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「2020年のWEBマーケティングとADrimの描くビジョン」CEO×COO初対談

こんにちは。採用・広報チームの長谷川です。

新年を迎え、ADrimも5年目を迎えようとしている今、2020年の仕事の抱負を語ってもらうなら、ADrimではこの2人しかいない!
そんな思いで企画したツートップ対談。ついに実現しました!

今回は社員から集めた質問にも答えつつ、ADrimや業界の未来について語ってもらいました。


石上 為将
CEO/代表取締役社長
1988年生まれ。高校卒業後、東京理科大学へ進学。就職活動の際、友人達が大手メーカー、大手金融機関の内定を受ける中、 最も自己成長できる環境へと、ネットベンチャーへ新卒として入社。入社3ヵ月後には右も左もわからぬまま広告運用責任者へ抜擢。 年間予算5億円のプロモーションを1年目から手掛け、運用型広告のノウハウを磨く。その他、人事、営業、新人教育など幅広い業務を経験し 2016年4月の26歳に幼少期から決心していた起業を実現。ADrim発足へ。


野口 僚兵
COO/執行役員
1988年生まれ。2012年よりITベンチャーへ創業メンバーとして入社し、マーケティングコンサルタント、ICTコンサルタント、コールセンタースーパーバイザー業務を兼任。5年間、急激な企業成長に関わり様々なビジネスモデルに触れキャリアを積んだ。その中でWEBマーケティング領域の世界やテクノロジーに魅了され、この世界をより突き詰めていける環境へと、ADrimへ参加。執行役員として従事。

「2019年はADrimがどんどん大きくなる起点となる1年だった」

―(長谷川)ADrimにとって2019年はどんな1年でしたか?

野口:メンバーがとてつもなく増えましたよね。採用活動がとてもうまくいった1年だったと思います。毎日、面接が組まれたという連絡が何件も来るたびに、すごいなと感じますね。これまで私と石上さんで採用をやってきましたが、加賀谷さんや長谷川さんがジョインしてくれた事で生まれた結果だなと感じていて、今後も拡大していけるイメージが見えていてとても嬉しい。

石上:そうだね。俺は営業や広告運用畑の人間だから、営業とWEBマーケティングという分野では、この会社を立ち上げた2016年の段階からプロなんだよね。だから、個人事業主とか営業マンが集まって業績を伸ばすという意味では、ADrimは盤石な体制からスタートしているんだけど、組織を拡大させるとか事業戦略を立てるか、バックオフィスをどうしていくかとかは、野口が言うように加賀谷さん長谷川さんの力が大きく影響していて、ものすごく拡充されていったかなと思う。それに伴って業績拡大している。大きな失敗なんかもたくさんあったけれど、この会社がどんどん大きくなっていくという意味で起点となった1年だった。組織っぽくなった1年だったと思う。

野口:ほんとにそうですね。

石上:会社っぽくなってきたよね。

野口:失敗の時もそうなんだけど、今までは壁に当たると2~3人でどうしようどうしようって言ってたけど、今は社内のいろんなメンバーに相談できる。むやみやたらに増やしたところで意味がないのかもしれないけど、増えたら増えた分だけできる事って変わるんだなと感じましたね。

―それは新たにジョインした方が未経験の方でも問題ないですか?

野口:まったく問題ないな。

石上:それでいうと、うちの社員は全員未経験からといってもいいくらいだからね。自分のキャリアが今の業務に直結している人って野口と加賀谷さんくらいじゃない?でも加賀谷さんも総務、人事、経理…って全部やるのは初めてだったはず。野口も完全に一緒の業界ではないけど、クライアントビジネスという観点では経験者は野口だけかもしれないね。だから、全員未経験スタートのメンバーだけで成り立っている会社としては、ADrimはうまくいっていると思う。

「自動化が進むからこそ、クライアントさんや商品を愛する人間らしさがより重要になってくる」

―WEBマーケティング業界、そしてADrimは2020年以降どうなっていくと考えていますか?

