これからの開発チームに必要なもの
この度AbemaTV開発チームではコアバリューとなる「行動指針」を決めました。
開局から1年間はまさに”なし” を “あり” に変えていく挑戦の連続。
インターネット上でテレビを再現することの技術的難易度の高さに向き合いながらも、徹底したユーザー視点をもってサービス開発に取り組んできました。その間、「スピード最優先」で怒涛の日々を過ごしてきました。
開局当時20名程度の開発チームはこの1年で倍になりました。入社した技術者はただ技術力が高いだけではなく「謙虚さ」や「周りへの敬意」をもった性格の良い方ばかりです。入社後すぐにチームにも打ち解けてくれ、予定通りチームの戦力強化を実現できたと思っています。
そんな中、ここから5年、10年と腰を据えてサービス開発を進めていくために「チームのコアバリュー(行動指針)」が必要だと感じました。
開発体制を強化する上で引き続き採用を強化していきますが、技術力の高い技術者をやみくもに採用してもチームは崩壊してしまうので、しっかりとした価値基準が必要です。また、サービスを開発していく上で判断に困った際、みんなが立ち戻れる心の支えがあることは重要だと思います。組織が大きくなればなおさらのことです。
サイバーエージェントにはミッションステートメントが存在しますが、これと共に開発チームのコアバリュー(行動指針)を機能させて、サービスの成長を支える強いチームを作りたいと考えました。
チームとして大切にしたいことは?
1周年に向けての怒涛の開発が一区切りついた4月某日、開発チーム全員でコアバリュー(行動指針)を考える合宿を実施しました。
約40名が6チームに分かれて、思い思いのキーワードを提案してくれ、計28個のアイデアが出ました。
「細部まで神」「心震える」「すぐやろう」「迷ったらシンプル」「AbemaTVにしか作れないものをつくる」「はたらいて笑おう」「不変を恐れろ」「謙虚/尊敬/信頼を忘れない」「テレビ品質を忘れない」「我々が一番のヘビーユーザーであれ」「新しい当たり前を作ろう」「真似されるくらいがちょうどいい」など。
みんなが議論をしている様子をみて感じたことがいくつかありました。
たとえば「シンプル」や「すぐやろう」といったキーワードは、日頃の開発の中でもよく出てくるものであり、チームみんなが心から大事にしていることなんだと気づけたことは良かったです。また、世の中に類似サービスがないオリジナルなサービスを作っているプライド、その挑戦を楽しんでいこうという意欲を感じ取れたことも大きかったです。
AbemaTV 開発局 行動指針
後日、合宿で提案された内容をもとに、技術幹部で最終的に行動指針を決めました。
AbemaTV 開発局 行動指針
− 迷ったらシンプルに
− テレビ品質
− 謙虚・尊敬・信頼
− すぐやろう
− フロンティアスピリッツ
1.迷ったらシンプルに
これまで「Simple is Best」「ユーザーファースト」「操作性」を重視してサービス開発をしてきました。さらにサービスを強化していく上で新機能や改善を繰り返していくわけですが、ともすれば「シンプルさ」を欠いてしまう恐れがあります。この「迷ったらシンプルに」はサービス作りにおいて開発者が立ち戻れる大事な軸として機能させたいと考えました。
2.テレビ品質
「テレビ」にはどんな時でも必ず利用できる「信頼」があります。電波というインフラは、ベストエフォートのインターネットと真逆なものです。それでも、画質・タイムラグ・表示速度・SLOなどテレビと同レベルの品質を追求し、視聴体験の品質向上に努めていきたいと思います。
なお、これまでインターネットの世界でクオリティの高いプロダクトを作るべくあらゆる努力を積み重ねてきました。この姿勢はこれからも変わることはありません。
3.謙虚・尊敬・信頼
サイバーエージェントのミッションステートメントに「能力の高さより一緒に働きたい人を集める。」という一文があります。「謙虚・尊敬・信頼」は、これを掘り下げたものになります。引き続き採用を強化していきますが、常に謙虚な姿勢を持ち、他者への尊敬を忘れずに、信頼し合えるような方とぜひ働くことができれば嬉しいと思っています。
4.すぐやろう
事業、ユーザーニーズ、技術など様々な側面で、サービスを成長させるためのチャンスが訪れてくるものです。そのようなチャンスを活かすために「すぐやろう」を行動指針の1つに掲げました。日常的に「すぐやろう」が飛び交う、スピード感溢れる開発チームであり続けたいと思います。
5.フロンティアスピリッツ
「AbemaTV」は世の中を見渡してもどこにもないサービスです。技術的な進歩や市場の変化が激しい中で、全く新しいサービスを開発する我々には市場を切り拓き成功をおさめるための強い精神が必要です。チーム全員で「フロンティアスピリッツ」を持ってAbemaTVのビジョン(インターネット発のマスメディアを創る)を必ず実現したいと思います。
また、いつでもメンバーの目に触れられるよう、ポスターを作成し開発フロアの入口に掲載しています。
さいごに
2016年4月の開局以前からAbemaTV開発チーム内には、不文律でありながらも ”インターネットテレビ局” としての品質へのこだわりと、「新たな文化を生み出している」という強いプライドがありました。
開局2年目となったこのタイミングに行動指針を決めましたが、これを開発チーム全体に深く浸透させ、「AbemaTV」成長を支えるより強いチームへ進化するための起爆剤にしていきたいと思います。