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2年半で14人→83人。拡大する「AbemaTV」開発チームを率いるうえで大切にしてきたこと

今年で第3回目の開催となった「AbemaTV Developer Conference 2018」

これは年に1度、AbemaTVのエンジニアが集結し、開発で溜めた技術的知見を公開するテックカンファレンスです。

今回は「PAST→FUTURE」をテーマに、過去・現在・未来の3つの時間軸でAbemaTVが取り組んできたこと、未来構想などが、14セッションにわたり紹介されました。

Keynote「AbemaTVはネット発のマスメディアを創る」では、開発本部長の長瀬が開発チームを率いるうえで大事にしていることについて明かしました。

長瀬慶重(ながせ のりしげ)AbemaTV 開発本部長

2005年にサイバーエージェント入社後、アメーバブログやコミュニティサービスなどの開発を担当し、2014年に執行役員に就任。「AbemaTV」開発本部長を務めるほか、技術政策室室長として、エンジニアの採用や、技術力をさらに向上するための評価制度などの環境づくりにも注力している。

経営にいかに選択肢を与えられるか?

開発組織に求められるものは「プロダクト」「クオリティー」「テクノロジー」の3つである、と長瀬は切り出しました。

1つ目の「プロダクト」については、ユーザーのニーズに対して満額回答できる開発力があるかどうか。これは私自身、50以上のプロダクト開発に携わる中で感じてきたことですが、時流にあったユーザーのニーズを逃さないことが非常に大事だということでもあります。時代より、早くても遅くてもいけない。世の中に合わせたタイミングでスピード感を持って開発できることが大事なのです。
2つ目の「クオリティー」は、市場の中で競争力になるような品質が提供できるかどうか。例えばAbemaTVのチャンネル切替えのザッピングは手前味噌ながら、非常にスムーズな映像切替えです。細部のUXに対してもどれだけ優れた品質を突き詰められるか。これは市場において競争力になる部分です。
3つ目の「テクノロジー」は、技術の力で新たな可能性を提供できるかということ。事業アイデアでプロダクトを創ることもありますが、局面局面においては、革新的な技術・テクノロジードリブンで、新しい可能性や競争力が生み出されるからです。
これらの3つの開発力を駆使して「経営にいかに選択肢を与えられるか?」これが開発チームにとって大事なことだと考えています。(長瀬)

組織開発の構成要素は主に上記の5つだと語る長瀬。「今日お話することは、多くの企業で当たり前に実施している施策も多く紹介されると思います」と事前に断りを入れながらも、当たり前の施策も組織のフェーズ・自分たちのカルチャーに沿って、施策をタイムリーにやり続けることが大事であると述べ、「Personal」「Teamwork」「Management」の3つについてAbmeaTVの取り組みを紹介しました。

個人に権限と裁量与えることでエンパワーメントを最大化させる

1つ目の「Personal」は個人のエンパワーメントをどれだけ発揮できるか、ということです。

私たちの開発組織は縦軸にOKRにコミットするProject、そして横軸に技術的な品質にコミットするTechTeamというマトリクス型の組織構成になっています。OKRは約1年前からスタートし、トライ&エラーを繰返しながら四半期ごとに見直し、ようやく板についてきました。TechTeamにはプログラムの品質、短期的なものに加えて中長期の品質にもコミットすることをお願いしており、時には大規模なリファクタリングを実施するなど、品質向上に関する様々な取り組みをしています。
個人のエンパワーメントを発揮するうえで大事なことは「個人に権限・裁量を与えた上で自発的に働いてもらう」ことです。強みは人それぞれ違うので、それぞれの強みを生かすうえで、サービスや事業だけでなく、”技術”という領域にもきちんと活躍できるフィールドを提供するために、このマトリクス型の組織構成を採用しています。(長瀬)

エンジニアのヒエラルキーはエンジニアが創るべき

AbemaTVでは7段階のグレードに応じた評価制度を導入、報酬に関しては各グレードごとに幅を持たせて、半年に1度見直されます。当たり前のことですが、ここで大事なのは、エンジニアのスキルは同じチームの上位グレードエンジニアが評価することです。エンジニアのヒエラルキーはエンジニア自身が創るべきだと考えています。(長瀬)

また個人の力を発揮してもらうために、納得感のある技術評価と報酬は欠かせない、と語る長瀬。これについてAbemaTVでは昨年〜今年にかけて人事評価クラウド「HRBrain」の導入と、キャリブレーション(評価協議会)の2つの取組みを開始しました。

