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会津大学を卒業してから何をしてきたか(2021年版)

この記事は Aizu Advent Calendar 2021 の6日目の記事です。

Aizu Advent Calendarは会津大学の在校生も卒業生も関係なく、いまやっていること・想うことについてブログを毎日数珠繋ぎのように連載していく運動で毎年開催されているこのプロジェクトを眺めて早7年。会津大学22期生として卒業してから社会人として働き、3年半が経過しました。

この記事を通じて

・会津大学にもこういうOBがいるのか
・卒業後の進路としてこういうキャリアがあるのか
・社会人としてこういう生き方があるのか

といった選択肢を知り、自分自身の生き方について考えるきっかけになればと思います。


はじめに

私は会津大学22期生の杉井と言います。現在は英国ロンドンに住んでおり、フリーランスのAI PdM(プロダクトマネージャー)として働いています。

イギリスには知り合いもおらず、一度も訪れたことがない場所でしたが、妻の大学院進学を支えるためにフリーランスに転身して、かれこれ1年近くロンドンで生活をしています。

ロンドンは最近メルカリの山田さんも訪れていてバズっていましたが、本当にこんな様子で本当に気楽です。緊急事態宣言が出され、誰も街中を歩かず、しかもマスクをしていないとなったら白い目で見られる日本とは雰囲気が全然違うため、イギリスに到着した直後もこのムードで気疲れが正直取れたことを覚えています。

ロンドンに来てから今では笑える話がたくさんあるのですが、またそれは別の機会で。


会津大学でビジネスについて学びたかった

私は現在、新規事業責任者として新しいプロダクト開発と、ビジネス面での成長について責任を持っています。元々会津大学に進学した理由も、IT産業がこれから全ての産業を飲み込んでいく漠然とした可能性を感じ、進学しました。

入学直後、最初で最後だったクラスオリエンテーションで自己紹介と共に「将来なりたい姿」について発表する時間があったのですが、クラスの8割がプログラマーで、残り2割は公務員という回答で正直自分は外れものだと感じた瞬間を今でも覚えています。笑


会津大学に期待していたものの、学ぶことができなかった最大のものは「ビジネス」についてでした。

もちろん、ソフトウェアを開発する上で、そもそもプログラミング教育も授業だけでは全然足りないことや、デザイン、マネジメントについても不足しているように当時から感じていましたが、ビジネスに関して学べるチャンスは一度もありませんでした。

なぜこれだけIT産業が他の産業を飲み込み、拡大しているのか。そのメカニズムについて学ぶチャンスは会津大学の中にはなく、自分自身で独学で学ぶ必要がありました。

その中でとても役に立った講義としては、当時ドワンゴ顧問だった夏野剛さんが慶應義塾大学で教鞭を取っていた「ネットワーク産業論」です。SFCで開講されていたいくつかの授業はオンラインで誰で講義資料と共に視聴することができたため、ひと通り観ていました。

堀江貴文さんの登壇もそのシステム上から観ていましたが、今はYouTubeにも上がっているようです。

堀江貴文「ネットワーク産業論」@慶応義塾大学SFC
https://www.youtube.com/watch?v=7EdHla81PCI


ネットワーク産業論
https://podcast.app/2011-p548313/

この時の経験から「自分が本当に学びたいものは、自分で得なければならない」ことを大学時代に学び、今でも勉強する習慣を手に入れたことは大変よかったと思っています。


また、会津大学に進学したことは自分のキャリアの中で最も優れた決断の1つだったと今でも胸を張って言えます。高校時代では想像もできなかった人たちとの出会いがそこにはあり、今のキャリアを形成しているからです。

今でもハッカソンや情報交換を毎日のように取っている大学時代の友人はもちろんのこと、会津の良さを教えてくれた地域の方々や、IT業界を牽引する著名人の方々とも知り合うことができ、自分自身の人生の幅を広げてもらえました。

会津大学でAizu Active Associationという団体を創設することで、アクティブに活動する同期との繋がりを得ることができ、今でもサークルのSlackを通じて常に情報交換を行なっています。
今年も新入生が入っているようで、年代を超えて交流できる1つのプラットフォームになっています。

Aizu Active Association
https://aaa.fukushima.jp/

活動拠点となるコミュニティを持つことで、新たな取り組みを創り出すことができることがわかり、そこからハッカソンへの参加や、新しいプロダクトの開発、TEDxやピアなどNPO活動も幅広く活動を行うことができた。

地元大出身者が飲食店応援 アプリ「福島テイクアウトマップ」好評(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20200504/ddl/k07/040/019000c

今では磯野家20世帯分の規模に膨れているらしいこのコミュニティを今後も長く活用していきたい。

SoftBank Academiaへの入学

会津大学を卒業後、やはりビジネスについて学び、経験を得たいと思い、就活の時から新規ビジネスの創出を経験できる職業を探しました。その当時、AIを活用した新たなビジネス展開を狙っていたソフトバンクグループとの出会いもタイミングが良かったです。

孫さんが新たにVision Fundを創設し、これからは投資会社として舵を切っていくと決算説明会で宣言した当時、私も研究室をAI系に所属を変えて、技術部分についての理解と実装経験を積み、新たな産業が立ち上がってくる方向へ準備を整えました。

孫さんの考えやAIの事業創出については、ソフトバンクに入社しても新卒から経験することが難しいため、ソフトバンクアカデミアに入校し、新たな事業創出提言を行なっていきたいと思い、参画しました。

