A.C.O.の働きマンによるイチオシ漫画
8月も終わり、まだまだ残暑も厳しいですが、秋に近づいてきましたね!デザイナーの益田です。突然ですが皆さん、漫画はお好きですか?私は、「漫画ソムリエ」みたいな仕事があったらやりたいと思うくらい、自他共に認める漫画好きです。漫画は、読んで楽しいだけでなく、悩みを解決するヒントをくれたり、人生観に影響を与えたりすることもありますよね。
実はA.C.O.には漫画好きな人が多く、昼休みにも「最近何読んだ?」とよく話題になります。メンバーにオススメ漫画の話を聞いてみると、仕事を頑張っているからこそ、その漫画を選ぶのかなと思うものばかり。そこで、今回はA.C.O.で漫画好きと噂のメンバーに、働く皆さんへのイチオシ漫画を紹介したいと思います!
- 益田 絢子 | AYAKO MASUDA
デザイン担当、デザイン部所属。LINE漫画試し読みからの購入率9割以上。「大人の漫画会」なる飲み会を開くのが好き。 - 木下 早苗 | SANAE KINOSHITA
プロジェクトマネジメント担当、グロース・マネジメント部所属。週末になると近所のTSUTAYAで漫画を20冊レンタルするのが最近の楽しみ。 - 吉岡 利紘 | TOSHIHIRO YOSHIOKA
デザイン担当、デザイン部所属。本体表紙の小ネタを見つけるのが好きなので、いまでも単行本で読む時は最初にカバーを外してます。 - 満尾 有亮 | YUSUKE MITSUO
COO。コマ割り、ネームはワイヤフレームで、ペン入れからがデザインフェーズなんだと思う。
CHAPTER #1
メンタル立て直し力半端ない!とにかく熱いジャズ漫画
デザイナー・益田のイチオシ
トップバッターは私、益田からオススメを紹介したいと思います。
『BLUE GIANT』は世界一のジャズサックスプレイヤーを目指す少年・大が主人公の激アツ青春漫画です。『BLUE GIANT』は完結していますが、今は舞台をドイツに移し、大のその後が描かれている『BLUE GIANT SUPREME』がビッグコミックで連載されています。
オススメポイント
大はどんな試練にも揺るがぬ鋼のメンタルの持ち主。言い訳もしなければウジウジもしない、決して逃げない彼の圧倒的タフさに思わず引き込まれます。この漫画の良いところは、主人公をはじめ、全く順調に行かないんです。だからこそ、大の良さが際立つ。失敗に対する考え方や、セッションメンバーへの想いのぶつけ方とか、仕事でも見習いたい部分がたくさんあります。
熱いシーン
大が初めて大勢の人の前に立った時。大の突っ走りすぎた演奏にブーイングが来て、舞台を下ろされてしまいます。すっごい楽しみにしていた初舞台なのに。ここで大に感情移入していると、恥ずかしさ・悲しさ・悔しさ、色々な負の感情が流れ込んできて、「大丈夫か?!」とハラハラします。でも大は一瞬だけ落ち込んで、そのあとすぐにこう言って笑い飛ばすんです。
『へでもねえや。』(引用:石塚真一『BLUE GIANT』1巻 小学館)
彼の目指す先はずっと高くあるので、燻ってなんかいられない。私もしんどいことがあっても、これくらいのメンタルでいたいなと思いました。
CHAPTER #2
ラジオ業界でひたむきに頑張る主人公たちに共感!
ディレクター・木下のイチオシ
— 木下さんはジャンル・時代問わず、幅広く漫画を読んでいますよね。ズバリ、働く人にオススメしたい漫画を1つ選ぶとしたら何でしょうか。
木下 私のオススメはこれです!
— この漫画家さんの作品は、絵が綺麗で、心理描写が丁寧なんですよね。特に男性キャラがイケメン(笑)。『リクエストをよろしく』はどんなストーリーなんでしょうか。
木下 売れない芸人の主人公・颯太が相方に逃げられるところから始まります。このままお先真っ暗?!と焦りを感じ始めていたころ、放送作家になったその元相方と美人ディレクターにラジオのパーソナリティとしての才能を見込まれ、今度はラジオ業界を舞台に奮闘する、というお話です。
— ラジオ業界っていうだけで既に面白そう。木下さんの推しポイントを教えてください。
木下 登場人物が泥臭いところですね!「完璧」なキャラクターがいないから、共感できる。たとえば、元相方で放送作家の水無月なんですが…キャリアチェンジしたばかりだし、颯太の良さをうまく周りに伝えられないこともあって、色々もがいている。とても他人事とは思えないです(笑)。
— 特にどんな人にお勧めしたいですか??
