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3DPCの日常① ~AIを活用した特許取得~

3DPCの日常を伝える記事を投稿する第1弾!

今回は3DPC CTOの古賀が「AIを活用した特許取得」についてお話しします。


我々のようなベンチャー企業にとって、特許とは自分たちの価値あるアイデアを他人にコピーされないための予防線あるいは、多くの人に活用してもらって一気に成長するための起爆剤としてとても重要なツールです。

初めての特許作成

初めての特許作成に当たり、いろいろと特許を見て回ったところ、その文章は極めて専門的な用語で構成されていて面食らったのを思い出します。

「特許文献1に開示された~は、」「本体451内において受け部451cと第1開口451aとで~」、「第16の態様は、第15の態様に基づく~」、「前記押圧部材と前記筒部は~」

特許文献という過去の公開情報との比較と新規性の主張、分かりにくくしているようにしか見えない整理番号、大量に現れる「前記~」、聞きなれない専門用語であろうワードたちが初心者を苦しめます。

この中で気づいたことは、自力で特許文章を作り切るのは難しそうだということ。そして、過去の公開情報として公開済みの先行特許をたくさん調べなければならないということでした。



AIアシスタントとの出会い

3DPCの今後を考えると先行特許の調査は自ら行う必要があり、一方で途方もないその作業を1から自力でやる気にはなれませんでした。そこで、出会ったのが特許調査のAIアシスタントソフトでした。

AIアシスタントは、公開を目指す特許のキーワードを入力すると、入力したワード及びその関連用語との相関が高い順に特許を検索するソフトウェアで、技術的には入力値に対する相関値を出力し順番に並べるシンプルなソフトながら効果は絶大です。専門家が数日かけて行う先行特許の調査を、数時間で実施することができます。しかも検索範囲は世界です。

本来ならもっとかかったであろう人生初の事前調査を1日半で終えて、特許のドラフトにスムーズに移行することができました。



特許事務所とAIの活躍 特許申請

特許のドラフトを書き終えて、特許事務所との打ち合わせをしました。事前調査はあまりしないクライアントが多いそうで、事務所の方に驚かれました。打合せ時に私が考えていなかった範囲の類似特許の追加調査をサジェスションいただき、再度AIアシスタントの活躍となりました。

2度の調査を経て特許はドラフトから申請用へとアップデートされ、特許申請に至りました。特許作成開始から出願まで1か月少しで終了し、初めてとしてはかなり順調な特許作成だったかと思います。

特許事務所さんの貢献は大きく、私のドラフトから過不足なく意図をくみ取り、特許特有の文章を構成していただいたことは感謝です。


初めての特許審査と拒絶理由通知

審査請求の後、少し時間が空いて特許審査の面接が開催されました。コロナウイルスの影響もあってか、初の面接はウェブ会議を介して特許事務所の方と共に臨みました。

特許審査にはベンチャー支援制度があり、時間と金銭の両面で非常に助かりました。

面接後、事務所の方から「こんなに真剣に聞いてくれる面接官は非常に珍しい」と、加えて「真剣に聞いてくれたのは熱意をもってわかりやすく説明した古賀さんのプレゼンが大きい」と言っていただきました。

その後、特許庁から拒絶理由通知が届きました。

拒絶理由通知とは、特許庁から「類似する特許が数件あるので比較して新規性を明確化してください」をまとめてお堅い文章にしたものです。知らずに受け取ると「あんなにフレンドリーな面接だったのに!」と愕然とします。(知らずに拒絶理由通知を見たら辛い)


特許公開

特許事務所の貢献により拒絶理由通知に解答を作成し、特許公開に至りました。初めての特許申請だったため、非常に嬉しかったことを覚えています。AIアシスタントを用いたことで初めてでもスムーズに特許公開までの道を進むことができたと非常に満足しています。


まとめ

3DPCは若いベンチャーということもあり、何をするにも初めての事だらけです。その中で、新しい取組みをより効果的により成功率高く進行するための手段として、今まで取らなかった選択肢を選ぶことを躊躇しません。常により良い選択肢を模索し取り入れる姿勢は、3DPCが素早く変化し成長を続ける1つの原動力だと思っています。

今回の特許のストーリーは3DPCの日常の1例に過ぎず、毎週のように新しい取り組みや選択を繰り返し成長しています。今後も定期的に3DPCの日常を取り上げていこうと思いますので、ぜひフォローして3DPCのことを知ってくださると嬉しいです。

ではまた!

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