野口:個人的な見解としてデジタルマーケ業界全体でAI活用が進んでいく中で、より顕著に広告運用面での自動最適化が進むのは明白かなと。だからこそ、それらを「理解して、どのように駆使して、マーケティングを実践していくのか」の戦略立案力が重要性を増すと思います。

今Googleが先んじてあらゆる観点で自動化の先陣をきっている印象がありますけど、活用必須メディアであるFacebookないしはInstagramやTwitterなどがGoogle以上にAIによる自動最適化技術の向上もまた当たり前のように実現してくるかなと。敢えてトレンド的な話をするとしたら、少し先になるかもしれないけれど5Gによる通信技術革新に伴って広告の掲載面の潮流が変わると思う。既に主流になりつつあるが、動画による広告掲載が当たり前になってきたり。

それ以外だと、体験型バナーコンテンツですかね。例えば毎年某飲料水メーカーが実施しているコンテンツ型ディスプレイ広告のような一部の広告主にしか提供されていない機能がより一般化され施策のバリエーションが広がり、これまで違ったアプローチができるようになると思います。動かせる、変化する、そういった体験型のバナーやクリエイティブっておもしろいし、わくわくします。
ちなみに、私自身「広告=コミュニケーション」という事を体現しやすい業界にしていきたいという思いもあったり。

石上:確かに。俺もそう思う(笑)

じゃあ業界がそういう流れの中で、ADrimがどんな動きをしているかというと、今のADrimのクライアントさんは野口が言っていたように俺たちの戦略立案だったり、企画力を買ってくれているところが多いんじゃないかな。

2016年、2017年くらいの時期のお客さんって、「リスティングの技術がないから、手数料払うのでまず30万でリスティング広告をやってみたいです」っていうところが多かった。でも、そうやって俺たちをただの手足として使う企業との付き合いって続かないし、結果も伸びなくなってしまう。だから最近はそういう依頼は断ることが多いよね。今は「このメディアとこのメディアを使って、こういうカスタマージャーニーを作っていって、最終的に獲得に結び付ける、そして企業の売り上げベースにコミットする」という形で関わらせてくれるクライアントさんが増えている印象があるね。

正直さ、俺たちをただの業者として扱いたいのであれば、GoogleやFacebookのAIに任せたほうが早い。だから、作業を代わりにやってくれる存在ではなくて、俺たちの知見や技術であったり、コンサルティングを必要としてくれるクライアントと仕事したいと思ってる。最適化作業が自動化されていって、俺たちじゃなくても出来るようになるかもしれない。その技術の進化を常に俺たち自身も惜しみなく活用することによって、クライアントから必要とされる企業を目指していかないといけないと思うかな。だから、さっきリスティングの運用代行だけだったら断ることも多いって言ったけど、それは調子に乗っているわけじゃなくて、広告事業部として、クライアントのすべての売り上げを担うっていう役割としてADrimを必要としてもらえるなら大歓迎で、どんなに小さくても、どんなに大きくても、愛を持って仕事をさせてもらうし、絶対に引き受けたいと思っているね。

―企業はADrimにWEBマーケティング事業部をアウトソーシングできるようになるというイメージですか?

野口:その通りだね。アウトソーシングという言葉をあえて使わせてもらうなら、運用のアウトソーシングなのか、事業部のアウトソーシングなのかという違いかな。運用するだけなら正直フリーランスの人に任せればいいじゃんって思う。そうじゃなくて、常にトライアンドエラーを繰り返し、メディアの確固たる知見を持っている人が、戦略を立てて実行して検証していくサイクルをまわしていく事が重要。クライアント企業に対し、それらを「自社できますか?」という問いをして、「出来る」という判断であれば私たちは必要ないと思う。でも、私らですら難しくて、そしておもしろいと思う世界が故に、ほとんどのクライアント企業がそこまで突き詰められていないと思うんです。お金が有り余るほど投資できるならいいと思うけれど、みなさん少しでも事業のためにお金を使いたいはずで、そういったクライアント企業のマーケティング課題に協力できる組織でありたいな。

石上:野口は2020年ADrimってどうなると思う?

野口:石上さんの見解と近いけど、これまでと変わらないなと思っていて。常にアンテナ張っているし、新しいものを見つけたらすぐ試す。かつ、クライアントに対して愛を持ってやるっていうのはうちの風土だし、そこは変わらない。

石上:変わらないし、俺たちの思いがより一層顕著になると思う。結局、AI技術が導入されていたら誰が運用しても一緒だよねっていう風潮になるかもしれない。でも俺たちがどれだけクライアントに対して愛を持てるか、ニアリーイコールコミットできるかが一番施策結果に影響すると思う。「愛を持ちなさいね」「コミットしなさいね」って俺たちは先人から教わってきた訳だけど、技術革新が進むからこそ、そういう風に人間らしく商品やクライアントさんを愛せるかということがものすごく重要になるかな。それが俺たちの今までも今も唯一の優位性だから、そこは今まで通り、今まで以上に大事にしていきたいね。

「どこに向かってどう走れば、ADrimとして正解なのか、社員の幸せに繋がるかを示すのが自分の役割」

―ADrimの変化に伴って2人の役割も変化していくと思いますか?

