自分の仕事の詳細説明
■AI作成の概略
1:キャラクターのコンセプトを、開発ディレクターやメインプランナーなどと相談して決める。
- 例:葦名弦一郎(ボス)
①:ストーリーに大きく関わる重要なボス。ここで、ゲームの肝である剣劇を教え込みたい。
②:義経の八双飛びよろしく、弓と刀を華麗に操る
③:ライバルボスなのでかなり強く、純粋にバトルが面白いボスにする
2:ざっくりしたコンセプトを元に、モーションを発注する。
※ここは下記の「視覚効果開発のディレクションの一例」にて詳細説明します
3:完成したモーションを元に、エネミーの行動AIを組む。
-実装内容の例
①:弓は弦一郎のHPが半分を切ってから使用する
②:何度かプレイヤーが攻撃したらジャンプ叩きつけの大技を出す確率を3倍上げる
③:プレイヤーとの距離が7.0m以上&回復アイテムを使ったら、弓を射って妨害させる
④:ラッシュ攻撃中にプレイヤーが離れたら、ラッシュをキャンセルして追い討ち攻撃を出す
※「ユーザーが面白いと感じる」という答えのない物を作るので試行錯誤の連続だった。
4:完成したエネミーの挙動をディレクターにチェックしてもらう
一発でOKが出ることはほとんどないため、指摘をもらった点の挙動を直す
- 指摘の一例
①:常に攻撃していて落ち着きがない。ジリジリした間が欲しい
⇨攻撃を数回振ったらゆっくりプレイヤーに近づくようなAIにする。
②:弓を使うまでが長い
⇨HPが半分以下で弓を使う、という条件を80%以下になったら使うという形にAIを修正する。
※だいたい雑魚は1ヶ月、ボスは開発が終了する手前までずっと調整していた。
明確な工数というものは実質存在しなった。
プランナーの作業工数は無限という迷言もあり。
■視覚効果開発のディレクションの一例
抽象的な表現ではなく、具体的な作品を例に出すことで認識の共通化を図っていた。
●例:居合攻撃の発注
・アニメーション
①:座頭市の納刀シーンのように、ケレンミをもった納刀をして力を溜めてほしい
②:2秒後に勢いよく抜刀するアニメにして欲しい。
・エフェクト
①納刀している間、真空波が刀に集まるようなエフェクトを出してほしい。
②抜刀時には非常に長い剣閃を描くエフェクトをつけてほしい。
・サウンド
①抜刀時に大技だと認識できるような声を出してほしい。
②抜刀音はロロノア・ゾロの居合のように空気を切り裂くような鋭いサウンドにして頂きたい。
■システム開発(機能追加)の要件定義
●例:ワイヤーをエネミーにぶつけた際にエネミー側がリアクションをしてほしい
①:エネミーにワイヤー射出していいタイミングで「WirePreReaction」という命令を出す。
②:プレイヤーがワイヤーを出し、エネミーに当たった際に、「WireAttack」という命令をす。
※プレイヤーのワイヤーポイント検索は、最優先でエネミーが対象となるよう設定して欲しい。
●最終結果
「WirePreReaction」と「WireAttack」の命令が同時にエネミーにかかった時に、
エネミーはワイヤーリアクションをするような制御にして頂きたい。
注意!:流石に根幹部分までは話せないので、ざっくり書いています。