大学時代、卒業研究で取り組んだのは、パソコンを使った電子回路のシミュレーション解析でした。
今ではパソコンを使うことは当たり前ですが、当時はまだ、研究にPCを活用すること自体が珍しい時代でした。
画面の中で条件を変えながら結果を確かめていく。その経験を通して、私は早い時期から、「コンピュータを使えば、これまで時間のかかっていたことを、もっと効率よくできる」
という面白さを感じていたように思います。
技術だけでは、伝わらない
大学卒業後は、ソフトウェア開発の仕事に携わりました。
無線機器に組み込むソフトウェアの開発など、技術者として仕事をする中で、プログラムを書くこと、問題の原因を探すこと、仕様を理解して形にすることを経験しました。
その後、技術サポートの仕事にも携わるようになりました。
そこで気づいたことがあります。
どれだけ優れた技術でも、相手に伝わらなければ使ってもらえない、ということです。
技術者にとっては当たり前の言葉でも、お客様にとっては難しい。
逆に、お客様が困っていることをそのまま技術者に伝えても、必ずしも本当の課題が伝わるとは限りません。
私は次第に、技術そのものだけではなく、
「難しいことを分かりやすく整理して伝えること」
に面白さを感じるようになりました。
技術から営業へ
その後は、半導体関連の仕事や法人営業など、技術とお客様の両方に関わる仕事を長く経験してきました。
営業というと、「商品を売る仕事」というイメージを持たれることもあります。
ですが、私が実際の仕事を通じて感じたのは、営業で大切なのは、まず相手の話を聞くことだということでした。
「何に困っているのか」
「本当はどうなりたいのか」
「今ある仕組みのどこに問題があるのか」
話を聞きながら一つずつ整理していくと、最初に相談された内容とは別のところに、本当の課題が見えてくることもあります。
技術の仕事と営業の仕事。
一見すると別々の仕事ですが、振り返ると、私がずっとやってきたのは、
課題を見つけ、整理し、分かりやすい形にすること
だったのだと思います。
そしてAIと出会った
生成AIが急速に身近になり、私自身もChatGPTをはじめ、さまざまなAIツールを日々使うようになりました。
最初は文章作成や情報整理などから始まりましたが、使い続けているうちに、
「これは単なる便利なツールではない」
と感じるようになりました。
文章を書く。
アイデアを整理する。
資料を作る。
情報を分析する。
業務の流れを見直す。
繰り返し作業を自動化する。
AIをうまく組み合わせることで、それまで人が時間をかけて行っていた仕事の進め方そのものを変えられる可能性があります。
そんなAI活用の中で、私が特に夢中になったことの一つが、マンガ電子書籍の制作・出版でした。
AIを活用しながら、企画を考え、構成をつくり、文章を書き、マンガとして表現し、一冊の電子書籍として出版する。最初は試行錯誤の連続でしたが、実際に一冊ずつ形になっていくことに大きな面白さを感じました。
そして、マンガ電子書籍を作る中で改めて気づいたことがあります。
それは、**「難しいことも、伝え方を変えることで分かりやすく届けられる」**ということです。
文章だけでは難しく感じる内容でも、マンガや図解を取り入れることで、ぐっと理解しやすくなります。
これは、これまで技術サポートや営業の仕事を通じて大切にしてきた、
「難しいことを分かりやすくする」
という自分の経験とも、自然につながっていました。
さらに電子書籍を出版するようになると、「作ること」だけではなく、「誰に、何を、どう届けるのか」についても考えるようになりました。
良いものを作っただけでは、必要としている人には届きません。
そこから、情報発信や集客、販売までの流れにも関心が広がり、現在の「仕組みづくり」へとつながっています。
一方で、AIについて相談を受けていると、
「何から始めればいいか分からない」
「使ってみたけれど、仕事にどう生かせばいいのか分からない」
という声も多く聞きます。
新しい技術だからこそ、ツールの説明だけでは足りません。
その人、その会社、その仕事に合わせて、
「では、実際にどう使えばいいのか」
まで一緒に考えることが必要だと感じています。
AIだけではなく、「仕組み」をつくりたい
現在は、AI活用だけでなく、集客や販売の仕組みづくりにも取り組んでいます。
Instagramや電子書籍などで情報を届け、LINEなどで関係をつくり、必要な方に商品やサービスを届ける。
また、業務の中ではAIを活用し、これまで手作業だった部分を効率化していく。
一つひとつのツールを単独で使うのではなく、それぞれをつないでいくことで、仕事はもっとシンプルにできると考えています。
だからこそ、私が大切にしているのは、
「最新のツールを導入すること」ではなく、「実際に役立つ仕組みをつくること」
です。
便利なツールを入れて終わりではなく、
「仕事が少し楽になった」
「お客様との接点が増えた」
「今までできなかったことができるようになった」
そんな変化につながって初めて、技術には意味があると思っています。
一緒に考え、一緒に改善していく
これからは、一度何かを作って終わり、という仕事だけではなく、継続的に関わりながら一緒に改善していく仕事も増やしていきたいと思っています。
仕事や事業の状況は、常に変わります。
最初に作った仕組みが、そのままずっと正解とは限りません。
実際に使ってみて、
「ここは使いにくい」
「もう少し自動化できそう」
「お客様の反応が変わってきた」
といったことを一緒に見ながら、少しずつ良くしていく。
そんな関係で仕事ができたら、とても面白いと思っています。
変わらないのは「難しいことを分かりやすく」
大学時代の電子回路のシミュレーションから始まり、ソフトウェア開発、技術サポート、法人営業、そして現在のAI活用や仕組みづくりへ。
振り返ると、仕事内容はずいぶん変わってきました。
でも、その中で一つ変わっていないものがあります。
それが、
「難しいことを分かりやすくする」
ということです。
AIはこれからも驚くほどのスピードで進化していくと思います。
だからこそ、新しい技術を追いかけるだけではなく、それを人や仕事にどう生かすのかを考えることが、ますます大切になっていくはずです。
これまでの技術と営業、そしてお客様と向き合ってきた経験を生かしながら、AIと人の力を組み合わせて、仕事をもっと楽しく、もっとシンプルにする。
そんな仕組みを、これからもいろいろな方と一緒につくっていきたいと思っています。