野口:お互い考え方はめっちゃ変わりましたよね。1期目に一人でせわしなく活動していた頃の石上さんと、今の石上さんとでは絶対に考え方変わってる。これからも考え方はどんどんアップデートされていくんじゃないかな。モノの価値観もそうだし、善悪の判断も変わってくると思う。ちょっと前までは悪いと思っていたものも、今は「うわ、いいじゃんこれ」ってなるものもあると思うし。

石上:そうだね。役割も考え方もかなり変わったと思う。1期目から3期目くらいまでは営業で一番数字を持ってくるとか、俺が食わしていくっていう意識がとても強くて、今もその気持ちはあるけど、その頃は10割がそれだった。社員に対して、「任せて!俺のやることを基本的には真似て、こうやって売り上げは作るんだよ」「こうやって契約は取るんだよ」「じゃあまず俺が取ってみるね」っていう感じね。自分がトップ営業マンという意識が強かったんだと思う。でも、トップ営業マンの下に待ちスタンスのメンバーがいるだけでは成長はないし、俺が果たすべき役割はトップ営業マンの役割ではないのかもしれないと感じて。会社としての大きな方向性を示していくことが俺の役割だと考えるようになったね。それはとても大きな思考の変化だと思う。つまり、俺の役割はどこに向かってどうやって走ればADrimとして正解なのか、社員にとって幸せなのかをきちんと示すということである訳で、個人的には今、自分の役割が新しいフェーズに入ってわくわくしている状況かな。その指針の強さによって、メンバー全員の力が強化され、将来のADrimの規模が変わってくると思う。だからこそ、そういうのを俺たちが誰よりも意識して生きていかないと社員は辛くなってしまうし、いつまで経っても成長しないとも思うね。

野口:今後はブレインとなるメンバーがジョインしてくれると思っているので、私個人の役割としては、兼任していた部分の役割はどんどん手離れしていって、自分がいちばん能力が発揮できるところへ専念していくことになるんだろうなというイメージはありますね。そのほうがADrimに対しても100%成果を還せると思うし、そうならなきゃいけないとも思う。確実に将来の私は役割が変わると思う。社内の新規事業など、事業運営がうまくいっていないものがあったらそれに全身全霊捧げなければいけないと思うし。まあ、今そんな切羽詰まったことはないですけどね。みんな頑張ってくれていて頼りになってる。メンバーも増員しているし!

「R&Dに本格的に取り組みたい」「メディア事業に完全コミットする人材を」

―ADrimは今年創業から5年目を迎えますが、どのような事業展開を考えていますか?

野口:もちろん上場を目指しているのは変わらないですけど、メンバーも増えたので、事業開発はさらに力を入れていきたいと思っていますね。やっとこさ、その域までこれたと思う。R&Dを本格的に取り組みたい。今ADrimが持っているものをより研究して新しいサービスを開発したいと思っています。3か年先の上場する計画に関しては「します!」という感じですね(笑)

―上場を3年後にターゲットしている理由や、こだわりだったりはあるのでしょうか?

石上:最短は目指したいじゃん!以上って感じ。早ければ早いほどいいと思うし、現実的に最短でできるのが3年後で、それが5年になるか、10年になるか…まあ10年になったら意味はないと思うんだけど、3、4、5年でしっかり上場したいと思っているね。その時にweb広告代理店業しかなかったとしたら、それは上場する目的と乖離する。なので、新規事業に力を入れていきたいな。こういうフェーズであるからこそ盤石な営業体制が必要だなと思う。
そしてEC事業やメディア事業には力を入れていきたいかな。これは収益メリットだけではなく、クライアントの環境を理解するためっていうのもあるんだよね。

野口:今までADrimが手掛けてきたメディアってクライアントの業種に合わせたものが多いですからね。

石上:そうだね。クライアントの気持ちを理解したいと思ったんだよね。通販事業クライアントに対して、「はい、全部ADrimに任せて~」って俺たちはいうけど、その時クライアントがどのように良い悪いの判断をしているのか。収益バランスなど、そういった領域は自分たちがメディアやECをやってみないと、本当の意味で理解できないと思っている。俺たちは平気で月30万しか売上がないクライアントに対して、「最初はリスクを負って、30万円俺たちに委ねてください!」って言えちゃう立場の会社にもなれるけど、クライアントの立場に立ってみたら「いやいや、絶対無理!」という状況も理解しないといけない。クライアントからお金を預かる責任をもっと理解しないといけないと思うし、全員がこの事業に触れることでWEBマーケティング事業にとても役立つと思う。

―全員が完全コミットしないにしても、触れてほしい事業ではあるというイメージでしょうか?

