長時間労働をやめなければ、日本に未来はない
「Wantedly」を利用しているみなさん、はじめまして。NPO法人フローレンスの代表の駒崎弘樹(こまざき・ひろき)です。
この度は、「余暇を増やす働き方」をテーマに寄稿させていただくことになりました。
まず、僕の自己紹介をしたいと思います。僕は学生時代に参画したITベンチャーの社長を経て日本で初めての共済型・訪問型の病児保育(共働き家庭の子どもが体調を崩して保育園に行かれないときに、保護者に代わって保育スタッフが自宅でマンツーマン保育)を行うNPO法人フローレンスを立ち上げました。フローレンスを立ち上げて、今年で13年目になりますが、近年は障害児を専門的に預かる保育園を東京都杉並区に開園したり、医療的ケアのある障害児の家においてマンツーマンで保育を行うサービスを提供したりもしています。
普段、僕はこのサービス以外でも、ブログや書籍を通して自分の意見を発信していますが、センシティブな社会問題について語ることが多いせいか、はたまた議論が過熱するせいか、時折炎上することもあります。
じゃあ、そんな僕がみなさんになぜ「余暇を増やす働き方」を提案するのか。それは、余暇のない長時間労働がみなさんの生活や社会全体に悪影響しか与えないからです。
はっきり言って、長時間労働は“悪”です。長時間労働が蔓延すれば、あなたの家族やパートナーとの繋がりが奪われるだけじゃなく、最悪の場合、過労やうつ病で命さえも奪われかねません。
また、広い視点で見ると、長時間労働は社会的な損失も大きいことがわかってきました。長時間労働の一番の担い手は男性の会社員です。彼らに十分な余暇がなければ、家事や子育てにもコミットできません。男性の家事や育児にコミットする時間数は第二子以降の出生率とも相関関係があるので、このまま長時間労働が改善されなければ、さらに日本の少子化は進んで、成長率は下がり続けることでしょう。マクロでも、ミクロでも考えても、長時間労働のデメリットは大きすぎるのです。
そんな日本の暗い将来を変えたいという思いで、僕がこれからみなさんの長時間労働をあらため、余暇を増やす仕事術を紹介していきます。この寄稿を読み終わった後のみなさんの人生がより豊かで実り多いものになれば幸甚です。