皆さんはLSI(Large-Scale Integration=大規模集積回路)をご存知ですか? スマホやパソコンの基盤についている、黒くて四角いチップの中にある回路のことです。「半導体」という大きなカテゴリーの中の一つ、と考えていただくとイメージしやすいかもしれません。
今日は、最近観たNetflixドラマと絡めて、LSIの世界を少しご紹介します。
きっかけは『三体』の「人間そろばん」
2024年配信開始のNetflixドラマ『三体』。中国発の傑作SF小説を原作にした、地球外文明とのファーストコンタクトを描く作品です。
劇中に「人間そろばん」と呼ばれる印象的なシーンがあります。3000万人もの兵士が巨大な隊列を組み、一人ひとりが旗を上げ下げすることで、人間そのものが巨大な計算装置になり、太陽の動きを計算してみせる場面です。
▼参考シーン https://youtu.be/DFgRNY6fpOc?si=fCq0vvYW7sr6CQqS
実はこの仕組み、LSIの中で起きていることによく似ています。
「白」と「黒」、2つの状態がすべてを支えている
このシーンで面白いのは、兵士が掲げる旗が「白」か「黒」の2色しかない点です。コンピューターの中でも、すべての情報は電圧の高い・低い、つまり「0」と「1」だけで表現されています。
なぜ2値なのか。それは、ノイズに強いからです。電圧が中途半端な値を取るアナログ的な表現だと、わずかなノイズで情報が壊れてしまいます。「高いか低いか」の2択なら、多少の揺らぎがあっても判定を誤りにくい。このシンプルさが、そのまま信頼性につながっています。
この0と1を、
- AND回路:両方が1のときだけ1を出す
- OR回路:どちらかが1なら1を出す
- NOT回路:0と1を反転させる
というシンプルな部品(ゲート)の組み合わせだけで、「足し算をする回路」「記憶する回路」「命令を実行する回路」が作られていきます。劇中の兵士たちが隊列単位で連携して複雑な演算を成し遂げていたように、LSI設計もまた、膨大なゲートの組み合わせを、性能・消費電力・面積のバランスを取りながら組み上げていく仕事です。
そして今、一番身近な「人間そろばん」と言えるのがAIです。私たちが何気なくAIとチャットをしている裏側では、世界中のデータセンターで何百億、何千億というトランジスタが、1秒間に何十億回という速さで0と1を反転させ続けています。普段のAIの快適さは、この途方もない反復運動によって支えられているんですね。
九州は「シリコンアイランド」
LSIをはじめとする半導体産業、実は九州に大きな集積地があります。半導体関連企業や工場が集積していることから「シリコンアイランド」とも呼ばれ、近年は大手半導体メーカーの進出も相次ぎ、世界から注目を集めているエリアです。
熊本・菊陽町にはTSMCの大規模工場があり、福岡・百道浜には「福岡システムLSI総合開発センター」という研究機関もあります。実際に九州でエンジニア採用をしていて、このエリアの熱量を肌で感じます。
私たちシーディアでは、LSIエンジニアを募集しています
そんなLSI設計の世界に関わってみたい方、あるいはすでに経験をお持ちの方へ。株式会社シーディアでは、半導体の集積地である九州を拠点に、LSIエンジニアを募集しています。
0と1が生み出す複雑で奥深い世界に、私たちと一緒に向き合ってみませんか。