石上:そうだね。ただ、完全コミットの人材も必要だと思っている。ADrimは今までメディアリソースにがっつり人を1人割いたことないからね…これは5年目だからとかじゃなく「今年は!!」みたいなのはある。結局片手間でやっても成功はないし、本気でやったWEBマーケティング事業は会社を支えているわけだから、誰かが本気にならないといけないなって。だから、そこでブレーンが必要だと思う。未経験者がいきなり「あなたは明日からメディア事業部ね」って言われて、もがき苦しむより、年収が高くても経験者がいて、その人がマネタイズの方法とかをしっかり理解している状況を作るのは大切だと思うかな。でも、お金だけ出て行って収益ゼロっていう状況ができるわけじゃん。それって精神衛生上すごくよくないんだよね。(笑)

まあだからそれは俺の不甲斐なさでもあるんだけど、ADrimももう10億円超えてる企業だから「そろそろやるべきだよね」みたいなのはある。

野口:若干気になるのは完全コミットする為にジョインする専門職メンバーってADrimのようなベンチャー企業に必要なのかなって思ったりもします。事業をグロースさせていくという観点で。私の経験値ですがスタートアップってジェネラリストが多いイメージ。自分はエンジニアリング一筋ですっていう人って以外と少なくて、もともと営業やってたけどエンジニアリングもできるとか、感情先行型の方が自分で事業を作りたくてエンジニアリングを覚えました!とか。メディアに関していうのであれば、メディア事業を大きくしてきたという経験や知見も大事なんだけど、もっと大義がある人のほうが任せられるのかなと思います。そういう人って目標達成型思考が多いと感じていて、メディア事業をやりたかったとしても、その時の会社の状況が起因して「営業やってくれ」言われたとしたら、「営業ノウハウもメディア事業に活かせるかも」とか自分のこれまでの経験や今の環境を100%活かせる人だと思ってます。そういう方が向いてるし任せたいな。

「WEBマーケティング事業は一生なくならないADrimのコア・コンピタンス」

―5年後、10年後のADrimの姿についても話を聞きたいです。

野口:WEBマーケティング事業は絶対なくならない。5年後10年後、一生なくならない。

―最終的にM&Aで…といった戦略は考えていないんですね。

野口:バイアウトモデルじゃないです。そういうのは考えていないですけど…まあ、それは石上さんの口からちゃんと言ったほうがいいよね(笑)

石上:ADrimは売らない。ADrimは売らないけど、事業体レベルで全然売る可能性あるかな。特にメディアやEC事業など。今すぐ売るのはないけど、ガツンと売上伸ばしたら売ってもいいかなと思ってる…。

企業の買収経験はないけどサイトの売買経験はあるし、M&Aに興味はあるから、5年後10年後企業買収はやっていたとしてもADrimを売ったりなんていうのは一切ない。潮流にそってイケイケな企業でありたいとは思っているね。

野口:WEBマーケティング事業に関してはADrimのコア・コンピタンスだし、さっき言ったようにマーケティングの部分を突き詰めていきたい。そして、突き詰めることに関して言えば終わりがないと思う。「もうADrimは一定のマーケティング企業になれた!」って思ってしまったら終わりだと思うから。アンテナが立たなくなっちゃいますからね。そんな考えには一生ならない気はしますけど。

石上:WEBマーケティングの専門家集団でありたいよね。技術屋っぽい見せ方はしていきたい。今できているか分からないけど…営業屋さんみたいに思われているかも(笑)将来的には、俺たちの技術だったり、ノウハウの面を全面に押し出して、ADrimじゃなきゃできないって、人の面でも技術の面でもADrimじゃなきゃダメだっていわれるような企業にはなっていたいなあと思う。

―専門家集団でありたいという言葉がありましたが、昔からいる社員のインタビューを読んでいると「運用も営業も両方やります!境目はありません!」って言っているんですけど、今は求人も営業と運用に分けられていますよね。これは組織拡大に伴ってどんどん分離していくと考えていいのですか?

石上:そこ難しい問題だね。分離したいって思いはあったんだけど、今それはちょっと戻しているようなところがある。コンバートはしていくと思うんだけど…結構それは悩んでる。野口はどう思う?