「HR Brain」の導入ですが、これは目標設定の精度上げを目的に取り入れました。それまでみんなの目標はエクセルやスプレッドシートで管理していたのですが、どれだけ細かな評価基準があったとしても、目標設定の精度が上司に依存してしまうことに課題を感じていました。そこで「HR Brain」を活用して、全員の目標をチーム内に公開したのですが、これによって、同グレードのエンジニアの目標を横軸で見ることが可能になりました。私たちの言葉では目線合わせ・目線上げと言っていますが、目標を共有することでお互いに良い刺激を与えあい、目標設定の精度上げにつながりました。もう1つのキャリブレーション(評価協議会)の実施ですが、先日AbemaTVにいる10人の評価者で約40人分の評価すり合わせを3時間かけて実施しました。
やはり人の成長に対して大人数で議論することは非常に意義があり、新たな発見もありました。今後もブラッシュアップして続けていくつもりです(長瀬)

採用の最終決定権は現場が持つ

続いて「チームワーク」のお話です。AbemaTVではチームワークを高める上で、長瀬が大事にしていることが3つあります。それは「採用」「交流」「褒める文化」です。特に採用については、開発本部長である長瀬に最終権限はなく、現場のエンジニアに委ねられているといいます。

チームワークを大事にするうえで、カルチャーフィットは非常に大事です。私がどんなに良いと思っても、現場が一緒に働きたいと思えなければ意味がありません。だから私が最終決定権を持つのではなく、現場のエンジニアが面談などを行い、最終判断してもらいます。(長瀬)

また長瀬は社内の懇親会を積極的に推奨しています。決して強制ではありませんが、シャッフルランチ・毎月の懇親会・宅配ピザの日、など会社が全額負担のうえ、様々な切り口で月に何回もコミュニケーションできる機会が意識的に作られています。その他AbemaTVでは褒める文化も大事にされており、Slackでは日々さまざまなトピックスが流れています。

素晴らしい成果をあげる社員を表彰することは、本人のモチベーションを上げることはもちろんですが、こういう人材になって欲しいという組織メッセージになります。(長瀬)

組織の拡大にあわせて、テックリードの育成を強化中

(ピンクはテックリードを担っている)

現在80人を超えるエンジニア組織となるAbemaTVでは、マネジメントにおいて長瀬・CTO・VPoEに加え、7人のエンジニアを集めた「Board」メンバーに力点を置き、ここで事業・エンジニアリング・環境・評価などほぼ全ての意思決定を行なっている、と長瀬は述べました。

組織が拡大する中で、ピープルマネジメントをどうコントロールするか?というテーマがありました。現在テックリードが15人、それ以外が52人。1人が見れる人数には限りがあるので、今後はテックリードの育成強化をして、ピープルマネジメントが破綻しない形で組織を拡大しようと思っています。(長瀬)

トップダウンではなく、ボトムアップの流れを欠かさない

組織が拡大しても、ずっと大事にしていることの1つに”ボトムアップの流れ”があります。先日、藤田社長に新機能や改善案を出す会議があったのですが、開発人員総出で集まり、541案のアイデアを出しました。エンジニアのアイデアを形にするために、トップダウンではなく、ボトムアップの流れは欠かせないと思っています。(長瀬)

あらゆる世代がネットで動画を見る時代がすぐそこに

このグラフは、国内のインターネットのピークトラフィックの推移を表しているのですが、今年の5月の時点で約12.5テラと、この数年加速度的に伸びています。2021年には動画に関するトラフィックが全体の80%を超えるという話が、昨年CiscoのWhitePaperでもあるように、動画サービスの利用が今後ますます高まることは間違いなく、取り巻く市場環境も大きく変化します。1つはインフラの進化。5Gは2020年をターゲットに普及し、通信速度は約100倍になります。また、携帯料金の値下げの話も出ています。デバイスに関しても、これから出荷されるテレビの多くはネット接続前提のものになります。さらにテレビの買替え時期が2020年だという予測も出ており、あらゆる世代がネットで動画を見る時代がすぐそこに来ています。
そして動画の技術も日々進歩しています。映像配信技術・圧縮技術・4K・8K・VR、そのような技術がめざましく進歩を遂げています。AbemaTVはリニア配信・オンデマンド配信、2つの形態を持つことで、国内外見てもオンリーワンの動画配信サービスだと思っています。開局から2年半が経ち手応えを感じているものの、まだまだ勝負は続きます。我々は50年に1度のマスメディアを作れる機会に遭遇していると思っていて、ようやくその挑戦権を得られたフェーズ。ここから圧倒的なユーザーベースを持つことが至上命題で、技術的なハードルがまだまだあります。開発チームとして、そのハードル・もしくは新しい付加価値を積極的に野心的に挑戦したいと思っています(長瀬)



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