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新規事業の影にこの人あり。数ある挑戦を牽引してきた百々さんが、挫折を経て第一線で活躍するまでの話。

アフィリエイト広告の運用を得意とする広告代理店として業績を伸ばしてきたa-works。検索エンジンのアップデートやSNSの台頭など、インターネット市場や消費者行動が急速に変化するなか、a-worksではさまざまな事業を立ち上げチャレンジを重ねてきました。

今回は、a-worksの数ある挑戦を牽引してきた人物である百々(もも)さんを直撃!これまで語られてこなかった過去の挫折や成功について詳しく話を聞きました。Web広告業界の第一線で活躍してきた百々さんが考える「マーケターに向いているタイプ」についても紹介します。

【百々さんのこれまでの実績の一部】
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入社5ヶ月でリーダーに大抜擢!からのまさかのクビ宣告

ーー前職はツール開発の会社にいらっしゃったんですよね。技術畑から営業職への転職って珍しい印象があります。

百々:もともと、技術会社では当たり前となっている「開発の工数=人工(にんく)で見積を出す」という考え方にものすごく疑問を持っていたんです。人工の考え方では、スキルの高い人が短時間でつくる想定だと見積額が安くなるケースもあり、個々が積み上げてきた技術を正当に評価する仕組みではないと感じていました。そんなときに野山さん(社長)と出会って成果報酬型広告という存在を知り、「成果報酬」という言葉の響きがいいなと思って2015年7月にa-worksに入社しました。

アカウントプランナー(以下 AP)として入社したものの、前職の経験を活かせるとのことで、最初に手掛けたのはクライアントのECサイトのカート構築支援でした。同時に、当時は違反広告を検知するツールを社内で開発していたのですが、そのディレクションにも少し関わらせてもらったり。

カート構築支援を手掛けたクライアントの広告を配信する際、未経験者にもかかわらず完成したLPに対してディレクターに「うまく言語化できないけどなんかダサい気がする」と伝えたら「遠慮なく言ってくれてありがとう、なにがダサいと感じる要因なのかを一緒に考えていこう」と受け入れてくれて、一緒に考えたり意見交換したりしながら、いいポイントやよくないと感じるポイントを整理していきました。結果的にそのLPは関係者からも「直してよかった」と評価いただいたのですが、社内からは「クリエイティブわからんのに勘だけで口を出してくるやつがおるらしい」と言われていましたね。

入社して5ヶ月後、会社の方針としてチームを大幅に変えることになったタイミングで「広告やマーケティングの知識はまだ浅いけど、マネジメントができて言うべきことを言うやつ」という点を見込まれて広告運用チームのリーダーに抜擢してもらいました。

ーーすごい!大抜擢!

百々:でも、そこから暗黒時代に突入します(笑)

当時は今よりも「リーダーはエース」みたいな空気感があったのですが、そのときの僕はまったくの実力不足。早々に大手クライアントを担当させていただいたものの、まず、みんなが話している内容についていけない状態でした。そうこうするうちに、先方から「百々くんは担当から外してくれ」とクビ宣告を受けることに…。もちろんチームリーダーとしても成果を出せるわけがないし、野山さんに「価値を出せてないから辞めます」と伝えたのが2016年の2月ですね。

ーー入社からわずか半年の出来事とは思えないほどのスピード感ですね。

百々:退職は思いとどまったもののリーダー職は降り、その後、APとして新たにいくつかのクライアントを担当しました。遅まきながらだんだんとビジネス全体がわかってきたころ、先輩に「このタイミングでもう1回基礎をインプットしてみたら」と言われ、入社時にも読んだマーケティング関連の専門書を改めて読み返してみたんです。そうしたら、自分でも驚いたんですが、書いてあることが全部理解できて。「なにを言ってるのかわからない」と感じていたあのときの打ち合わせの内容はこのことだったんだ、とか、今抱えている案件は知らず知らずのうちにここに注力していたな、とか。今思うと、初心者の段階からレベルの高い打ち合わせの場に同席させていただいたことが大きく影響したのだと思いますが、それがきっかけで「もう1度a-worksでチャレンジしよう」との思いを強くしました。

