こんにちは!中上慶之輔です。
普段はパソコンに向かい見えないネットワークやシステムの構造を整える仕事をしています。表からは見えない環境を作り上げるこの仕事は私にとって街全体を冷たい風から守るために柔らかな羊毛を丁寧に編み上げていく手仕事によく似ていると感じています。一本一本の糸を絶妙な加減で交差させ隙間なく組み上げることでどんな厳しい寒さが訪れても決して破れることのない頑丈な衣服を作り出す作業だからです。
今回心に浮かんだモチーフは手芸店の棚の隅で見つけたふんわりとした手編みの羊毛です。手触りが柔らかく温かな羊毛は空気の層を抱え込むことで外の冷気を遮断し内側の温もりをじっと守り続ける力を秘めています。普段私たちが画面の向こうで扱っているデータやプログラムの配置もまさに羊毛の繊維のように細かく重なり合い目に見えない場所で空間全体の安定と快適さを保つ役割を果たしています。
障害や事故を未然に防ぐための日々の点検作業は使い慣れた革靴の表面に静かに磨きをかける時間に重なります。小さなホコリを取り除き専用の油を薄く塗り広げておくことで革のしなやかさを保ち突然の雨や泥跳ねから大切な足をしっかりと守り抜きます。華やかな変化はありませんがこうした毎日の地道な手入れがあるからこそどんな悪路でも安心して歩みを進められる強固な足場として機能し続けてくれます。
原因のわからない不具合に対峙する時間は深い森の中で見失った古い道標を粘り強く探し求める旅に似ています。木々のすき間から差し込む光の角度や足元の土の沈み具合に注意を払い些細な違和感を見落とさずに道筋を辿っていきます。焦って足早に走り回るのではなく立ち止まって周囲の静寂に注意深く耳を傾けることこそが問題の根本へと繋がる確かな突破口となります。
また時代に合わせて新しい環境へシステム全体を移し替える作業は長年育ててきた観葉植物を日当たりの良い大きな鉢へ優しく移す瞬間に重ね合わせることができます。古い土を優しく払って大切な根を傷つけないように配慮しながら新しい栄養たっぷりの環境へと引っ越しさせていきます。環境が変わるストレスを抑えながら次の季節に新しい葉を大きく広げられる土台を整えることが大切な役割です。
表舞台で脚光を浴びる機会は少なくても誰かが安心して日常を過ごせる空間を静かに編み上げる羊毛のようでありたいと思っています。温かな衣服が人々を守るように見えない場所で丁寧な仕事を重ね確かな構造を作り続けていくつもりです。