野口:私はそこに関して全く悩んでいなくて。セクション毎の専門的になるべき領域が確実に定義されてきたのかなと思いますね。

営業って、営業というワードが先行してしまっていると思う。私たちにとっての営業チームはどこまでの知識をもたなければならないのかっていう点が明確になったかなと。実際、営業チームのメンバーは現在運用業務に大部分の時間を使う事はしてないけど、「どうやって運用されているのか」「このメディアはどういう特性を持っているのか」など戦略立案から運用面まで理解していないとならない。これはADrimでは営業の領域。この定義があった上で、なんらかの講義を受けて広告運用を覚えようとするより、自分で運用してみた方が早い。

運用チームは運用チームで、お客さんが何を求めてこのプロモーションゴールを設定しているのかが運用しているだけだと分からないから、一緒に現場に出てもらうこともある形をとっている。

そういった意味では専門性がどんどん突き詰められている環境だと思います。昔はリソース面の課題でみんなで対応するしかなかったですから。昼は営業活動で外出して、夜は自分でデスクに張り付いて広告運用管理画面をいじってガシガシやっていたけど、今はそうじゃないよね。あの頃はあの頃で良いところもあり、大変なところもあった。その時養った知見から、セクション毎に所属するメンバーの必要なものは何かっていうのが明確になったと思いますね。今そこに到達できるように組織編制をしているという感じかな。しかもそれは今のみんなの動きからすごく伝わってくる。そこはすごく嬉しい。どんなにタスクがパンパンでも運用チームは運用したがるし、営業チームは提案を考えたがるし、財務や広報チームも同じ。今一生懸命あるべき姿に近づいていっていると感じます。

「10年後も20代の経営者がADrimを引っ張っていたら最高」

―ほかにADrimの将来展望はありますか?

石上:今後組織がどんどん大きくなっていくと思うんだけど、今の風土っていうのは変えるべきところは変えるけれど変えたくないものは残していきたいね。野口なんかすごくよくわかっていると思うんだけど、俺って「変えよー!!」って言って変えて、すげえ物足りなくなって戻すっていうのが結構あったりするのよ。そういうので振り回して結構申し訳ないって思っているんだけど、そういうところの見極めをしっかりしていきたいと思うかな。企業が100人になっても、200人になっても残すべき文化は今と変わらず残っていてほしい。

―残すべき文化と改善すべき文化だと具体的に何がありますか?

石上:変わってはいけない文化としては、溢れるベンチャースピリットを失いたくないよね。超若い奴らが頑張ってガシガシ売上あげていて…みたいな。10年後俺たちが41歳になった時に、俺たちが引っ張っているような企業じゃなくて、やっぱり若い人たちが引っ張っている企業であれと思うんだよね。代表が俺とか野口とかっていうのではなくて、20代の経営者がADrimを引っ張っていたら最高だなって思う。役職にしがみつく気持ちって全然ないし。若い事業部長がいて、若い役員がいて、若い人たちで盛り上がっている会社でいてほしいと思う。

改善すべきところは、労働環境はより一層良くしていかないといけないね。規模が大きくなると、今は大丈夫でもうまくいかなくなってくることは増えると思うから、みんなが働きやすい環境づくりにはより一層力を入れなくちゃいけない。今いる社員だけじゃなくて、これからADrimに入ってくる人にも魅力的な働き方を提案していきたいと思う。

野口:永続的な高いパフォーマンスを発揮できるためには、働きやすい環境づくりにはずっと力を入れないといけないですよね。

石上:人あっての会社だから、そこにきちんと力を入れ続けないと10年後組織が疲弊しちゃうよね。

野口:補足したい点がある。石上さんは思いついて変えてみてしっくり来なかったら戻すっていうのをネガティブな印象のように言うんだけど、個人的に振り回されている感覚はないんですよ。むしろトライ&エラーを繰り返さなくなってしまったら終わりだと思う。悪かったら戻すってすごくいい判断で、その「悪い」っていう判断はもう石上さんがするしかないんです。それに経験してみないと悪いかどうかの判断ができない事の方が多いと思う。誰かが「これ続けたほうがよかったよなあ」と思ったら提案できる環境だしね。やってみようと思ったら試す、悪かったら改善案を探すっていうのを繰り返す事がない会社は私にはつまらない。それに、これらの活動の結果、今のADrimがあると思っているから。逆にこの文化を嫌う人はADrimには合わないかもしれませんね。

石上:ADrimはそういう動きに柔軟な人が多いよね。

野口:ですね。ウェルカムでいたいです。世間一般の感覚もまぁ気持ちは分かります。今までの経験を活かして構築してきた体制や業務フローなどに、明日一気に変わるよと言われたら、「なにーーー!!」っていうね。でも、冷静の考えて、変わるって楽しくないですか?アップデートされるって楽しくないですか?って伝え続けたいなと思います。このマインドの方が確実に当人たちも成長できると思います。

