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初任給の平均は?学歴や企業規模、業界別の初任給を徹底解説


志望する企業の初任給は、多くの人が気になるでしょう。なかには、初任給の平均額を知ってから志望先を決めたいという人もいるのではないでしょうか。本記事では、学歴や企業規模、業界別での平均初任給と高収入を得るためのポイントを紹介します!

そもそも初任給とは?

はじめに、初任給とはどういったものなのか、基礎的な知識を以下にまとめます

初めてもらう給与

初任給とは、企業に就職して初めてもらう給与のことです。給与は主に個人の能力や経験に応じて定められる『基本給』と、通勤費や住宅費、残業代などが含まれる『手当』で構成されています。

基本給は毎月の給与以外に、ボーナス(賞与)を計算する際にも使用されます。多くの場合、求人の中に『賞与額は基本給の2カ月分(昨年度実績)』といった形で記載されています。

手当の金額は各従業員の通勤距離や家賃、扶養などによって細かく変動します。そのため同じ年齢かつ同じ入社時期でも、初任給の総額が異なる場合があるということを知っておきましょう。


額面と手取りの違いを知っておこう

給与の振込日が近くなると、各従業員に給与明細が配布されます。給与明細には基本給と手当を含めた給与の総額が、『総支給額』として記載されており、この金額のことを『額面』と言います。

実際には額面通りの金額が振り込まれるわけではなく、ここから各種保険料や税金が差し引かれた『差引支給額』が、自分の銀行口座に振り込まれる『手取り給与』となるのです。

そのため給与明細をもらったときは、必ず差引支給額を見るようにしましょう。

学歴別の初任給

一般的に、初任給は学歴によっても変動すると言われていますがそれは事実なのでしょうか。ここからは、学歴別の初任給についてまとめます。


高卒は約17万円、大卒は約21万円

学歴によって初任給が変動するのは事実であり、細かく分ければ『大学院卒』『大卒』『専門学校卒』『高卒』『中卒』の五つに分類できますが、ここでは『高卒』と『大卒』での初任給の差を比較していきます。

厚生労働省による調査では、高卒の平均初任給は約17万円、大卒の平均初任給は約21万円というデータがあります。

高卒の方が社会に早く出られる分、お金を稼げると考えている人もいるかもしれませんが、毎月約4万円ずつ収入に差が出てしまうので、長期的に見ると大卒の方が高い給与を得やすい計算になります。

参考:令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給|厚生労働省


生涯賃金にも大きな差が

毎月約4万円の収入差が出てしまうことに加え、昇進や昇給などによっても給与が変動します。そのため、生涯賃金(人生において得られる給与金額)にも大きな差が出てしまうのです。

労働政策研究・研修機構の調査によれば、高卒者の生涯賃金(退職金を含めない)は、男性で約2億1000万円、女性で約1億5000万円であるのに対し、大卒者は男性で約2億7000万円、女性で2億2000万円という結果が出ています。

高卒と大卒で生涯賃金に非常に大きな差があることが分かっており、生涯賃金に差が生まれることで、定年退職後の生活水準にも影響するでしょう。

参考:ユースフル労働統計2020 ―労働統計加工指標集― P.316-317|独立行政法人 労働政策研究・研修機構

そのほか平均初任給の違い

平均初任給を左右する要素は、学歴以外にもいくつかあります。ここからは、どのような要素が初任給の金額に影響を与えているのかを解説していきます。


企業規模別の平均初任給

初任給の平均金額を左右する大きな要素だと言われているのが『企業規模』です。

ここでは、『大企業(常用労働者1000人超)』『中企業(常用労働者100~999人)』『小企業(常用労働者10〜99人)』の三つにおいて、大卒者と高卒者の初任給がどのように変動するのかをまとめます。

大企業に就職した場合の初任給

  • 大卒者 約21万3000円
  • 高卒者 約16万8000円

中企業に就職した場合の初任給

  • 大卒者 約20万8000円
  • 高卒者 約16万6000円

小企業に就職した場合の初任給

  • 大卒者 約20万3000円
  • 高卒者 約16万8000円

データを見ると、企業規模によって初任給の平均金額に多少の差はあるものの、学歴による差ほど大きな違いはないことが分かります。つまり、大企業だからといって必ずしも初任給が高いとは言い切れないのです。

