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マーク・ザッカーバーグが隣にいたんだよ

新卒で入ったゴールドマンのマーケット部門では、入社直後、研修で1,2ヶ月間ニューヨークにいきます。アメリカの証券外務員資格試験に合格して帰ってくるという重要なミッションがあるのですが、ウォール街に毎日通い、現地オフィスの先輩方にも色々と話を聞くチャンスもあります。

ニューヨーク・オフィスの社員の方にお話を伺ったときの衝撃を、今でもたまに思い出します。

昼下がり、ハドソン川沿いのカフェに入りました。日差しがまぶしく、青い空が広がっていました。そこで彼は、金融の世界のエキサイティングな未来の話に花を咲かせていました。そんな中彼が、「この前凄いことがあったんだよ!」と切り出しました。ワクワクして、私も身を乗り出しました。

「クライアントと一緒にいたレストランの、すぐ近くの席にマーク・ザッカーバーグが座っていたんだ!」

目を輝かせながら彼は続けました。

「そんなことが起きるんだ!ワクワクするような毎日だろう?」

そのときの話は、印象が強すぎて、なぜか強く脳裏に残っています。何が凄いって、社会的地位も経済力もある中年のアメリカ人男性が、23歳そこそこの若者の近くに座れたことを、わざわざ話題に出したってことがです。
当時の私は、Facebookはそこまで使い込んでなかったし、勢いも知りませんでしたが、このとき、スタートアップ業界、ウェブ業界のインパクト、勢いみたいのを感じた気がします。

マーク・ザッカーバーグの隣に偶然にも座れるようなレストランに、仕事で入れることが、15年後に得られる、仕事のエキサイティングな一面なのかと。23歳の私は感じました。

無論、それは金融業界や働くということについて何もしらない23歳のナイーブな感性だったかもしれません。

でも、今でも、なぜか分からないけど、この時の衝撃は、たまに思い出します。喉に引っかかった魚の骨のように、ずっと残っています。

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