木下 新しいことを始めたばかりの人、チャレンジしたい人かな。私も今年2月、営業からディレクターにキャリアチェンジして。『リクエストをよろしく』は「キャリアチェンジして奮闘する」人達が描かれているから、自分と重なるし、読むとモチベーションが上がる!だから、何か始めた人、これから何か始める人にはぴったりだと思います!
— いいですね。私も読んでみよう。最後に、グッときたシーンがあれば教えてください。
木下 颯太が代役で有名パーソナリティのアシスタントを務めるシーン。
『なんでいきなり俺がここに居るか正直自分も分かってなくて だから誰だと思われて当然なんだけど けど俺ここに座らせてもらって ラジオの前にいる えっと あなたにですね 話しかけてみたくなって だから今スゲー嬉しい第一歩っつーか』(引用:河内遙『リクエストをよろしく』2巻 祥伝社)
何と言ってもリスナーに語りかけてる口調「あなたにですね 、話しかけてみたくなって」のセリフがあってすごい良さが・・良さしかない・・・。
— 血がたぎる読者にも響く台詞ですね!ありがとうございました!
CHAPTER #3
あだち充のSF時代劇?!
デザイナー・吉岡のイチオシ
— 吉岡さんはいろいろなことに詳しいですが、漫画もたくさん読んでますよね。吉岡さんのイチオシ漫画、気になります。
吉岡 僕は最近、これにハマってます。
あだち充さんの『虹色とうがらし』。是非読んでほしい。
— あだち充さんだと『タッチ』や『H2』などスポーツ漫画のイメージが強いですが、こちらはどのようなお話でしょうか。表紙を見ると、時代劇っぽい?
吉岡 時代劇、ではないんですよね。時代劇っぽい未来の話。長屋に暮らす、母親が他界した腹違いの兄弟7人が、正体不明の父親を探して旅に出る、というお話です。
— 面白そうですね…!でも、どうしてこの漫画を選んだのでしょうか。
吉岡 仕事から離れて息抜きになります。あだち充の漫画って、何かを誇張することなく、粛々と人間ドラマが描かれていくんですよね。だからとても身近に感じる。設定こそ時代劇っぽい未来ですが、『虹色とうがらし』もその世界観の中にリアルさがあって、面白いんです。
— いい意味で起伏がなく、別の誰かの日常を味わうことができる漫画なんですね。特に誰に読んでもらいたいですか。
吉岡 仕事を頑張りすぎている人(笑)。人生は複数の要素が相互作用して良い味を生み出していくのに、仕事中心になって、バランスが崩れるとその相乗効果が得られないと思うんです。だから、こういう漫画を読んで、たまには息抜きした方がいいはず!
— 吉岡さんらしい視点ですね。そうだ、「淡々とした」世界観だと、好きなキャラクターはいないのでしょうか。
吉岡 実はいるんです(笑)。ちょい役でしょ、って感じの忍者のキャラクター。半蔵っていうんですけど、実は主人公たちを陰ながらサポートしてくれていて、全編を通して重要な役割を担っている。愛着が湧くんですよね、「近所の優しいおっちゃん」みたいな。その半蔵が…あ、ネタバレだなあ(笑)。
— 気になるな〜…続きは自分で読んでみますね!
CHAPTER #4
甘さの一切ない世界で、泥臭い武士たちの生き様を描いた超名作
COO・満尾のイチオシ
— 満尾さんもかなりの漫画好きと聞きました!ズバリ、イチオシ作品なんでしょうか。
満尾 仕事、と言うことで『三国志』『グラゼニ』と迷いました。でも、自分にとって一番熱いのはやっぱりこれかな。
— おお、『バガボンド』ですか!人気作ですよね。
満尾 はい。宮本武蔵と佐々木小次郎、それぞれの半生と交差点を描いた物語です。メジャーすぎて説明もおこがましいです(笑)。
— 恥ずかしながら読んだことがないです。どういうところがオススメポイント?
