やはり、私の経歴の中で一番気になる点は、ボートレーサーの話かと思いますので、ここでどんな経緯で挑戦するに至ったか、またどんな内容だったか、そしてどんな形で今につながっているのかを書かせていただきます。
ボートレース(競艇)との出会い
競艇場から外の道路にまで漏れ出るモーターの爆音。都会のすぐそばの非日常。
私は福岡出身なのですが、福岡は公営競技(競艇・競輪・競馬・オートレース)の4つ全てが存在する、珍しい県です。そんな中で育ってきたので、自然と周りの友達との会話の中に友達が公営競技に遊びに行った話や、身内・知り合いが選手になった話など、おそらくほかの県の方よりも、そういった公営競技の話題に触れる機会が多くありました。
そんな私も、大学在学中に(悪い)楽しい友達に「ボートレースば、しに行かん?」と誘われて公営競技に遊びに行っていました。旧帝大といえども学生は学生ですので、いろんな人がいます。場所は福岡競艇場です。福岡天神駅(博多駅の次に都心の駅)から歩いて15分ほどの位置です。
#当時の福岡競艇場の実際の写真。奥に見える高速道路は、通っていたキャンパスに向かうバスが走る道路。バス通学をしていた私はよく通っていました。
大学の学部は経済学部でしたが、基本理系からしか受験してくる人しかいない、理系メインの経済学部といった特殊な学科(経済工学科)でした。経済を数理モデルや統計学を使って実際に見ていくといった学科だったのですが、当時から経済や不規則な予測を数学を使って予測するといったことが好きでしたし、周りの人間もそういった人が多くいました。
この出会いから、ボートレースの不確実性と確率といった数字を使った予測に魅了されていきました。
平均年収1900万円。そもそもボートレーサーとは?
ボートレーサーになるための養成所に入る、その前段階ですでに倍率40倍(定員50名ほどに対して1000~1500名)の狭き門です。さらに実際にデビューできるのは、定員50名の半分ほどの25名前後で、養成所で振り落とされるので、最終的な倍率は80倍ほどになります。
受験資格は、15歳以上30歳未満、身長175cm以下、体重(男49〜57kg/女44〜52kg)などの厳しい体格制限があります。
試験内容は、第1次〜第3次試験まであり、学科・体力のほか、動体視力や適性(操縦素質)まで徹底的に検査されます。
そして、当時の私にとって一番問題であったのが、視力が裸眼0.8以上(コンタクト不可)が必要であるということでした(今は条件が緩和されています)。勉強や本を読んできた影響もあるのか、視力はとても悪く、この問題を解決しないことには挑戦すらすることが出来ない状況でした。あの時ばかりは、努力じゃどうしようもできない問題に出会ったので、絶望感が大きかったのを今でもはっきりと覚えています。
大学中退を決断
#中退を申し込みに行った日。とても晴れた小春日和でした。
2016年に大学に入学し、スムーズにいけば2020年に卒業予定でしたが、留年なども重なったのと、当時2020~2022ほどまでコロナ禍の影響もあり、自分の未来について考えることが多くなりました。数理モデルを使った経済予測も興味があるが、実際に仕事として昇華させる具体的な道筋が見えてこなかったこと、そして新たな目標として、ボートレーサーという道に挑戦したいという気持ちが日に日に強くなっていきました。
そこで問題だったのが先ほどの視力の件です。ボートレーサーに挑戦するためには視力矯正が必要であり、レーシック手術などが具体的な解決策でした。それには多額のお金が必要でした。ただ当時在学中であった私は、奨学金を利用しながらではありますが学費もすべて、自分自身で工面していたため、学費を準備しながら手術代を稼ぎながら進めていくといった状況が難しいのが現状でした。
私は、目標を決めてそこに向けて実際に行動に移す力、タスクを設定してやり続ける継続力が昔から人よりあると思っています。
大学卒業も目指しながら就活もしながら、ボートレーサーの道も模索しながらといった、2つの道を追うよりかは、どちらか一方に絞って挑戦してみたい。そう思い、2022年に大学を中途退学する流れとなりました。
体力・精神・学力の3試験への挑戦
サムネの画像でもありますが、私が挑戦したボートレーサー試験は2022年の第134期の試験です。そこから2023年も挑戦しています。試験は、第1次~第3次までの内容となっています。
ちなみに先ほどの視力の問題はレーシック手術を受けたことで問題は無くなりました。(費用は50万円ほどかかりました)
【第1次試験】(全国各地の会場で実施)
- 学科試験: 国語、数学、理科、社会(中学校卒業程度のマークシート形式)。
- 体力試験: 柔軟性(立位体前屈)、握力、背筋力、垂直跳びなど基礎体力測定。
1次以降の試験でも動体視力や更なる体力試験などがたくさんあります。
結論を言いますと、2年連続で受けたのですが、試験は第1次試験を突破できませんでした。
競艇選手は、全国の出身県から少しずつ選手を取って、地元の選手といった形でデビューさせることで、ファンや人気を担保する側面があります。そのため、所属する県の支部によって倍率が異なり、特にボートレーサー志望の多い福岡県は激戦区となってます。
挑戦を辞めた理由としては、1次試験会場に入った瞬間に300人ほどが集まった体育館の広場をみて、その中から福岡支部として合格できるのは3,4人しかいない現実を見たこと。そして、周りの人間の体力面でのレベルの違いを間近で見ることで痛感したことです。
300人の中から合格できるのはわずか3〜4人という現実、そして2次試験に進んでも挑戦できるのは5回まで、という限られた条件。これから体力は落ちていく年齢になることも考えた結果、この2つを冷静に天秤にかけたとき、"ここで区切りをつけて次に進む方が合理的だ"と判断し、挑戦は2年までと決めました。
得た知識・経験・学び
結果的には、ボートレーサーになれませんでしたが、今の私にとって人生の糧となったとはたくさんあります。
・ 「実行力」 → 自分で調べて、実際に"行動"に移す力。気になったら、まず動く。視力という壁の前でも、まず調べてレーシックという解決策にたどり着いたり、仕事を変えて鍛える時間を確保しました。
・ 「目標設定力」 → 目標に対して逆算してタスクを設定する力。大学を中退するという決断ができたのも、ゴールから逆算してタスクを組み立てられるからです。
・ 「継続力」 → 自分に足りていないスキルや能力を日々磨いていく力。1回落ちて終わりにせず、2年連続で挑戦したように、一度の失敗では簡単に諦めません。
この3つは、どの仕事やどの挑戦においても大切なことだと思います。
また、未来を見据えて挑戦する年数を限って挑戦したこと、またそのやめるという判断を下せたこと、数字や競争といった環境に挑戦することが好きなことなど、昔からの自分の良い点も変わらず持ち合わせています。
そして「今」
本気で挑んで、本気で敗れた経験があるからこそ、私は今、未経験のAI/MLという新しいフィールドにも、迷わず本気で向き合えています。
昔から好きだったデータ分析や数字を追うこと、新たな挑戦。未経験からの挑戦なので必要なことは多くありますし、自分が不利な立場であることは自覚しています。
ですが、今必要なことを毎日積み重ねていくこと、このストーリーを書くことも私という人間を知ってもらい、未来につながると考えてのことです。
長くなりましたが、ここまで読んでいただけたら幸いです。