トップマーケターとしてカンファレンスに登壇。市場変化に対応すべく新規事業を立ち上げ

百々:自分が手掛けているビジネスへの解像度が高まったことで相手が言っていることもしっかり理解できるようになり、既存クライアントの数字も徐々に改善。その後、新規クライアントの案件を任されたんですが、以前よりボトルネックだったシステム側の問題を解消することに手間取ってしまい、運用がスタートしてから数ヶ月経っても結果が出せず…という状態が続きました。

ーー定期的にトラブルに見舞われる運命…

百々:とはいえ、商品とそのブランド力には大きなポテンシャルがあると確信していましたので、クライアントに「半年で獲得件数を倍にします」と宣言。打つべき手を考え抜き、目標を大きく上回ることができました。この商品はもともと同ジャンル商品のトップシェアを誇っていたのですが、一連の施策の効果もあり2位以下の商品を大きく引き離すことができ、クライアントにも非常に喜んでいただけたことを覚えています。

目標達成に向かって試行錯誤を繰り返す日々のなかで、自身の成長を初めて実感できたプロジェクトでもありました。大きな成果を得るにはそのぶんのリスクテイクが必要であることを学びましたし、覚悟を持って踏み込んだ提案を受け入れてもらい、期待以上の結果を出せた喜びは大きかったですね。

目標達成に向かって試行錯誤を繰り返す日々のなかで、自身の成長を初めて実感できたプロジェクトでもありました。大きな成果を得るにはそのぶんのリスクテイクが必要であることを学びましたし、覚悟を持って踏み込んだ提案を受け入れてもらい、期待以上の結果を出せた喜びは大きかったですね。

ーーその結果を引っ提げてダイレクトアジェンダ※に登壇されたわけですが、社外からの反響も大きかったのでは。例えば…引き抜きの打診とか(笑)

※直販・通販事業に携わるトップマーケターが集結する合宿型カンファレンス

【参考記事】DA2019登壇!成果報酬型広告と2万時間向き合って気づいた、「事業を伸ばす上で1番大事なこと」

百々:予想以上に影響が大きかったですね。有名なマーケターの方から一緒に仕事しようと声をかけていただいたり、おっしゃるように、他社からのリクルーティングもありました。もちろん悪い気はしなかったんですけど、こうして結果を出せたのは尊敬できるメンバーに囲まれて仕事ができているからだと実感していましたし、新しいことにチャレンジさせてもらえる社風や、成果に対してきちんと評価してくれる会社の姿勢がとても気に入っているので他社に移りたいという気持ちは湧きませんでした。給与や制度などの待遇面もまったく不満はなかったですし。

あとこれは個人的な意見なんですけど、マーケターとして注目されたとき、大きく2種類のタイプに分かれると思っていて。一方は、個人の力を伸ばす人で、一方はその力を周囲に広げる人。自分は後者がいいなと思ったんです。

…と言いながら、再びのリーダー就任後また2度目のチーム崩壊を向かえるわけですが(苦笑)

ーーなぜ!

百々:当時また広告運用チームのリーダーを務めていたんですが、検索エンジンの大型アップデートなど市場の変化が重なり、これまでの手法ではまったく件数が獲得できなくなっていました。詳しくは2019年の社長ブログを見ていただければと思いますが、とにかく業績が大きく落ち込みました。

【参考記事】2019NENMATSUの振り返りを

確固たる答えがない中なんとか対処療法で食いつなごうとはしていたんですけど、こちらの指示に対して納得感がないし成果も出ないなど、よくない要因が重なって退職者が相次ぎました。かといって残ってくれたメンバーから信頼されているわけではなく、僕が発言するたびに嫌な空気が漂っていることを感じていましたし、気づけば、以前のようにランチを食べながら意見交換したり、仕事終わりにみんなで飲みに行く、といった時間もなくなっていました…。

そうしたなか、社長やリーダー陣との度重なる話し合いを通じて、新しく自社メディア事業をスタートさせることが決定。成功させるためには、他業務との兼任でなく全力でリソースを投じる必要があるとの経営判断により、僕がリーダーを務めるメディアチームが結成されました。

