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思想を磨け

最近思うのは、つまるところ人は生物学的な構造から逃れられないということ。脳や遺伝子の構造からは逃れられない。脳の定義する報酬系システムから逃れるのは至難の業だ。テクノロジーは進化していくけれども、それらは全部ビークルであって、最終的には人はストーリーやカテゴライズといった脳エネルギー省力化の誘惑からは逃れられない。生み出す方も消費する方も、ストーリーをいつでも求め続ける。そういう意味で、テクノロジーが真に進化した未来の果てにおいても、最終的に人を虜にするのはストーリーテラーだし、それは個人、組織、プロダクト、国家、全てのレイヤーや分野においていえることだ。つまるところ、どうやって実現するのかよりも、「キミはどうたった一度の人生を生きたいのか」ということにつきる。

世の中ノウハウ本で溢れている。けど、どれも無意味だ。一冊ぐらいランダムに手にとって、ひとつの型として徹底的に真似てみて型破りのベースにするのはいいかもしれない。けど、ノウハウ本を読むことが目的化するとセラピーもしくはマスターベーション以外の何ものでもなくなる。

繰り返すが、大事なのはHowじゃなくて、Whyだ。Whyは、「ベキ論」だし、「何が理想的か」という自分の美学でもある。それを磨くには時間がかかる。

日本経済の未来を憂う声が多い。要は日本の産業構造が賞味期限切れで、その賞味期限が切れる前に新しい産業を作り出せたのがアメリカやイギリス。一方で日本はコモディティ化しどんどん価格破壊が進む製造業メインの構造から脱却できずにいる。生産性がより高い産業(ITやそれを活かした産業)への転化が必要というのは皆わかっている。

マクロレベルで生産性が高いとはどうことかわかる?

それは競争しなくていいということ。

GoogleもFacebookもAmazonも、実質独占企業。

競争しなくていいということは、ユニークということ。技術的なものはコモディティ化し易いし、ソフトウェアの世界に至ってはむしろ技術をオープンにしていく方がイケてる。なので今一番必要なのは、思想だ。Whyだ。なぜやるのか。ブランド、物語、ストーリーだ。それがそのままAppleのようにブランディングに使えなくても、「働く場所」として優秀な人に選ばれる。今の世代はWhyを消費したいし、Whyのために働きたい。

昨日オススメの本を挙げたけど、特に学生にはそういう思想を磨くための本を読んで貰いたい。そして何より動いて、五感でこの世界を体験して貰いたい。スタートアップの人達は、まずは圧倒的Howで0→1を突破する必要はあるけどね。

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