帯同型コンサルティングとしてのUXデザインと情報設計
「A.C.O.はWEB制作会社です」数年前までは自分たちのことをこう説明していました。ただここ数年は、顧客に向けて上流工程の提案を行う機会が増え続けていました。そこで、今後さらに増加するであろうニーズに答えていくため、2017年1月にUXデザインと情報設計の専門チーム、略してUX/IA部を設立しました。
上流工程の機会が増えたのは事業拡張の成果もあるのですが、それ以上に概況の変化が大きく影響しています。例えばそれは、新しいテクノロジーが手軽に使えるようになり技術のコモディティ化が進んでいたり、Webの情報量がますます膨張しているのでそれらの取り扱い方が高度化していることもあります。
とはいっても私たちが課題の原因を一瞬で見抜いたり、その解決策を事前にショーケースに並べておけるわけではありません。私たちにできることは、これまで以上にデザイン制作会社として品質を上げつつ顧客と共に解決に挑む、帯同型コンサルティングだということです。
制作会社という立場での矛盾
以前は「立派なプランを作ったので、ここからは制作チームにお任せします」というオーダーがあれば、制作会社として合流していました。その「立派なプラン」に従いつつも、本音では、このプロセスには無理があると感じて制作していたこともありました。今思えば、もし制作中に大きな問題に気づいたとしても、できることなら後戻りしたくないという力が働いていたかもしれません。
実際、世の中にリリースしたWEBメディアやサービスが公開後早々にヒビが入り、水漏れを起こし、プロジェクトごと海底に沈む姿を何度もみてきました。
先導し、決断を早め、開発へつなげるためのUXデザイン
数年前、私たちはある小さなプロジェクトで上流工程の機会を得ました。そのときは制作会社としてではなく、プロトタイプ作成とユーザ検証、関係者のワークショップを短期間で実行することを先導する役割を担いました。結果的にそのプロジェクトは、ニーズを捉えながらも実現可能なプランが生まれ、すぐさま確信を持って制作工程に進み、短期間のプロジェクトにも関わらず無事に成功を納めました。
その後、大小さまざまな実績を重ねてきました。そしてこれまでの経験を経て、UX/AI部の設立に至りました。
速さと深さで圧倒する情報設計
UXデザインとあわせて上流工程のあり方を大きく変革してきたのが情報設計でした。これはUXデザインサービスよりずっと以前からA.C.O.では提供してきました。例えば数千ページに膨れ上がった大企業のコーポレートサイトリニューアルでは、既存情報の引越しだけで数千万円もの費用が必要となることがあります。そこに情報設計のメスを入れると、費用を半分近くに圧縮できた事例もあります。
この手法はこれまで多くのプロジェクトで用いており、その度に調査手法のバージョンアップがなされています。今では初期段階から、既存コンテンツを資産として活用するためのさまざまな分析を行い、コンテンツ品質向上とコスト削減提案の最大化に大きく貢献しています。
UX/IA部にご相談下さい
大きな会社であれば立派なプランと優秀なコンサルタントがいれば十分でしょう。しかし、短時間でプロトタイプをつくることは難しいかもしれません。たくさんの予算があれば、沢山のコンテンツを作って公開すればいいでしょう。けれど、コンテンツの資産価値を見極め、効率よく扱うのは容易ではありません。
そんなときは私たちに相談してみて下さい。
私たちは壁にぶつかったとき、人の行動と心理の原則に立ち戻って考えます。それはどんなに新しい技術が生まれても、変わらないことがあると知っているからです。それは人に対する深い理解を持った体験のデザインが解決につながるということ。 UX/IA部の設立によって、A.C.O.で取り扱う全プロジェクトでこれまで以上にUXデザインと情報設計の工程が強化されることを目指します。 どうぞよろしくお願いします。
様々な経歴を持つUX/IA部メンバーの紹介
川北 奈津
“技術トレンドを取り込み、ビジネス直結のUX/IAを目指します”
川北 奈津 | UXデザイナー兼マネージャー 静岡大学情報学部卒。情報科学芸術大学院大学(IAMAS) メディア表現研究科修士課程修了。Ars Electronica等でアート作品展示。広告会社でプランナーを経験。妊婦・育児手帳などデジタルサービスUXデザイン実績多数。ケータリングサービスは副業。
堀 有吾
“お客さまをリードし、コンテンツ品質向上をムダの削減を目指します”
堀 有吾 | インフォメーションアーキテクト 関西学院大学文学部卒。VFX・映像編集を経てWEBに転向。大手電機メーカーにて医療や社会IT基盤のUIデザインに携わる。LAC、マクロミル、ANA Cargoなど企業サイトの情報設計を担当。全社業務フロー効率化研究中。VJとしても活動中。
林 俊一
“得意技はカスタマージャーニーを演じ分ける、落語プレゼンです”
林 俊一 | UXデザイナー 明治学院大学映像芸術学系列卒。新聞社の記事広告制作、デジタルガレージでグラフィック・パッケージ・ウェブなど広範なデザイン業務を経験。デジタルサービスUXデザイン担当。無類の酒好き。
岡本 拓
“デザイン思考で会社を面白くする方法を、考え続けています”
岡本 拓 | UXデザイナー/コミュニケーション・ストラテジスト The Basel School of Design(スイス)修士課程修了。オランダのデザイン会社で美術館とアートフェスティバルのブランディング担当後、Fjord Hongkongでビジュアルデザイナーとして金融機関の新サービス展開に関わる。英語堪能。猫が好き。
長谷川 大輔
“画面設計と遷移設計で、ウェブの心地よさを追求していきます”
長谷川 大輔 | インフォメーションアーキテクト 神奈川大学工学部機械工学科卒。大手自動車内装メーカーにて自動車のプロダクト設計に携わり、安全性と心地良さを目指して様々な材料特性を考慮し、仕様決め、3D制作に従事。
UX/IA部メンバー 左から長谷川、岡本、林、堀、川北
※ A.C.O. Journal からの転載です