当社には、会社の課題や方針について話し合う「方針会議」が週1回あるのですが、
先日の方針会議にて、休憩時間についての問題提起がありました。
・所定の休憩時間を過ぎて、長く昼休みを取っている人がいる(いた)
・昼休み以外にも長時間離席して戻ってこない人がいる(いた)
・タバコを吸う人は、吸わない人に比べて、実質的な勤務時間が明らかに短くなる
このまま放置すると、不公平感が生まれ、周囲の人のモチベーション低下にもつながる、というものです。
なかなか難しい問題ですね。
ルールで縛る案
例えば、昼休憩の開始と終了を打刻する、
タバコ休憩を取る人は昼休憩の時間を短縮する、などの案が出ました。
素直な案ではありますが、自律的に管理できている人にとっては無駄そのもの。
ルールの穴が見つかる度に細かなルールをどんどん増やしていくのは、やりたくありません。
自己管理に任せて公平性を担保する案
続いて検討にあがったのが、固定残業代制や、裁量労働制を導入して、
労働時間の多寡によって、給与支給額が直ちに変動しなくなるようにする案です。
タバコ等で途中休憩を取る人は、その分退勤時間を遅らせても、残業代が増えるわけではないので、公平性が担保される、という考え方です。
成果と時間
例えば、他の人の3倍のスピードで仕事ができる人が、半分の時間フルパワーで働き、残り半分の時間寝ている、というのは良しとするのか?
というテーマも浮上しました。
みんなが頑張っている中寝ていたら、周囲のモチベーションにも悪影響がある、
かならずしも定量的に成果が測れる仕事ばかりではない、
自分の作業時間を削って、後輩に教えたり、オフィスの雑務をやってくれている人もいる、
など、成果さえ出せれば良いという考え方には否定的な意見が集まりました。
一方、8時間きっちり席に座ってさえいれば良いか、といえば、それもまた違う、というのがみんなの総意でした。
ルールより自律
どんなルールや制度を設けたところで、
自分のことだけ考えてサボる人、利己的な人がいれば役に立たないのではないか。
「タバコ休憩たくさん取ってるからその分少し残って頑張ろう」とか、
「今日は眠くて力出なかったから、明日はいつも以上に頑張ろう」といった、
自律と、周囲への感謝と敬意がどこまでいっても必要なのではないか。
やはりうちは性善説をベースに考えよう、という気運が高まりました。
性善説の代償
ルールで縛らず、自己管理に委ねる選択をとった場合、
「もし、今後利己的な人が現れ、常習的に昼休みを長く取ったり、頻繁に中座する人が現れたらどうするか?」
ということもセットで考えておかないといけません。
答えは「全員が直ちに、かつ率直に指摘する」です。
そして、改善がない場合や、理不尽な反撃があった場合には、正々堂々と会議のテーブルに上げる。
性善説に立つ組織を作る以上、利己的で自分本位な行動を許さない、毅然とした姿勢を取ることが全員の責任だ、という結論で締めくくりました。
埋め難いタバコ休憩問題
ところで、当社は半数が喫煙者です。
また、今のところ固定残業代制度は採用せず、1分単位で残業代を支給しています。
如何なる姿勢を持ってしても、喫煙者の実稼働時間が、
非喫煙者に比べて1日30分前後短くなる事実は放置し難い、という問題が最後に残りました。
これについては、非喫煙者には、毎月非喫煙手当を支給する方針になりました。
昼休憩を除く勤務時間中にタバコを吸わないことを条件に、申告すれば誰でも支給を受けることができます。