満尾 どんな個性や魅力を持っていても、「剣の強さ」という絶対的な価値基準の中では、生死という結果で優劣をつけざるを得ない圧倒的な残酷さが描かれていて、その中で足掻いて、葛藤して、羨んで、妬んで、それでも「極める」ことの意味を探す。そういう登場人物たちの人間臭さですかね。 『ONE PIECE』みたいに、いわゆるチームありきで、「仲間」がコンセプトになっている漫画も多いかと思います。組織を作るべき立場としては、もちろん、それもすごく好きだけど、『バガボンド』はある種、正反対の描き方というか、突き詰めた「個」のストイックな描写に惹かれるんです。
— 経営者の視点で見ると、『バガボンド』の方が実社会に近いんですかね。
満尾 いや、『バガボンド』も『ONE PIECE』も両方あると思います。両方大事。
— なるほど…。どういう人に読んでもらいたいですか。
満尾 『バガボンド』は、フレッシュな社会人というよりは、どちらかというと、それなりの年月バイオリズムの高低を生きてきて、悶々と悩める中年の人たちにオススメな作品です(笑)。泥臭くてかっこ悪い部分を含めてかっこいいと感じてもらえるといいですね。
— 多分たくさんあると思うんですが、中でも一番グッときたシーンがあれば教えてください。
満尾 武蔵と吉岡一門との決闘で、一門の一人が、目の前の武蔵に発した言葉ですね。
『人は弱い 群れればいつしか初志を忘れる 己のほんとうを見失う 武蔵殿 我々皆が一度は目指したものにーーーきっとあんたはなれたんだ』(引用:井上雄彦『バガボンド』27巻 講談社)
彼らは名門だけに、そのほとんどの人が、組織の中で安堵して、自分自身と戦わず、足掻いてこなかった。でも武蔵と決闘して、かつての志をうやむやにしてきたことに気づいた、っていうシーンなんですが、現代においても超リアルな気がして、がっつりエグられた台詞です。
— その辺りは今の若者にも刺さる言葉な気がします。何が正解というわけではないですが、企業や肩書きから得られる「安心感」に焦りを覚えるというか。自分は1人で勝負できるのかというか。そういえば主人公の武蔵は悩まないんですか?
満尾 いや、武蔵はめちゃめちゃ悩んでるよ!むしろ悩んでばっか(笑)。強さを追い求めて鍛錬を積むけど、結局答えが出なくて悩み続けます。
— 悩んで足掻いているキャラクター、共感されますか?また、特に誰が一番好きですか?
満尾 共感しますね。答えなんて出なくても悩む過程で成長していくもんなんだって思わせてくれる。 一番好きなキャラクターは、祇園藤次っていう人物。一見スマートでかっこよさげなんだけど、ひねくれていて、超一流にはなりきれないある種凡人的なところが好きですね。
— ありがとうございます。すっごい読みたくなりました!
漫画を読んで仕事へのモチベーションを上げてみませんか
以上、A.C.O.漫画好きのメンバー(一部)からのイチオシ漫画でした。気になる作品はありましたか?私も今回のオススメ漫画をコンプリートしようと思います!
こうして「好きな漫画」を聞くと、その人独特の視点を知ることもできるから面白いものです。どの漫画も、考え方や成功・失敗のバランス、日常感など「リアルさ」があって、それこそが社会人にとってビビっと刺さるものなんだと感じました。9月、3連休が2回もあるので、気になる漫画を読んで、仕事のモチベーションをググッと上げてみるのもいかがでしょうか。
A.C.O.には、今回紹介してくれたメンバー以外にも漫画好きの仲間がたくさんいます。漫画が好きでデザインも好きという方は、ぜひご応募ください!
出典:
益田 絢子 / AYAKO MASUDA
ASSISTANT DESIGNER
上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、通信大手会社に勤めながら、京都造形芸術大学通信教育部情報デザインコース学士課程を修了。外資系ITコンサルティング会社でSEを経験後、現在に至る。UIデザイン担当。