◯自分たちは、このままでいいの?
de:code 2016は僕らにとって物凄い価値があったイベントだった。
他にもde:codeってたくさん開催されてる中、
なぜde:code 2016だけに僕らが価値を思い切り感じたかというと、
こんなキーワードがバンバン飛び出た回だったんですよ。
当時のMicrosoftがこういうキーワードをバンバン出すっていうのは新鮮だったし、
僕にとってはびっくり仰天。
そして単純に嬉しかったんですよ。
ずっとMicrosoftの技術が好きでやっていた中でオープンソースに踏み寄って、
サーバレスだったりDevOpsだったりDockerだったり、もういろんな話が出てきてすっげえ面白かったんです。
de:code 2016は神回だったって方も多いんじゃないかな。
僕らも本当にすごい刺激を受けたんですね。
で、そのすごい刺激を受けて会社戻ってきたときに、僕はこんな話をポロッとしたんですよ。
「今のままで本当にいいの?」
って。
僕らは受託でずっとphp を使ったり、普通にIaaSを立てたりしてやっていた。
でも
「その形が本当に良いのか?」
「自分たちのサービスなのに、チャレンジしなくていいのか?」
って、ちょっと僕からポンって疑問の投げかけをしたんですよ。
さらに畳み掛けるように
「使ってみたい技術はあるでしょ?」
と。
de:code 2016に参加したメンバーはそこで発表された様々な技術にインスパイアを受けているわけですよ。
それを自分が使える技術として持っておくのは当然なんですけど、やっぱすぐに世の中に出したくない?って、問いかけました。
新しい技術を世に出していこうって思ったきっかけはde:code 2016だったわけです。
そこで「変えよう!」と判断したんです。僕らの文化を。
◯「変えよう!」の根底には無数の失敗があった
でも、その「変えよう!」となった動機は、何もde:code 2016に参加したからだけじゃないんです。
ちょっと泥臭い話をします。
皆さんご存知のMVCアプリケーションに関して。
僕らは受託をやっていたわけですけど、さっき言ったように.NETやCakePHP で作っていたから、
MVCがベースとなって開発していくんですけど、
僕らって、バックエンドのエンジニアはスペシャリストな人たちが揃ってるんですが、
Viewの部分がどうしても手落ちしちゃうんですよね。
デザイン力がないっていうよりも、バックエンド以上の何かを見せつけられないというか、
なんかそこだけひっかかちゃうんですよ。
Viewはいわゆるフロントですよね。
そこに対して当時の僕らはあまりメスを入れられないようなやり方の受託をしてて、
アジャイルとかはやってなかったんですよ。
どっちかというとウォータフォール型で、言われた仕様を頑張って僕らで設計して作るということをやってて、Viewの部分まで頭が回らないっていう状態。
Viewは辛いです~なんて言ってました。
何が辛いかって、例えばControllerが user nameという変数に氏名を設定しておいたら、
View側はuser nameという変数にある氏名を表示するとか、
こんなこと普通にやるじゃないですか。
で、修正があった時に、例えばControllerがuser nameじゃなくてstaff name変更したとすると、
その変更に対してView側はあのuser nameの変数なくなっとるやんけ!
みたいな例外が起きるとか。
こういった連携は僕らめちゃくちゃ弱かったんですよ。
めちゃくちゃ弱かったんで、僕らここってなんとかしたいなって思ってたんですね。
その最初のアプローチが密結合の発見ってやつなんです。
実装済みの機能に修正加える場合もあるし、製造時と修正時に担当者が異なる場合もある。
データの受け渡し方にルールを設けるべきだという考え方もあるし、
そもそもこのようなデータの受け渡しを行うことにリスクがある。
もっと品質を高められる仕組みはないか?とか、色々考えて。
でも一番大事なのは「もう徹夜したくない!」でしたね(笑)
当時のオルターブースは
舞鶴の不夜城
って言われたんですよ。
まあその通りだったんで本当なにも言い訳できないんですけど・・・。
だからこういう所を変えたい。
ここの部分でお客様にご迷惑をかけている。
僕ら自身は品質をそこで上げなくちゃいけない。
僕らもやり方を変えなくちゃいけない。
・・・そういう色んな思いが積もりに積もって、de:code 2016に僕らが行くんですよ。
そこで「変えよう!」ってベクトルになったんです。
だから思いつきで変えよう!じゃないんです。
もう本当に色んな思いがあった。
もう失敗しまくって失敗しまくって、どうしようもなくなって、
最後に
「もう変えるしかない!」
ってなったんです。(つづく)
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☆本記事は2020年3月23日に行われたライブ配信をもとに再構成しています
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