ソフトバンクアカデミア
https://www.softbank.jp/corp/special/academia/

詳しい活動内容は秘密保持契約のため語れませんが、グループ全体の視点でこれからどこに賭けるべきなのかについて視座の高い情報収集能力と視点を養うことができています。

孫さんとZoomをする日が来るとは。


グロービス経営大学院への入学

またビジネスについて体系的に学びたいと思い、グロービス経営大学院に入学しました。
今年の3月に卒業し、MBAを取得しましたが、ここでの経験がなければ今の仕事はできていません。

企業の競争優位性を構築する上で各業界において重要な経営戦略やマーケティング戦略、財務戦略、オペレーション戦略を環境分析等を行い、立案する方法をおよそ200のケーススタディを通じて学びました。


会津若松の時にAAAで開催したTEDxをグロービス経営大学院に持ち込み、開催しました。
その経緯と考えについては以下の取材で答えています。

コロナの苦しい時だからこそ。社会への創造と変革を志す若き社会人が「価値あるアイディアを広める場」の提供に込めた想いと覚悟。
https://prtimes.jp/story/detail/Gby7ELIwDxJ


PdMとしての仕事

グロービス経営大学院を卒業した今、プロダクトマネージャーとして働いています。

人によっては「PM」とも書きますし、「PdM」と書くこともあり流派があるのですが、今の職場では「PM=プロジェクトマネージャー」も存在するので、区分けするために「PdM」と今は記しています。

直訳すれば「プロダクトを管理する人」ですが、プロダクトマネージャーとは「お客様に取って必要な価値を定義し、その価値を正しく提供する人」と定義づける企業が多いです。
ちなみにこの定義はメルカリさんが最初に行ったものと記憶しています。


特にプロダクトマネージャーとして働き始めた時にはプロダクトに関するミニCEOだ、とか、ユーザー理解が重要だ、数字に強くないといけないとか、メンバーのサポート役だとか色々言われるわけですが、結局何をやればいいのか体系立てられていない中で「何でも屋さん」になりかねないです。

そんな中で、メルカリUSのフリッツさんの記事は体系的にPdMのやるべきことを記しているため、非常に参考になります。

プロダクトの成功に必要な 3 つのステージと 20 のタスクについて:現場の動き方をまとめました
https://note.com/fmkpro1984/n/n15981750a092

Twitterでもよく拝見している、クラシルPdMの奥原さんの記事も参考になります。

プロダクトマネージャー1年目の教科書
https://note.com/okutaku/n/neef7699a9172

最近だと、バズってたスクエニが公開したPM講座
プロジェクト管理手法について手順を追ってまとめられています
https://twitter.com/WizHenry69/status/1466723688133570564?s=20


またスケールするプロダクトについて業務外でも情報収集したり、研究することが好きなのでそういう人には向いているように感じます。

例えば直近どのようなプロダクトが資金調達をしているのか、どのようなベンチャーがIPOを目指しているのか、なぜこのプロダクトはグロースしているのか…。そういった疑問を日常的に持ち続け、調べて、自分なりに仮説を持ちながら検証することで、自分の仕事にも役立つことが多々あります。


会津大学で学んだ技術に関する知識と、社会人になってから様々なところで学べるビジネスを融合することで、新しいプロダクトづくりに挑む「プロダクトマネージャー」という仕事はスリリングで大変なことも多いですが、一つのキャリアの選択肢として考えても良いのではないかなと思います。

ぜひ色々と調べてもらえればと思いますし、私自身もFacebookやAAAのSlackなどで情報発信しているので、いつでも連絡してもらえればと思います。

https://www.facebook.com/yuta.sugii.3/


最後に

仕事柄、インターン生のメンターとしてや、面接官として様々な大学生と面談する機会が多々あります。

大学生は自身の志をもとに4年間何を感じ、何を学び、行動していきたのかによって社会人以上に、人によって特に明確な違いを作りやすい時期だと思います。しかも最近は私が学生時代には想像もできなかった、コロナウイルスの感染症拡大により、家にいながらも積極的に学びのチャンスを得ようとしている学生と、そうではない学生とで、学生時代に経験できることの差がさらに大きくなっているのです。

オンライン化に伴い、インターンやハッカソンに遠方地まで参加するハードルが低くなったおかげで、多くの人との繋がりや、学びの機会を手に入れる学生がいる一方で、常に自宅にいるため他の同級生や先輩後輩との交流が減ることで情報交換できず、自分だけが語れる経験や実績を作れずに4年間を卒業する学生もいます。

恐らくこのような企画にもアンテナを貼っているような学生であれば、機会として捉え、前向きに活動している人が多いと思いますが、それは学生時代のみならず社会人になってからでも自分自身のキャリア形成に向けてチャンスを逃さずに活動していると、大学時代に想像できなかったところまで辿り着くことができるので、ぜひこれからも頑張ってください。

会津大学生は学歴をコンプレックスに感じている人が多いようにも感じているのですが、日本人は特に社会人になってから学習する人が多いので、残りの人生考えると高校時代のテストの点数なんか関係なく、誰かのために活躍できる大人になれると思います。

もし何か聞きたいこととかあれば、会津大生ならWelcomeなのでいつでも連絡してください!

https://www.facebook.com/yuta.sugii.3/

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