しています。
最近AMチームに異動して感じているのは、最初の打ち合わせが肝心だということです。初回でANDPADの機能説明をするのではなく、まずはお客様企業を知ることに振り切る。次回は現場の詳しい業務を知る、という形で打ち合わせの使い分けが、入社当初と今で変わりつつあります。その結果、お客様の反応も変わりました。「最初の打ち合わせは簡単な顔合わせだと思っていたけれど、色々と質問をして会社を知ろうとしてくれるのが伝わって嬉しかった」という感想をいただくことが増えた印象です。
――初回に目線合わせをすることが重要だと。
お客様の経営にどのような影響をもたらせるか、という“その先”に向けて動くことが、最終的にANDPADの定着もそうですし、その先の事業成功にもつながると思います。なんとなく使っていただいている状態だと、必要性が疑問視される可能性もありますし、プラスでの提案も受け入れていただくことはできません。この“なんとなく使う”を打破するためには、最初の打ち合わせでの深い理解と目線合わせが重要だと実感しています。
――現在は、オンボーディングだけでなく、お客様に必要な追加の提案にも挑戦していると聞きました。
異動によって、より大きな規模の企業を担当することになりました。今までのお客様とは規模が全く異なりますし、業務内容も変わるので、これまでとはまた違う壁が出てくるだろうと考えています。例えば、中長期的なプロダクト提案も必要になるので、支援の仕方が変わってくるだろうなと。規模や商慣習も変わりますし、パートナー企業などの関係性も複雑になります。これまで学んだオンボーディングとは異なりますが、蓄積してきた学びが活かせないわけではないと考えています。
AM経験を積み、CSのプロフェッショナルを目指す
――この先のキャリアを踏まえ、将来的にチャレンジしたいことについて教えてください。
アンドパッドのCSに従事したくて入社し、仕事のやりがいを実感する中で、よりCSを究め、プロフェッショナルを目指したいという目標を持つようになりました。その目標を叶えるために、今回AMチームへの異動を希望した次第です。AMや営業という視点を持つことで、お客様にさらにプラスとなる提案ができるはず。そして最終的にはCSチームに戻り、お客様から頼られる存在になっていきたいと考えています。
――鈴木さんが考える、CSのプロフェッショナルとは?
まずはお客様以上にお客様を知り、お客様が気づかなかったことを可視化する。その上で、ANDPADを使った先にどのような成果を生み出していくか、というお客様の経営における中長期的な成功を見据えられる人です。プロダクトを使っていただく、現場に定着させる、という目先の目標を置くのではなく、お客様が目標としているテーマや、事業の発展に向けた活動がどれだけできるかが、CSのプロフェッショナルには必須だと思っています。
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鈴木さんの上長にも話を聞いたところ、入社直後から規模の大きなクライアントを任せることになり、従来のサクセス領域のオンボーディング業務だけでなく、アップセル等の提案活動も担当範囲となり、高いハードルがあったそうです。しかしながら、お客様のサクセス実現のためにどんなアクションができるのか、を考える視野の広さが大きな武器になったとのこと。そのための入念な事前準備や不明点の早期相談など、素直さと責任感を持った行動が、お客様の信頼獲得につながり、成功事例として自信になっているのではないか、と話してくれました。『お客さまの要望の背景にはどんな課題があるのか』という視点から物事を捉えるスキルや経験をより磨くために、入社半年が過ぎた頃、自らAMチームへの異動を申し出てくれたそうです。今後はCSのプロフェッショナルとして、よりお客様の経営に沿ったDXを実現していくための提案を磨いていってほしいと思います。