AI時代だからこそ、UXデザインを深く理解する必要がある!
と思い、7月1日から、「Sociomedia ヒューマンインターフェース ガイドライン」を読み進めて、考えたことを記録して、noteマガジンにまとめている。
今日は17個目。まずは引用から。
17. ヒックの法則 (Hick’s Law)
選択肢の中からひとつを選ぶ場合、選択肢の数に比例して時間がかかる。選ぶものが決まっていたとしても、選択肢が多ければその分の時間がかかる。
(中略)
これはある刺激に対して単純な反応をとる場合(Aが起こったら1のボタンを押し、Bが起こったら2のボタンを押す、など)に有効な法則で、意思決定に高度な考察が必要な場合にはあてはまらない。
https://www.sociomedia.co.jp/9177
要は、選ばれる可能性の低い選択肢を省略しなさい、ということ。ないし、幾つかのステップに小分けにするとか。
ヒックの法則は、前回のフィッツの法則と並んで、ユーザーが目的達成するまでの時間を短縮するために応用できる法則の一つ、と位置付けられる。なので、広い意味での「システムの都合で一方的にユーザーの行動を制限しない」というUXデザインのルール #7「User Control」を支える原理の一つ、と位置付けられる。
でも、ヒックの法則には例外がある。引用先にある通り「意思決定に高度な考察が必要な場合にはあてはまらない」。熟考が必要なときは、むしろ、選択肢を全て見せてもらえないと、判断できないから。
そして、もう一つ例外があることを、Nielsen Norman Group による動画 "Hick's Law: Designing Long Menu Lists" (3分ほど) が指摘している。
選択肢が50個、100個だとしても、(1) ABC順(日本語なら50音順)で、かつ、(2) ユーザーにとって馴染みのある選択肢だけ、であれば、ユーザーはそれほど時間をかけずにたくさんの選択肢の名から見つけることができる。
例えば、都道府県を選ぶなら、47個という多数の選択肢でも、日本人にとっては見つけやすい。(この場合、50音順ではなくて、北から南へ、みんなが見慣れている順番に並べる必要がある。確か、国が決めた都道府県コード順。)

都道府県を選ぶドロップダウンメニュー
画像元: takoratta (Takuya Oikawa)
ルールに例外が出てくると、ルールを覚えるのがますます難しくなるのだが、この都道府県の例は、UXデザインの3つの大前提の一つ「メンタルモデル」が大きく効いている。
47都道府県が北海道から沖縄県まで並んでいる、というUIは、日本人ユーザーにとっての「メンタルモデル」になっている。50近くの選択肢が「メンタルモデル」になっているのであれば、「ヒックの法則」は当てはまらない。
「メンタルモデル」は「ヒックの法則」に勝つ、と考えれば、この例外を覚えられるのではないだろうか。
(私が書いたnote記事を転載しています。)