非エンジニアの僕は、自分でコードを書く代わりに、AIエージェント(Claude Code / Codexなど)に何を、どの順番で、どんな基準で作らせるかを判断し、指揮する仕事をしています。指揮者が自分では楽器を演奏しないように、実際に手を動かすのはAIです。僕の仕事は、どこが噛み合っていないかを聴き分け、全体が一つの仕組みとして機能するところまで責任を持つことです。
最近手がけたのは、Googleドライブもメールも使わず、仕事も私事もほぼほぼLINEだけで完結させる現場仕事の個人事業主さん向けの見積・請求書作成アプリです。きっかけは「現場の休憩時間にサクッと作れる"見積・請求書作成アプリ"みたいのできないかな」という一言。そこから10日間で22回の作り直しになりました。
印象に残っているのは、本人が発した一言一言から仕様を組み立て直していったことです。
- 実機検証で気づいたのですが、この方は「リンクを踏む」という体験そのものを嫌います。それをAIに伝えて、納品物のPDFを「リンク」ではなく「添付ファイル」で送る形に作り直してもらいました。
- 「現物の見積書の形式で見えないと、たぶん評価下がるよ」という一言を受けて、要約プレビューをやめて実物をそのまま見せられないかAIに相談したところ、PDFをそのまま描画する仕組みに切り替えてくれました。
- 「画面が低い位置に遷移するのはどうにかならない?UIって大切ですよ」という指摘をきっかけに、一度は「プラットフォームの制約だから仕方ない」と保留にしていたスクロール位置のバグをもう一度AIに調べてもらったところ、原因を突き止めて直してくれました。
どれも、本人が明示的に言語化したわけではなく、実機検証と何気ない一言のつぶやきから読み取ったものです。技術者にも非技術者にも、それぞれの言葉と行動だけを頼りに設計を変え続けられること。それが今、僕がAIエージェントを指揮して働く上で一番大事にしていることです。