書籍【CQが切り拓く組織文化~強い組織は違いを楽しむ】読了
「文化」と考えると、自然な流れで勝手に醸成されるものと思ってしまう。
企業文化についても、何も意識しなければ、それぞれ所属する社員たちが、勝手に作り上げていくのだろう。
しかし、本当にそれでよいのか?
企業文化こそ、意識して作り上げていかなければいけないのではないか。
最近ではそういう議論が主流になりつつある。
だから企業はパーパスを定めたり、ミッション・ビジョンを定めたりする。
多国籍企業であればあるほど、社員の文化的背景が異なっている人たちの集団となる。
だからこそ「企業文化を作り上げる」行為を実践していかないと、働く社員たちをまとめ上げるのは相当に難しい。
日本企業であっても、かつての昭和の価値観だけで、「阿吽の呼吸で」なんてことは今の時代には通用しない。
何が大事で、何を省略しても許されるのか。
そこを阿吽の呼吸で済まさずに、きちんと言語を使って表現し、お互いを尊重しながら意見をすり合わせしていくのが必要なのだろうと思う。
そんな中で、共通の価値観だったり、目標だったりを持っていないと、すべてがすべて議論だけで解決しようとしても難しい。
ミッション・ビジョンがあればそれでよい、という話では、決してない。
社員みんながきちんと腹落ちし、日々の行動まで繋げていかないと、浸透しているとはとても言えない。
だからこそ、企業文化。
よく「土を耕す」に例えられるのだが、企業経営も同じことだ。
企業文化という土壌を改良し続けなければ、作物は育たない。
強い根、太い幹、茂る葉があるからこそ、大きな果実が実る。
悪い例えとして「腐った組織」などと言われるが、まさに企業文化という土壌が悪ければ、根から腐っていく。
どうやって継続性を確保していくかを考えると、地道だが畑を耕していくしかない。
短期の収穫だけを考えて、作物を無理矢理に植えても、結局土地がやせ細り、いつか収穫高は落ちてしまう。
当たり前のことなのに、これがなかなかできないのが難しいところだ。
巻末に、各企業の事例を担当者の言葉で書かれていたのだが、これが参考になった。
企業文化を浸透させようとしても、国によってベースとなる文化は異なる。
さらに、働く従業員個人個人の価値観も異なっている。
こういう中でどうやって企業文化を育んでいくか。
意見の主張だけでなく、建設的な議論をどう重ねるか。
相手を尊重して、自分の意見も客観的に見つめ直して、第三の解を模索していく必要がある。
これが本当に難しい。
しかしながら、これが実行できる企業に変革していかないと、生き残っていけないのも事実だ。
未来は益々AIが浸透していく世界だ。
人間に残された仕事は何なのか?
「この人と一緒に仕事をしたい。この企業で働きたい」という、「気持ち」が大事になるのは間違いない。
課題についての答えはAIが出してくれるだろう。
しかし、それを実行していくのは人間。
AIの答えに納得いかなければ、関係者(人間)が集まって、議論して最適解を出していくしかない。
人間としての生き方は、より難易度が増していくのが想像される。
だからこそ、学習し続けるしかないということなのだと思う。
(2025/8/29金)