SMB領域のDX支援でNo.1を狙うアンドデジタルが目指す将来の展望。新社長の津田 翔平×COOの堀川 工望による若手経営者対談
2023年4月にアンドデジタルの代表取締役社長に就任した津田 翔平とCOO(Chief Operating Officer:最高執行責任者)の堀川 工望。2016年に新卒同期入社した20代の二人は、これまでどのようなキャリアを積んで、今回の抜擢につながったのでしょうか。新体制で生まれ変わったアンドデジタルが目指す将来の展望とともに二人に伺います。
アンドデジタルを3年以内に市場で認められる会社に
――まずは津田さんがソウルドアウトグループに入社してから、現在に至るまでのざっくりとした歩みを教えてください。
津田:僕は入社時からずっと、中小・ベンチャー企業に貢献したいという想いを持って「経営者になる!」と公言してきました。そのために今するべきことを考えて、一歩一歩キャリアを築き上げてきました。マネージャー、部長、本部長と順調にステップアップしてきましたが、それも自分の夢を言い続けてきたことが大きかったと思います。
入社時は周囲から「なんだか元気のいい社員が入ってきたな」くらいに思われていましたが、日々の業務で成果を上げていく中でだんだんと信頼を積み重ねて、多くの人の協力を得ながら今に至っていると感じます。
――経営者になるという夢は入社7年目で実現させましたが、その大きな要因はどこにあると考えていますか?
津田:やはりメンバーの存在が大きいですね。皆、年齢が近いので普通の管理職とメンバーというよりは、チーム一丸となって一緒にここまで上ってきた仲間のような存在です。正直なことをいうと、最初は入社3年くらいで辞めるつもりだったんです(笑)。けれども、メンバーに恵まれて仕事も楽しかったのと事業のやりがいを感じて、この会社に残ることを決めました。そして、残るのであれば20代で役員になるという、新たな目標を立てたんです。現在29歳ですが、その夢はギリギリで実現することができました。
――入社から3年で辞めるという考えは、周囲にお話ししていましたか?
津田:はい、それは採用面接でも伝えましたし、それでも採用してくれる会社に入社したいと考えていました。ソウルドアウトグループであれば自分の夢も実現できるだろうと考えて、入社を決めました。今はアンドデジタルをどうやって成長させるかということしか考えていません。3年以内に市場で認められる会社にしたいです。
――津田さんの考える「市場で認められる会社」の定義を教えてください。
津田:二つあります。まず一つめが、三カ年計画で建てた数値目標をしっかりと形にしていくこと。SMB(Small and Medium Business)といわれる、中小・ベンチャー企業を対象にDX支援を行っている企業は我々以外にほとんどありません。そのマーケットで圧倒的な成果を出せれば、他社にはない優位性が出てくるでしょう。
もう一つはビジネスモデルをブラッシュアップして、クライアントに認めて頂くことです。「SMBがデジタル・データを活用するのであれば、アンドデジタルに依頼するのがベストだ」。自分の顧客がそういった想いで、新たなお客さまを紹介していただけるような存在になることを目指しています。
カシカの開発をきっかけに、同じプロジェクトに携わるように
――続いて、堀川さんの入社からこれまでの歩みを教えてください。
堀川:実は僕も「3年ぐらいで辞めようかな」なんて舐めた考えで入社したタイプなんです(笑)。僕の場合は地元に戻ることを考えていたので、それも面接時に素直に伝えています。津田と同じく、それでも採用してくれる会社がいいと考えていたので、最初に内定をもらったソウルドアウトグループなら自分のやりたいことができると考えて入社を決めました。
入社してからは東京のオフィスでWeb広告のコンサルティングに従事していましたが、4年目のときに高知県の四万十にデジタルオペレーションセンターを立ち上げることになったんです。そこでセンター長として初めて管理職に就いて、現在のアンドデジタルにつながるデータ関連の業務に関わるようになり今に至っています。
――アンドデジタルの主力サービスである「カシカシリーズ」の開発に関わるようになったのはいつ頃でしょうか?
堀川:四万十に行く半年ほど前から、社内のデータを活用するためのツールを開発するという動きがありました。そこから事業化の流れにつながり営業担当として津田もジョインして、アンドデジタルが設立されて二人とも移籍することになったんです。
真逆の印象だけど、仕事に関する熱い想いは共有している二人
――今回の社長とCOOへの抜擢を初めて耳にしたときの心境を教えてください。
津田:僕は意外と冷静でしたね。良くも悪くも感情の上下がなかったというのが本音です。
もちろん、そこまでには紆余曲折があり大変な思いをしてきたので、必ず事業を大きくして中小・ベンチャー企業の皆さまに貢献していきたいという覚悟が強くなりました。そして、取締役に堀川がいるということで安心感もありました。入社の時から頭の切れる存在でしたので、彼と一緒ならこの事業を成長させられるなと。
堀川:僕はぜんぜん想定していないお話しだったので、即答はせずに「津田と相談させてください」と返答をしました。実際に津田と話してみると彼の目指す方向性と自分の目指す方向性が近い事を改めて認識しました。彼が社長であれば大丈夫だろうと。あとは現場で頑張っている多くのメンバーの姿を見てきたので、自分も責任のある立場になる時期が来たんだなと考えてオファーを受けました。
――お話を聞くと二人は対照的なタイプに見えますが、お互いの印象はどうでしょうか?
