現在、地方創生の文脈で「関係人口」や「二地域居住」といった概念が注目されており、全国の自治体や企業でも、これらを取り入れた施策の展開が加速しています。観光や移住といった従来の枠組みを超えて地域と多様に関わる人々は、地域の未来を共に支える新たな担い手として期待されています。

新たな地方創生のアプローチに関心が高まる中、この領域に注力する当社のチームに、新たに加わったメンバーがいます。

法人事業本部 第2事業部（関係人口ユニット）部長の星 久美子は、「都市と地方のつながりを生み出す仕事に携わりたい」という想いを軸に企業、NPO、一般社団法人での経験を重ねたのち、当社にジョインしました。

星がこれまでどんな想いをもって、どのような活動に取り組んできたのか、そして今後実現していきたいこと、また自身が実践する二拠点での生活についても聞いてみました。

（この春から仲間に加わった星に、話を聞きました）

―これまでの経歴を教えてください。

もともと「都市と地方をつなぐ橋渡しをしていきたい」という想いがあり、それを軸に就職先も探していました。

そこからまずは企業に就職をして、地域コミュニティサイトの新規事業立ち上げ、企画やマーケティングを担当しました。その後、学生時代にボランティアをしていたNPO法人にて移住支援、広報やイベントの企画相談等、幅広い業務を経験させていただきました。

2011年3月、NPO法人在籍中に東日本大震災が起こりました。あの時、東北を離れられた移住者の方々も一定数いらっしゃって、でも逆に地域に残り続けた方々もいたんですよね。そういった方々から直接話を聞いていると、地域との関係性を作ることってやっぱりすごく大事なんだと改めて実感しました。そしてそれぞれの興味や価値観にフィットした地域を見つけるための支援を行っていくには、いかにいろんな地域との接点を作っていくかが重要だと思いました。また移住支援を続けていく中で、どうしたら地方や移住に興味がない層にも関心を持っていただけるかということも考え始めました。

そこからは一般社団法人で東北の被災地などの地域と企業の事業マッチング、その後は企業での地方創生事業立ち上げに携わり、空き家の担い手育成等を行ってきました。また、企業内の地域活性化起業人制度で福島県磐梯町ではまちづくりのプロジェクトマネージャーとして、埼玉県横瀬町では地域と企業の橋渡し役となる官民連携のコーディネーターや二拠点居住に関する計画づくりにも関わってきました。

（磐梯町の総合計画ワークショップの企画運営にも携わったそう）

―これまで一貫して地方に関わる仕事をされていますよね。そこに興味を持ったきっかけが何かあるんでしょうか。

私がまだ学生だった頃に、母が地元で直売所の立ち上げを行ったんです。その時、都市部の方々と農家さん達が生き生きと交流する様子を目にして、そこが多分自分の原体験としてあります。

地方に住む方々って、自分たちの住む地域には魅力がないと思っている方々もいらっしゃって。でも、それが都市部の方々との関わりを持つことで、自分たちの住む地域の魅力に気づけることがあるんですよね。そんな風に地方に住む方々が、自分たちの誇りを取り戻す瞬間に立ち会えたように思います。

高校生の頃から、こうしたつながりを生み出す仕事がしたいと考えていました。地方に暮らす方々が、自分たちの地域の魅力に気づけるような方法を探しながら、これまで私は自分のキャリアを積み重ねてきたのだと思います。

（地元の福島県会津若松市）

―これまで、地方が抱える課題に対してあらゆる方向からアプローチされてきたんですね。そういった経験を経て、雨風太陽に入社を決めた理由を教えてください。

関係人口創出や二地域居住を推進していくために本気で取り組み、長期的に成り立つ事業を作ろうとする雨風太陽の姿勢に共感したからです。

日本の人口がどんどん減少している中で、移住に関しては人の奪い合いみたいになってしまっているところがある。そこを移住とはまた違った形で地域外の方々との交流を維持することで、地域が存在し続けられる状態をどうやって作れるかというところにコミットしたいという想いもありました。

雨風太陽であれば、地域と多様に関わる新しい仕組みを作り、それを社会インフラとして根付かせていくための事業作りができるんじゃないかと思い、転職を決めました。

―ご自身が思い描く「社会の仕組み」の実装を目指して当社を選んでくれたんですね。現在所属している法人営業部門第2事業部（関係人口ユニット）はどんな分野を担当としているんでしょうか。

法人営業部門内は2つの部に分かれていて、食に関わる案件を第1事業部（食ユニット）が、私の所属する第2事業部（関係人口ユニット）はそれ以外の幅広い案件を担当しています。