石上:でもその文化は根付いてきたと思うなあ。さっき自分のこと否定したけど、今野口に言われて、いやこれはいいことなのかもって思い始めた(笑)まあ、それでいうと、ADrimはめっちゃ柔軟だと思う。俺はもちろん責任は感じているけれど、「やるしかない!」っていう文化はすごくあると思うな。とやかく言っていてもしょうがないからやるしかねえよ!って、衝撃値がすごくミニマム。大企業だと方向を変えるのってすごく難しいことだと思うから…働いたことないからわからないけど。例えばADrimもそこまでのことはないけど、明日から全然違うことやれって言われたとしても、大企業だと不平不満がすごくて絶対に不可能だと思う。でもADrimに関して言えば、みんながすごく柔軟に対応してくれて、やるしかないってやってくれるからね。本当に感謝しているし、ADrimのいい文化だなと思う。

意思決定者っていうのは、その時々にいると思うんだよね。俺が全社のことを決める時もあるし、野口が仮の意思決定をするときもあるし。営業なんて野口が全部統括しているしね。さらに雄一が決める時も、タムが決める時もある。アフィリエイトにおいては滝澤が決めることもある。でも誰が誰を否定したりっていうのはなく、誰が言ったからとか全く関係なく、「何をすべきか」を重視して、動いてくれるのは本当に良い組織だと思うね。

変な話だけど、俺がいきなり「web事業やめます!!明日から死ぬほどメロンソーダ売るぜ!野口!」って言い出したら、「どこのエリアに営業かけましょうか!」「このビルがいいと思います!」って野口は真面目な顔して計画立て始めるのが目に見える…。それにADrimのみんなはついてきてくれると思う(笑)本当におもしろいし、柔軟性がある会社だと思うし、よくそんな会社に育ててくれたなって思う。それは俺の力じゃなくて、野口を筆頭にひとりひとりが作ってくれたものだと、ひしひしと感じる。

「ADrimはかけがえのない子どもみたいなもの。だから働く目的は子育て!」

―ここからは社員たちからの質問に対して答えていただきます。まずは「2人にとって働く目的はなんですか?お金なのか、家族なのか…気になります!」とのことです。

野口:お金や家族は当たり前なんです。仕事だから。でもこれは前に一度石上さんとも話したことがあるんだけど、今まで私は自分の価値向上とか、自己成長するためだけにキャリアを築いてきたような気がしてならないんですよ。もちろん今より報酬を多く得る為にという感覚はゼロではないんだけど、できることを増やしたいとか、あいつに勝ちたいとか、とにかく自己成長だけを意識してきてあんまりお金の事は天秤にはかけてこなかった。定点で振り返ってみると、1年前、半年前と比べてできるようになっていることは明らかに増えているし、幸福感もあるから、いつの間にかあれもやってみたいな~これもやってみたいな~って、どんどんやることを自分で増やしてしまっているんです(笑)でも私にとっての仕事っていうのはそういうものだな。音楽をやっていたころ、あの人の曲を弾けるようになりたいって憧れた気持ちと、今あの人みたいにプレゼンテーションができるようになりたいという思いの本質はなにも変わらない。アウトプットの方法が変わっただけです。そして今はそのアウトプットの形が私の成長ではなく、みんなが結果を出してくれることに達成感を感じている。いかにみんなが達成感が得られるように、幸福感が得られるようにするにはどうしたらいいのかを考えるのがとても楽しくて。「あいつ、○○さんの考え方を取り入れたら今より成長できるな」とか「あいつは石上タイプだな」とか、社員成長戦略を立てている時がとても楽しいです。(笑)

今、仮に今より高い報酬が得られて楽な仕事があったとしても続かないな。そんなの絶対つまんない。絶対ほかのことやりたくなっちゃう(笑)ほかのことやりたくならないっていうのは、つまってるからなんですよ(笑)暇だったら趣味増やしてみたいとか思っちゃうと思うんですけど、今生きててそんなことまったく無いですからね。

石上:俺にとって働く目的…

野口:社長だからね、なかなか難しいでしょ(笑)

石上:社員とは全然違うと思うんだけど、俺にとってADrimは自分で腹痛めて産んだ子供みたいなもんだからさ。すくすく成長するところを見たいし、幸せな人生を歩んでほしいって思う。通常の経営者ってどうなのか分からないんだけど、俺は自分が作ったADrimという会社を、自分自身とは思えなくて、結構客観的に見てるかな。でも自信を持って言えるのは、俺は絶対自分よりADrimのほうが大切なのよ。ADrimというかわいい子がいい人生を送ってほしいし、もっともっと成長してほしいし、もっと色んな知識をつけてほしいし、俺がサポートできることがあったらなんでもしたい。ADrimが借金したんだったら、俺の全財産を全てADrimに投下してでも返したいって思う。親にとって子どもって、自分を犠牲にしてもかまわないって思えるような存在でしょ?だから、そんなかけがえのない存在であるADrimで働くことなんて、目的とかじゃなくて当たり前だろ?っていう。目的もクソもない!って感じです(笑)