津田:僕が攻めで堀川が守りという見られ方をよくしますが、意外と似ている部分もあると思います。ポジションに違いはあれど、二人ともサービスの改善や事業をスケールさせることの必要性を感じていますし、本質的に考えてることは同じです。でも、日頃のキャラや見た目の部分で対照的に捉えられている部分もあるかと感じています。
あとは、どう見ても堀川の方が見た目真面目に見えるんですけど、俺のほうが真面目なんじゃないかとちょっと思ってます(笑)。
堀川:同期なので入社時からの付き合いですが、津田は明らかにクラスのリーダー格なんですよ。確かに僕らは真逆のキャラに見られがちですが、津田もいうように仕事に関しては同じ想いを持っていますし、ある程度意見が異なったとしても、同じ方向を見ていれば経営は上手く進むと思っています。
それと、確かに津田のほうが僕より真面目だと思います(笑)。今回も社長になると決まってからは、ものすごい本を読んで勉強したり、経営者の人に話を聞きに行ってますから。自信の裏には皆をけん引することに対しての不安もあるはずです。
津田:確かにプレッシャーはあります。博報堂DYグループの中だと、自分は若いということもありますし、お客様に貢献するにも経営者としてのレベルを上げていく必要性を感じています。ただ、プレッシャーを感じるのは自分だけでいいと思っています。成長事業なのでメンバーにはもっとチャレンジしてもらいたいし、そういった環境をつくるのが僕の役割です。
――今回の就任についてお客様からの反応はどのようなものでしたか?
津田:この分野では若いほうがプラスの印象があるのか、嬉しいことに不安を感じるといった反応はなくて皆さんから祝福していただきました。何度も何度も顔を突き合わせてやってきたので、頑張ってきた甲斐がありましたね。
売上は前年比から倍増でも、現状に満足せず新サービスの開発を視野に
――新体制になったアンドデジタルの現在のフェーズについて教えてください。
津田:現在のアンドデジタルは事業再編をしてデータインテグレーション事業(デジタル・データ活用)に注力していきます。デジタル・データ活用の分野に絞って徹底的に勝ちを狙っていきます。おかげさまで売上は前年比で倍近い成長を遂げていますが、単一の事業だけでは僕の考える「3年以内に市場で認められる会社」になることは難しいでしょう。
地方企業にはまだまだデジタルツールを導入できておらず、データを所持していない企業が多く存在します。そういったお客様をサポートできる新たなサービスを生み出し、既存のサービスもより生産性を向上させていきます。現状は既存サービスを強化しつつ、未来のために投資するフェーズと捉えています。
堀川:これまで続けてきたことの成果がようやく出始めているかと思います。現状は労働集約型のビジネスで、人を増やせばそれだけ成果も上がるスタイルですが、レバレッジが効きません。会社としてもっと営業利益を求められたら、より生産性の高いサービスが必要になります。今あるサービスは伸ばしつつ、次のプロダクト、サービスをつくるフェーズに来ています。現状に満足せず、気を引き締めてやっていきます。
若手の挑戦を後押しする企業風土
――現在のソウルドアウトグループには4つのカンパニーがありますが、今後の成長において増える可能性があります。そうなると経営陣に抜擢される若手も増えるかと思います。お二人に続き経営陣を目指す後進に対してメッセージをお願いします。
津田:僕が今の立場にいるのは、この会社には若手の挑戦を後押しする風土があって、僕が以前から抱いていた「地方の中小・ベンチャー企業の皆さまのために貢献したい」という想いを実現できる企業ドメインだったからです。僕はここまで会社に育ててもらったと胸を張っていえますし、この先も成長していく自信があります。
そして、同じ志を持つ仲間の存在も大きいです。なにか辛いことがあっても乗り越えられたのはいつも仲間がいて、自分の夢という明確な目標があったからです。日本全国のSMB企業に貢献したいという志のある人には、ぜひともその夢をソウルドアウトグループで叶えて欲しいですね。
堀川:僕は津田と違ってぜんぜん想定していなかったキャリアを歩んできました。そう考えると、この会社にいたからこそ成長の機会が与えられたわけです。最初から「○○になりたい」といった目標がなくても、日々の仕事でお客様に提供する価値を高めていけば、その姿勢は必ず評価されますし、チャンスがあれば上を目指すこともできます。
自分が経営やマネジメントに向いてないと思っていても、そう決めつけずに上の立場になると自分の想像していない違った景色が見えるはずです。自分はこういうタイプだと決めつけずに、どんどん挑戦してもらいたいですね。
津田:ソウルドアウトグループで働く人たちは、お客様の成果を上げたいという気持ちを持って業務にあたっています。マネジメントはただの役割の話ですから、現場のプレイヤーとしてお客様に貢献をして、大きな評価を得ている人間も多くいます。日々の仕事で成果を出せば、必ず結果はついてきます。