私はマネージャーとして自治体への企画提案から事業推進、全体の管理、事業戦略策定などの業務を担当しています 。その中でも自治体のニーズに応じた提案を行い、半年から1年かけてプロジェクトを推進する仕事がメインになっています。

―どんな時に仕事のやりがいを感じますか？

地方創生分野において、関係人口やふるさと住民票、二地域居住等の新たなアプローチに注目が集まっています。そういった中で従来の移住・定住とは異なる取り組みに力を入れていかなければと、課題意識を持っている自治体さんが非常に多いと感じています。

当社に期待をしてくださっている自治体さんと一緒に事業設計から企画をしたり、伴走させていただいたりと、課題解決のために共に取り組んでいけるところにすごくやりがいを感じています。

（「雨風太陽ならではのアプローチで、地域の課題解決のために共に取り組んでいけるところがやりがい」とのこと）

―従来とは違ったアプローチを求められている中で、いま当社に求められていることは何だと思いますか？

これから私達に求められるのは自社のサービスの強みを活かした事業開発だと思っています。

例えば食を通じて都市と地方をつなぐポケットマルシェ、実際に地域に足を運んでもらうためのSTAY JAPAN等、こういったサービスを軸に、地域や自治体と対話しながらロールモデルを作って実装していく。こういった仕組みづくりと提案力が自分に求められていると感じています。

―今後の目標について教えてください。

私が今取り組みたいと考えているのは、関係人口やふるさと住民登録制度のような新しい地域との関わり方を、持続可能な仕組みとして社会に根づかせていくことです。

そのためには制度や事業をきちんと成立させ、パートナーとなる自治体を増やしながら、社会にとっての当たり前の仕組みにしていく必要があります。

地域の方々にも納得してもらえるような形で、「この人たちなら地域に関わってもらいたい」と思ってもらえる、そんな仕組みを一緒に作っていきたいと思っています。

―私生活についても少しお話を伺いたいです。ご自身で、都市と地方を行き来する二拠点生活をされているんですよね。

現在は週の半分は埼玉県横瀬町、それ以外は家族のいる都内の家という感じで過ごしています。横瀬町では、地域おこし協力隊等の外部人材に関わるサポートをさせていただいたりもしています。

―二地域で暮らすことのメリット、デメリットはありますか？

メリットでいうと、まず第一に本拠地以外の地域、そして人とのつながりが生まれることです。子ども達を横瀬に連れていくこともあるんですが、そういった時に新しいお友達ができたり、生産者さんや地域の方々と触れ合ったりと、現地の方々との接点が持てるところに大きな価値を感じています。子どもたちにとっては第二の故郷のような感じです。

そして次に、地域での活動を通して自治体の視点を持てることです。民間側の立場だけでなく、異なる視点から物事を考えられるため、それが自治体さんとの事業づくりに生きています。

デメリットでいうと、時間・交通費などの移動のコストがかかることがあります。これまでも二地域居住の推進に関わってきていて、共通課題だと感じています。今、国の方でも全国二地域居住推進プラットフォームが発足し、雨風太陽としても負担軽減部会として代表の高橋が、先進的に取り組んでいる自治体や企業と議論していますので、負担軽減につながる仕組みづくりを考えていきたいです。

ですがそうした負担があっても、それ以上に得られる価値が大きいと実感しています。地域での実践を通じて得た知見、経験は、仕事にも家族の暮らしにも良い影響を与えてくれています。

―現在募集中のポジションに興味を持っている方へメッセージをお願いします。

このポジションで重要なのは、地域の思いや抱える課題に丁寧に向き合い、自治体や住民と一緒に、持続可能な事業の形を探っていくこと。

これから先、もしも日本から地方がなくなってしまったら、都市だけではきっと立ち行かなくなるはずです。決して簡単な仕事ではありませんが、新しい日本の在り方、都市と地方が支え合う新しい形をつくっていける、やりがいのある仕事だと思います。

パッケージ化された商品や支援ももちろん大事ですが、それ以上に地域と未来を語りながら、仕組みそのものを共に考え、つくっていける人。また自分自身が地域に飛び込んでいきたいという意欲があって、そのための仕組みづくりに挑戦したい人。そんな人にぜひチャレンジしてほしいです。

・・・

雨風太陽では一緒に働く仲間を募集しています。下記リンクより詳細をご確認ください。

www.wantedly.comコンサル営業｜地域資源×経営資源で、顧客ニーズに応える地方創生事業を提案！ - 株式会社雨風太陽の法人営業の採用 - Wantedly

募集要項をみる