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ブロックチェーンって何だっけ?あらためてビットコインのホワイトペーパーから読もう

こんにちは!Aerial Partners採用広報の田中です!

ブロックチェーン、WEB3、スマートコントラクト、DLTなどなど、多くのバズワードが世の中にあふれています。

あらゆる方向から様々な文脈を通した話が聞こえてきて、結局このテクノロジーって何ができるんだろうというところ、ごちゃごちゃになりませんか?

そんな混沌とした情報の中、自分たちの確かな羅針盤を持ち続けるために、あらためてブロックチェーンの原点に立ち返って勉強しようということで、Aerial Partnersのエンジニア中心に勉強会をはじめることにしました。

ブロックチェーン業界の最前線で活躍するエンジニアたちの議論を社内にとどめておくのはあまりにもったいないということで、この勉強会で議論した内容をシェアしていこうと思います。

ブロックチェーンの原点はビットコインのホワイトペーパー

ブロックチェーン技術は、2008年10月31日のハロウィーンに公開された、ビットコインの「ホワイトペーパー」から始まりました。「サトシ・ナカモト」という匿名の人物によって公表され、いまでも誰が本当のサトシ・ナカモトなのかは明らかになっていません(彼は2012年以降、公に発言をしていません)。今年で論文発表からちょうど10年になりました。

ホワイトペーパーは、ビットコインの基本的な仕組みについて解説した論文で、PDFにして9ページ。意外と短いのですが、ブロックチェーンの本質を一番端的にまとめた、人類史上最も偉大な文章の一つといってよいでしょう。

そんなわけで、ビットコインのホワイトペーパーを読むことから、この勉強会をスタートしました。

ビットコインってなんでしたっけ?

12章まであるホワイトペーパーのうち、まず初回の今回はAbstractに関する議論を公開します。

勉強会を通して、ビットコインって何だっけ?というところを明らかにしていければと思います。

Abstract

まず論文は全体の要約から始まります。ここではビットコインが何を解決するかを端的に書いています。その中でも、議論があったのは以下の点でした。

「Asset」ではなく「Cash」「Payment」のシステムですね

いま仮想通貨を「Assset=資産」として捉える動きが世界的にあり、金融庁も「仮想通貨」の呼称を「暗号資産」へ変更することを打ち出しています。ホワイトペーパーを見てみると、「Cash」「Payment」という表現を使い、ビットコインは「支払い」システムであることを説明しています。このあたりは意外に思う方もいるかもしれません。ビットコインは価値の保存機能からみると「資産」と考えることもできますが、ホワイトペーパーでは「支払い」手段であることに重きを置いて説明しています。

二重支払い問題を解決するもの

ビットコインは二重支払い問題を解決するものであると書いてあります。いままでインターネット上で取引するとき、二重払いを防止するためには信頼のできる第三者が監視することが必要でした。例えば銀行ですよね。インターネットでは情報のコピーがかんたんなんで、自分に送られてきたお金が同時に他の人に送られる可能性があるわけで、これを二重支払い問題といいます。銀行を通すことなく、二重払いを防止できれば、インターネット上での支払いシステムが誕生すると。

Financial Institution,Trusted third partyの用語の登場回数が多い

「金融機関」「信頼できる第三者」という言葉は、ホワイトペーパーを通して繰り返し出てきます。頻出用語から、ビットコインをつくった際の問題意識を探れるんじゃないかなと思います。金融機関を信頼することで現在の銀行システムが成り立っている点について、問題意識があるんじゃないかと推測できます。この点は、後の章でも出てくるので、注意しながらみていきたいところです。

1.Introduction

この章では、ビットコインシステムの概要について導入する説明をしています。議論があったのは次の点についてでした。

法定通貨を明確に批判はしていなそう

ビットコインについて、日本円とかドルのような中央銀行が発行する法定通貨を置き換えるものだ、というような主張を聞いたことがあると思います。論文の一番重要な主張が書かれるべき要約や導入の部分では、そのような主張はあまり強く感じられません。この点はおもしろくて、実際にサトシ・ナカモトのその後の動向を見ていくと法定通貨への問題提起を積極的に行っていくのですが、論文からはそこまで強いメッセージは感じにくいです。(とはいえ、後の章でこうした問題意識も垣間見えるので、また追ってみていきましょう)

中間者排除によるコスト削減の話がメインで、銀行というよりはPhysical currencyへの問題意識に見える

上記のとおり銀行システムというよりも、「物理的なお金」と比べたときにコスト面で優位であることを主張しているように感じられます。物理的なお金を扱うときに必要となる中間者がいらなくなるので、取引監視のコストが不要になってコストが下がるよねという主張です。中間者を要するシステムの非効率性、コストの大きさを問題として指摘。この点、必要なのは「信頼ではなく暗号学的な証明による電子支払いシステム」であるとしています。ビットコインは「P2Pの分散タイムスタンプサーバー」によって、こうした中間者なく二重支払い問題を解決できるとしているんですね。ビットコインが分散タイムスタンプサーバーであるって、みなさん知っていましたか?意外と知らないことが書いてあっておもしろいですよね。

次章以降、ビットコインの具体的な仕組みの説明に入っていきます。

また勉強会で議論したことをこちらでもシェアしていきますね!続編をお楽しみに。

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