働くモチベーションの保ち方は子育て。子育てと同じ。むしろ自分の子どもよりいいかもしれないね。成長が目に見えるからね。

「ただの野口僚兵がADrimの野口僚兵になることでめっちゃ活躍できる、スイミーみたいなイメージかな」

―次の質問は、「2人にとってADrimって何?」というものです。

野口:前に社員会議で、「個人と法人の違いって何だと思いますか?」ってメンバーに聞いた事があって、みんなそれぞれ考え方があるんですが、私の思考では法人は個人の集合体でADrimはいろんな人物が集まった"人"だと思っているんですよ。スイミーってあるじゃないですか。まさにそれ。ADrimを通すと個人のパワーじゃ大したことないものが、とんでもないパワーが出せるし、発信できるし、活躍できる。これは年末の社員会議でもみんなに伝えたことなんですが、単なる野口僚兵じゃなくて、ADrimの野口僚兵になることでめっちゃ活躍できるっていう。私にとってのADrimはそういう存在。スイミー。1匹だと無理だけど、みんなとだったらマグロを追い返せるから!

石上:さっきも話してたけど、今の俺にとってADrimは家族のようなかけがえのないものだね。通常の経営者は、自分と会社が一心同体だっていう考えの人は多いと思うし、俺自身も当時はそう思ってたんだけど、気持ちの変化があって、ADrimは石上ではないし、石上もまたADrimではないと思ってる。じゃあADrimイコール何なのかといわれると、俺にとって野口イコールADrimだし、雄一イコールADrimなんだよね。ADrimで働くメンバーイコールADrimだと思ってる。だから、野口がADrimのこと考えてくれているのが滲み出るような行動や発言がすごく大好きだし、雄一がADrimのこと思ってくれるのもすごく嬉しい。

野口:今すごく納得したんですけど、私、ずっと自分のことADrimだと思っていますね。外歩いてる時とか、恥ずかしいことしちゃいけないなって。私がそんなことしてたらADrimの名に傷がつく!って思ってますね。それはみんなも各部署の顔になる訳だから同じだと思う。

「自分イコールADrimになってくれるやつは最高。愛情を注ぐことが人に成長をもたらす」

―最後ですが、会社にとっての最高のパートナー、最高の部下、自分にとっての最高のパートナー、最高の部下がどんな存在か、教えてください。

野口:石上さんが言っていた最高のパートナー、部下は自分イコールADrimっていうのもすごく納得したんだけど、私にとっては自分の考えに共感してくれる人、かつその人の考え方に共感できる人の2つだけかなって思ってますね。

―パートナーと部下で差はないってことですか?

野口:ないです。全くない。

石上:ないよね。

野口:石上さんに対してもないし、社員に対してもない。むしろ家族に対してもない。だから、合わない人とは絶対関わりたくないし、話したくもない(笑)「あ、合わないんですね!わかりました!」みたいな(笑)去りますね。

でもADrimはずっと最高な人しかいないな。みんな少なからず自分のことを理解してくれるし、自分も理解したいと思える。それって根底に共感があるからだと思うので。こいつの考え方に「なにこれありえねーじゃん」て思ったら、もう理解もしたくないですからね(笑)そういう人が私にとっては最高のパートナーかな。まあイコール、私は全体を見させてもらっているから、会社のパートナーということになるのかなと思いますけど。

石上:やっぱり自分イコールADrimになってくれてるやつは最高だと思うなあ。そういうやつって、自分と会社を一心同体で考えるから、無我夢中になっちゃうし、時に本人が「1人で頑張れる~~!」ってなっていても勝手に心配しちゃったりするけど。家族みたいにね。

野口:「早く帰ったほうがいいんじゃない?」「もっとマシなもの食った方がいいんじゃない?」って(笑)

石上:そうそう。そういう感覚が芽生えてきたってとても幸せだなって思う。人生の中でそういう経験できるってうらやましいでしょ、長谷川さん(笑)

―はい(笑)

石上:これはほんとうに羨ましがられることだと思う。本当に幸せだから。自分の子ども以外に、自分の嫁以外に、そんな風に自分の命賭けられる人たちに出会える人って普通はいないからね。