新規チームで最初に手掛けたのは、SEOに強い企業のドメインの傘下に新しくアフィリエイトメディアをつくること。これは、広告運用をメインに手掛けてきたa-worksにおいて、違う事業での売上を立てられるきっかけになったと自負しています。その成功をきっかけに、クリエイティブコンサルや予算運用など、現在につながるさまざまな事業の展開につながっていきました。

今振り返ると、運用チームのリーダーよりもメディアチームのリーダーのほうが適正があったのだと感じています。あのタイミングでメディアチームを率いた経験は現在の仕事にも活きていますし、僕の適正を見抜いてくれた野山さんに感謝しています。

広告を扱う側は、繊細すぎるくらい「顧客体験」に心を寄せるべき

ーー現在百々さんがリーダーを務めるアレンジメントマーケティングチームは、「個々の専門性を活かし、a-worksの花形事業を増やすべく、秘孔を突く」「a-worksのできることを増やす。選択肢を広げる」を掲げています。具体的にはどのようなことを手掛けているのでしょうか。

百々:市場の浮き沈みや事業の立ち上げ・撤退などを経験してみて改めて思うのは、自転車操業的に、事業や施策をつくってはすぐ枯らすことを繰り返すのはしんどいな、ということ。もちろん、成果が出続ける施策なんてものは存在しないしあらゆるものには賞味期限があるとは思っているんですけど、少ない手間で少しでも長くパフォーマンスが出続ける施策はないだろうかと常に考え、社内外に提案しています。

そしてそのヒントを得られるのは、やはり過去からの経験によるものが大きい。これまでに経験してきた取り組みや結果のひとつひとつをしっかり理解しているかどうかで、その後の応用に役立つと思っています。

また、基本的な話に立ち返ると、マーケティングの知識を持ったうえで、顧客目線を持つことが結局はめちゃくちゃ大事なのだと実感しています。僕、一消費者としては昔も今も広告が嫌いなんですよね。そして世の中には、広告が好きな人より嫌いな人のほうがぜったいに多い。でも、現代の世の中のほぼすべての場所に広告があることもまた事実です。僕が今吸っているタバコだって、広告で見かけなかったら知らなかったかもしれない。おしゃれな広告を見て心が動いた経験もありますし、新しい出合いをつくってくれたという意味では感謝もしているんですけど、やっぱり基本的には好きじゃない(笑)。だからこそ、広告を扱う僕たちは、繊細すぎるくらい「顧客体験」に心を寄せるべきだと思っています。

ですので、LPやバナーなど一つひとつのクリエイティブはもちろんのこと、商品を知ってから購入するまでの体験が「気持ちよくて納得できる」ことがとても重要だと感じています。本来そうした消費者の感情を可視化することはとても難しいのですが、現在a-worksではそれらを可視化し分析することでより気持ちのいい顧客体験につなげられる新しいプロダクトを開発し、まずは社内でその活用を進めています。

ーーなるほど、本日の話を聞いて、百々さんにとって「マーケター」という肩書きは通過点にしか過ぎないのだなと感じました。今後は経営に近いポジションをめざされる感じですか。

百々:どうですかね。あまりそこに重きを置いてはいないんですけど、負けん気が強い性格なので、入社時から変わらず「野山さんについていきたい」より「野山さんに勝ちたい」という気持ちのほうが強いんです。勝ちたい、もしくは別の領域での知識を武器に対等に話せる存在になりたいとはずっと思っています。

ーー最後に、百々さんが考える「マーケターに向いているタイプ」ってどんな人でしょうか。

百々:あくまでも僕の意見になりますが…あらゆることに「意味づけ」をするのが好きな人ですかね。担当する広告媒体だけじゃなくて、コンビニの棚を見ても街の看板を見ても「なぜこうなっているんだろう」と疑問に思える人はマーケターに向いているような気がします。あと、この業界にはツワモノが多すぎるので、負けん気の強さもあるといいかもしれないです(笑)


若手に向けた勉強会もたびたび開催

リモートでの仕事を終えたあとは鳥貴族に集合

昨年の社員旅行にて!


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