参考:令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:2 企業規模別にみた初任給|厚生労働省


地域別の平均初任給

企業規模のほかに初任給の金額に関わる要素と言われているのが、『その会社がある地域』です。

厚生労働省が発表した都道府県別の平均初任給のデータでは、一位が東京都、二位が神奈川県、続いて三位が大阪府、四位が千葉県といった順番になっており、関東圏の平均初任給が高い傾向が読み取れます。

一方、平均初任給が低い地域は、沖縄県や青森県、秋田県などです。ただし地方になると都心に比べて物価が安いこともあるので、初任給が低いことが一概に悪いことであるとは言い切れません。

参考:令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況(付表3)|厚生労働省


業界別の平均初任給

就職する業界によっても初任給の平均額は変動します。

厚生労働省の調査によると、大卒の場合、令和元年における『学術研究、専門・技術サービス業』の平均初任給が約22万7000円、高卒の場合『建設業』の平均初任給が約17万6000円で、最も高い初任給がもらえる業界となっています。

一方で、ノルマの達成が給与に影響する金融・保険業や、年功序列の風潮が根強く残る運輸・郵便業は、平均初任給が低くなる傾向にあるようです。

参考:令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:3 主な産業別にみた初任給|厚生労働省

高収入の仕事に就くためには

さまざまな要素によって初任給の金額は変動します。高収入を実現できる仕事に就くためにはどのような行動を起こすべきなのでしょうか。

ここからは、高収入の仕事に就くために意識すべきポイントを紹介します。


キャリアプランを明確にする

高収入を実現するためには、昇進や昇給などのキャリアアップが欠かせません。そのため、『自分がどのようにキャリアアップをしていきたいのか』というキャリアプランを明確に設計しておきましょう。

キャリアプラン設計の方向性は人によってさまざまです。具体例として『一つの会社に長く勤めて昇進していく』『数年間の経験を積んだら、今よりも待遇の良い会社に転職して収入を上げる』といったことが挙げられます。

また、さまざまな業界・職種を転々とするのではなく、一つの業界・職種におけるスキルを磨き続けたほうが、順調にキャリアアップしていけるでしょう。


資格で収入をアップする

今の仕事で収入をアップさせたいときは、仕事に関連する資格を取得するのがおすすめです。ただし、関連する資格であればなんでもいいわけではありません。

『業界内・会社内で取得している人が少ないが、需要の高い資格』を調べて取得を狙ったほうが、周囲からの評価も上がりやすいでしょう。

そのほか、宅地建物取引士や行政書士といった難関資格と呼ばれる資格を取得できれば、給料の高い専門職に就けたり、転職活動におけるアピールポイントになったりもします。


スキルを身につける

社会人経験が浅いうちは、スキルがなく仕事に慣れるのに精一杯であることがほとんどです。そのため、基本給の金額も必然的に少なくなります。

しかし、社会人としての経験を積み徐々にスキルが身についてくることで、手当が付いたり、基本給を上げてもらえたりします。

給料が少ないからと諦めて転職してしまうのではなく、スキルが身につくまでは継続することで、その後の転職活動もうまくいく可能性が広がります。

学歴が不安な人におすすめの仕事

『学歴社会』という言葉があるように、日本では学歴によって収入や昇給のスピードが決まってしまう風潮があります。自分の学歴に自身が持てず、不安を感じている人にもおすすめできる業界・職種を紹介しますので、ぜひ転職活動を行う際の参考にしてください。


成果報酬も期待できる営業職

営業職は企業にとっても需要が高いので、学歴やキャリアに関係なく就職しやすい職種です。さらに『インセンティブ』という、成果に応じた報酬が支払われる給与体系を採用している会社もあるため、若いうちからでも高収入を実現できる可能性があります。