―忘年会で社長が「ADrimは自分の子どもより大事かもしれない」って言ってた時、衝撃を受けました。

石上:マジでそうなのよ。俺は本当に幸せ者だと思う。みんなは勝手に「子どもとか言うなよ」って思ってるかもしれない(笑)

一同:(笑)

石上:「勝手にファミリーに加えられても困ります。ビジネスですから!雇用する側とされる側にすぎないので」ってドライなこと言われちゃうかもしれないし、それは当然だとも思うんだけどね。俺自身、サラリーマン時代は「俺は俺の成長のために働くから会社の成長は正直どうでもいい!俺は一流の営業マンになって広告マンになるんだ!そのために俺を育てろ!その代わり俺はしっかり数字あげる!」って思ってたから。でも俺自身は変わったね…たとえば、赤字出し続けてたやつがいたとしたら、いっぱい教育はするかもしれないけど、そいつを捨てようとは思わない。子ども捨てるなんて不可能だからね。だからADrimに入ってくれた瞬間から、そいつには家族意識、仲間意識は生まれるかな。

―では昔の社長のような人も、別に採用はしてもらえるんですか?

石上:全然ありだね。でもそういうやつも愛を注ぎ続ければって思う。俺とADrimはイコールじゃないからって思ってると思うし、それって普通だけど、愛情を注ぎ続ければイコールに近いものには必ずなるから。野口はもともとこういう思いでやってくれてるけど、野口も俺が決裁権まったく渡さず、役員にもせず、部長とかだったら全然違ったと思う。最初から今までほぼ決裁権あるような状況だから。それによってADrimイコール野口になってくれてると思う。雄一なんて全然違ったよ。あいつ超サラリーマンだったから(笑)

野口:ほんとに(笑)

石上:やるしかないなんて言葉、あいつ今まで生きてきて、ADrimで初めて言ったんじゃないかな(笑)愛情によって人が変わるっていうのはあると思う。雄一に限らず、佐藤森谷タム加賀谷さんもみんな本当に入社した時から変わった。それは愛情を注いで、全力で向き合ってきた結果だと思う。だから辞めてっちゃった人は愛情が足らなかったのかもしれないね。

野口:今話を聞いてて思いましたけど、そうやって人が変わっていくのを見ているのがとても楽しい。「めっちゃお前変わったな!」って。例えば佐藤にしても、今だから笑って話すけど、ほんとにすごい成長だと思います。今やあいつがADソリューションチーム引っ張ってますから。私はもとからそういう分野の業界にいたけど、あいつはものの数ヶ月でこてんぱんにされて、ついてきて、いつの間にか私が言っていた事と同じことを増子に言ってるっていう(笑)それ私が「去年言ってたことじゃん!」って思いながら、デスク越しにそういう風景が見られるのがほんとに嬉しいですね。
で、おこがましいけども、そういうきっかけ作れたの俺だなって思えると最高に幸せ。そうなった結果って、お互いいいことしかないと思うんですよね。
愛情注ぎまくった結果、「それじゃあ、さよなら」と言われても、本当の意味で愛情を注いでいれば、去りゆく人に対しても悪い印象にはならないと思うんです。またどこかで良い出会い方ができると思うし。

石上:そうだね。だから今年も社員たちには情熱的に愛を注いでいきたいし、メンバーには全てをADrimに捧げろなんて言わないからADrimを愛してもらえたらと思う。どんどん人が増えて、俺や野口だけでは今のメンバーと同じ分量で愛を注げなくなってしまうかもしれないけど、そんなとき今いるメンバーが新しい人たちに愛情を注げたら一番だね。そんな会社になっていけるようにこれからも頑張っていきます。

―ありがとうございました!!

対談を終えて…

本当に笑いの絶えない1時間。文字にして15000字!大ボリュームの対談でしたが、ふとした発言がとてもおもしろかったので、できるだけそのまま残したつもりです。

断られるかもしれないのに「提案してくれて良かった」と2人が何度も言ってくれたのですが、正直断られるなんて想像もしていなくて、「絶対やりたい!!私も読みたいし、きっとみんなも読みたいはず!!」と猪突猛進に突き進んでしまいました(笑)

でも、対談を終えて今思うと、本気で頼めば絶対やってくれるという"信頼"があるから出来た行動だし、それは2人やいつも一緒に働いているメンバーが私にたくさんの愛を注いでくれるからなのかなと思いました。

「めっちゃいい会社じゃん!」と思ったあなた!

「やべえ会社だな」と思ったあなたも、ぜひオフィスに遊びにいらしてください!

個性豊かな仲間がお待ちしています!

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