こども基本法|こども家庭庁
こども家庭庁は、こどもがまんなかの社会を実現するためにこどもの視点に立って意見を聴き、こどもにとっていちばんの利益を考え、こどもと家庭の、福祉や健康の向上を支援し、こどもの権利を守るためのこども政策に強力なリーダーシップをもって取り組みます。
https://www.cfa.go.jp/policies/kodomo-kihon/
本日の内閣改造で、こども政策担当大臣に小倉將信氏の後任として加藤鮎子氏が起用されました。
小倉大臣、約1年間、必要な政策を前に進めてくださり、本当にありがとうございましたっ!!
そして、和田副大臣、自見政務官、いつも僕らの提言に真摯に耳を傾けてくださりありがとうございました!!
こども家庭庁初代大臣として、これからのこども政策の根幹となるこども基本法を施行し、こども未来戦略方針を公表するなど、その活躍は素晴らしいものでした。
感謝を込めて、小倉大臣の主な実績をまとめてみました。
2023年4月、「こども基本法」施行。
これは重要な意味を持ちます。日本は、国連の「児童の権利に関する条約」を批准していながら、この条約が要請する、子どもを「権利の主体」とする包括的な法律が未整備なままでした。国連は、日本に対して「子どもの権利に関する包括的な法律」を制定することを勧告していましたが、なかなか進まず。
そのため、日本は大人の権利が過剰に守られて、こどもの権利がないがしろにされてきたんです。
例えば、
家庭でこどもが虐待されて辛い思いをしているのに、親の権利が優先されて家庭に踏み込めなかったり。
コロナパンデミック中、大人の意見だけで公園が閉鎖されて、こどもが遊べなくなってしまったり。
そんなことが日常茶飯なわけですが、こども基本法ができたことで、こどもが意見を言う権利、保護される権利などが保障されるようになったので、状況は改善されていくでしょう。
(参考)こども家庭庁HP「こども基本法」
2023年6月、「こども未来戦略方針」発表。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/pdf/kakugikettei_20230613.pdf
今後3年間で集中的に取り組むこども・子育て政策「加速化プラン」を示しました。
この中に、僕らも提言してきた
・こども誰でも通園制度(後述)
・産後パパ育休の促進(父親が「産後パパ育休」を取得し、母親も育児休業を取った場合、休業前の賃金を「夫婦ともに」実質的に100%保障)
・伴走型相談支援(デジタル化)
などが入っています。
(出典)こども家庭庁HP「こども未来戦略方針(リーフレット等)」
https://www.cfa.go.jp/resources/kodomo-mirai/
2022年9月、通園バス置き去り防止装置設置義務化を関係府省に指示。
同月5日、静岡県の認定こども園で3歳の園児が送迎バスに取り残され、亡くなってしまうという痛ましい事件が発生。
フローレンスは、通園バスへの「置き去り防止装置」の義務化とその導入支援等を求める署名キャンペーンを実施し、同月28日に小倉大臣に4万筆を超える署名を提出しました。
署名を提出した翌日、小倉大臣は、関係府省に置き去り防止装置義務化を指示してくださいました。
2023年6月、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2023」が閣議決定。
その中で、「こども誰でも通園制度(仮称)」の創設が盛り込まれました!
これは、フローレンスが「みんなの保育園」構想という名称で政府に訴えかけてきた政策で、就労などの保育の必要性認定の有無にかかわらず、誰もが週に1回でも2回でも保育園を利用できるようにする、というものです。
1947年に保育制度が始まって以来、70年以上もの間ずーっと不可分のものとして存在し続けてきた「保育の必要性認定(就労要件)」。
この要件を緩和して共働き以外にも保育園を開く、保育の歴史を変える大転換です!
この制度を皮切りに、保育園は「共働き家庭のための施設」だったこれまでの常識から脱却し、「すべての親子にとっての新しいセーフティーネット」に進化していけるはず。
この制度を皮切りに、保育園は「共働き家庭のための施設」だったこれまでの常識から脱却し、「すべての親子にとっての新しいセーフティーネット」に進化していけるはず。
2023年9月、日本版DBSの対象を「塾や習い事、無償ボランティアも含めた子どもと関わる仕事すべて」とすることを求める署名を受け取ってくださいました。
日本版DBSは、子どもと接する職業に就く人に性犯罪歴がないことを確認する制度。
僕たちフローレンスは2017年より、子どもを性被害から守るため、日本版DBSの導入を求めて政策提言活動を行ってきました。
こども家庭庁ができ、日本版DBSについて検討する有識者会議が設置され、僕らは検討状況を見守っていました。そんな中、国はその対象施設を保育園や幼稚園・学校に限定し、塾やスポーツクラブは義務化の対象外とするとの報道が!
焦った僕たちは、ふらいと先生こと今西洋介先生(新生児科医・小児科医)、宋美玄先生(産婦人科医)、稲葉可奈子先生(産婦人科専門医)とともに日本版DBSの対象を無償ボランティアも含めた「子どもと関わる仕事すべて」とすることを求める署名キャンペーンを実施。
集まった8万筆以上の署名を小倉大臣に提出しました。
小倉大臣からは、
「8万を超える国民のみなさん1人1人の声を重く受け止めた。
可能な限り多くの事業者を対象にし、実質義務化したい。
担当大臣として、力を尽くしたい。」
と力強い言葉をいただきました。
小倉大臣は、大人まんなか社会から、こどもまんなか社会に向けて大きく舵を切ってくれました。その功績はめちゃくちゃ大きい。
後任の加藤氏も、各こども政策が真にこどものためのものになるように、陣頭指揮をとってくださるものと期待しています。
今後スタートする「こども誰でも通園制度」も「日本版DBS制度」も、まだまだ多くの論点があります。制度がうまく機能するかは、これからの議論・制度設計にかかっています。
色々な方々の意見を聞きながら制度設計していってほしいですが、こども家庭庁は、「こどものことを考えての意見」を取り入れ、真にこどものための制度を作ってほしいと思います。
そして、こどもたちの声をしっかり政策に反映してほしい。
僕らも、今後もよりよい制度ができるように提言を続けていくので、みなさん応援よろしくお願いします!!
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政策を創ったり変えたり、というのは社会インパクトは非常に大きいのですが、フローレンスへの経済的なリターンがあるわけではありません。継続的な政策提言・政策実現のためにも、フローレンスの政策提言チームが活動を継続できるよう、みなさんからの寄付が必要です。
これからも、フローレンスと共に、こどものための仕組みを創っていきましょう!
制度や政策を変える活動を応援したい方はぜひ、フローレンスのマンスリーサポーターになってください!
よろしくお願いします!