ただし前提として、コミュニケーション能力を求められたり、月々のノルマが課せられたりすることもあるため、人前で話すことやノルマを達成することが得意な人におすすめの職種です。


学歴を重視しないIT業界

昨今IT業界は急成長しており、人手不足という課題を抱えています。大卒であることが応募条件になっていそうなイメージがありますが、実は未経験の高卒者を積極的に採用しています。

その理由としては、業界内に経験者がまだまだ少ないことのほか、『学歴ではなく素質や適性が重視される職種だから』ということがあります。

ここでいう素質や適性とは、いかに業務を早くこなすかということではなく、『考え方や発想力が柔軟か』ということです。

IT業界は技術が発展していく際の影響を受けやすい業界です。常に最新のトレンドや技術を把握し、適応するために努力を惜しまない人でなければ長く続けることはできないでしょう。

多くの企業では研修制度が充実しているほか、採用活動の中で適性検査を取り入れていることもあるため、興味を持った人はぜひ一度応募してみてください。


平均年収の高い建設業界

建設業は、高卒者でも平均年収が450万円を超えている業界の一つです。建設業界では学歴よりも、実務経験や所有している資格によって給与が決まることが多く、努力が収入に反映されやすい点が大きな魅力です。

未経験からでも応募できる求人が非常に多いほか、働きながらスキルを身につけたり、仕事に関連する資格の取得を狙えたりするため、キャリアプランの設計も行いやすいでしょう。

現場職の場合、体力や技術を求められる場面が多いため、体を動かすことや集中力に自信のある人におすすめの業界です。

知っておきたい豆知識

就職を検討している人にぜひ知っておいてもらいたい『初任給に関する豆知識』を紹介します。


初任給は上がりつつある

労働政策研究・研修機構が行った調査によれば、1976年から2019年に至るまでの間、新卒者の初任給は上がり続けている傾向にあります。

少子高齢化による労働人口の減少や、非正規労働者の増加などの影響が社会全体で問題視されており、会社側は年功序列の給与体系や一律の初任給の見直しを求められています。そのため、現在では初任給を応募者の能力に応じて設定する会社も少なくありません。

継続して同じ会社で働き、スキルや実績を身につけることのメリットが大きくなってきているのです。

参考:図4 初任給|独立行政法人 労働政策研究・研修機構


初任給の使い道

初任給の使い道として、『生活費』や『貯蓄』を考えている人も多いのではないでしょうか。一方で『せっかくの初任給なので何か思い出に残したい』と考えている人もいるでしょう。

よくある初任給の使い道を紹介するので、初任給の使い道が思い浮かばないという人はぜひ参考にしてみてください。

  1. 親孝行として旅行や日用品をプレゼントする
  2. 自己投資のために参考書やビジネス書を買う
  3. 自分へのご褒美として好きなものを買う

この中でも人気なのが、親孝行としてなにかプレゼントを買うというものです。旅行や日用品以外にも、両親の好きなものを買ってあげたり、思い出の品をリメイクしてプレゼントしたりしたいという人もいます。

ただし、プレゼントや自分へのご褒美を買う場合には、あらかじめ生活に支障が出ない範囲で予算を決めておきましょう。


初任給で企業を選ぶのは注意

お金のことを考えるあまり、初任給で就職する企業を選ぶのはよくありません。なぜなら給料が良くても、離職率が高かったり慢性的な長時間残業を強いられたりする可能性があるからです。

一つの会社で長く働き続けることを視野に入れるのであれば、給料よりも職場環境や仕事内容に目を向けたほうが良いでしょう。

職場環境や仕事内容が自分の性格にマッチしていれば、長く働けるだけでなくスキルや能力の成長、キャリアアップも狙うことができます。

求人情報や会社のホームページによく目を通し、面接の際には職場の雰囲気を観察しておくことをおすすめします。

自分のキャリアを考えた企業選びを

初任給がどの程度もらえるのかは、人によっては非常に大切なことかもしれません。しかし、それだけを見て就職先を決めるのは得策とはいえません。本記事で紹介した内容を参考に、自分が思い描くキャリアプランに合わせた会社選びをしましょう!

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